イギリスが離脱すればEUも崩壊する理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月3日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。イギリスのEU離脱問題について解説した。

英国の閣議後に記者会見するメイ首相=2019年4月2日、ロンドン(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

英メイ首相、EUに離脱期限の再延長を要請へ

イギリスのメイ首相は4月2日、EUに対して離脱交渉期限の延長を要請することを明らかにした。また、膠着状態からの脱却に向け野党労働党のコービン党首と協議する意向を示している。

飯田)これも手詰まり感というか。

佐々木)「どうするんだよ」と言う感じですね。知り合いのサンフランシスコ在住の人がツイートしていて、パーティーでみんなで集まって、「じゃあ俺もう帰るわ」と言いながらなかなか帰らない、くずぐずいる人っているではないですか。ああいう人を指して「ブレグジッティング」と言うらしいですね。「早く帰れよお前」と。

飯田)そのぐずぐずしている感じがイギリスそっくりだと。

佐々木)そうなのですよね。

飯田)移民は嫌だということが通奏低音のようにあって、でもグローバリズムの自由とか資本の取引の自由などと、それがぶつかったというところですか?

2014年竣工の欧州中央銀行新本店(欧州中央銀行 – Wikipediaより)

EUの問題は欧州中央銀行〜このままでは崩壊へ向かう

佐々木)EUの最大の問題は結局ECBですよね。欧州中央銀行。金融政策を一元化してしまったことで、各国にその権利が無くなってしまった。そうするとEUのやり方に従わない限り、「ギリシャみたいなことになってしまいますよ」ということです。そこが上手くコントロールしきれなかったのですね。統一すると言っても国ごとに経済規模も貧富の差も違うわけですから、同じ金融政策は取れないではないですか。それを一本にしてしまったのが最大の問題ではないかと僕は思っています。このまま行くと、もう崩壊に向かうしかないのではないかな。

飯田)EU全体としても。

佐々木)EU全体が。これでイギリスが抜けたら、残るはフランスとドイツの盟主。ただフランスはマクロン政権が弱体化していて、イエローベスト運動などがあってボロボロになっているので、実質ドイツの一人勝ちです。ドイツ中心のEUということになると思うのですが、それで維持できるのかどうかです。
それと、中国がヨーロッパに盛んに手を伸ばして、イタリアと手を握ろうとしているでしょう。ドイツは少し前までは中国に好感を示していたけれど、あまりにも中国の力が大きくなって来たので、若干引き気味になっている。その辺の綱引きがどうなるのかも見ないといけないし、EUそのものが中国とアメリカとロシアとの綱引きのなかで、徐々に引き裂かれて行く方向に向かわざるを得ないのではないですか。そこに移民の問題などが孕んで来るわけです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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