日本が中国から学ぶべき国防における「習慣」

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AIざっくり要約

  • 奥山真司氏は、北朝鮮のホワイトハウス撮影発表に対し、衛星から早期には撮影不可能と指摘した。
  • また、抑止の本質は相手を脅すことであるとし、日本は北朝鮮を適切に脅していないため抑止できていない。
  • さらに第二次大戦時の日本は外交を知らず、我慢を重ね過ぎる日本の性質が国際社会から奇妙に見られるため、中国方式の文句言う姿勢が必要だと提言した。

実験的な機能のため、正確性を欠く可能性があります。記事本文と併せてご確認ください。

地政学・戦略学者の奥山真司が11月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。11月21日に打ち上げた軍事偵察衛星で「ホワイトハウスも撮影した」とする北朝鮮の発表について解説した。

2023年11月16日、日中首脳会談~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/16usa.html)

2023年11月16日、日中首脳会談~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/16usa.html)

北朝鮮、衛星でホワイトハウスなどを撮影と主張

北朝鮮は11月21日に打ち上げた軍事偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)1号」でアメリカのホワイトハウスや国防総省を撮影したと発表した。ただ、衛星で撮影したとする写真自体はいずれも公開されていない。

飯田)他にも朝鮮半島、グアム、ハワイなど、米軍の主要施設を撮影したと主張しています。ただ、画像は公開していないということです。

この段階での撮影は不可能

奥山)おそらく公開していないのではなく、写っていないのだと思います。衛星は1回飛ばしてから準備がいろいろあるので、こんなに早く画像が公開されることはないと思います。宇宙技術的にも無理なので、おそらく言っているだけでしょう。

飯田)言っているだけ。

奥山)韓国側も「一般的には衛星の打ち上げから作動状態などの確認を経て、正常に撮影するには数ヵ月が必要」と分析しています。

抑止の核心にあるのは「脅し」

奥山)我々はミサイル発射を含め、北朝鮮を抑止できていないですよね。

飯田)これだけ自由にいろいろ撃たれていますものね。

奥山)私は毎月、戦略家のエドワード・ルトワック氏にインタビューさせていただいていますが、先日「ハッ」とさせられた部分がありました。我々は国防において「抑止」という言葉を何度も聞きますが、北朝鮮に関しては抑止できていません。では「抑止とは何だろうか」ということです。ルトワック氏は、「抑止の核心にあるのは脅しだ」と言っています。

飯田)脅し。

奥山)こちら側から「そんなことをするなよ」と脅して相手の動きを止め、「ミサイルなどを発射させない」というのが抑止です。国防文書などでは「中国や北朝鮮を抑止しなければいけない」と言われますが、抑止という言葉を使うのであれば、ルトワック氏の言い方を借りると、「我々はきちんと脅しているのだろうか」という話です。

北朝鮮を「脅して」抑止できていない日本

飯田)確かに「抑止」という言葉は政策用語のような印象ですね。

奥山)上品な感じになりますが、相手に対して「そんなことをしたら大変なことになるぞ」という脅しではないですか。実は国防の核心にあるのは、マフィアやヤクザの世界と同じような「脅し」なのです。国防的にも日本は、常に「相手を脅して止める」ということを意識しなければなりません。しかし、我々はできていないではないですか。

飯田)できていませんね。

奥山)ミサイル防衛に関しても、ルトワック氏から「日本はしっかり北朝鮮を脅しているのか?」と問われたのですが、現状は「脅している」とは言えないですよね。

2023年11月16日、日中首脳会談~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/16usa.html)

2023年11月16日、日中首脳会談~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/16usa.html)

我慢を重ね、いきなりキレて第二次世界大戦を始めた日本

奥山)第二次世界大戦時にイギリス首相だったウィンストン・チャーチルは、『第二次大戦回顧録』を書いています。当時の日本との戦いを振り返って、「日本はいきなりキレてきた。日本人は外交を知らないのではないか」と言っているのです。

飯田)いきなりキレてきた。

奥山)イギリスと戦う前の時点では、「日本は何度も譲ってくれた。しかし、なぜ最後に怒って爆発するのか。日本人は不思議な国民だ。外交なのだから交渉すればいいではないか」とチャーチルは言っているのです。日本人は当時「我慢に我慢を重ねて、いきなりキレて戦争を始めた」と指摘しています。

「我慢を重ねて突然キレる」のは外交していないことになる

奥山)我々は北朝鮮や中国に対して、あるいは人質外交に対しても、何も言わないではないですか。「我慢を重ねて突然キレ出す」という形になれば、これは外交していないことになってしまいます。

飯田)国際的にはそう見えてしまう。

奥山)日本は騒がずに我慢して我慢して、いきなりキレる。そうなると、外交する上で困ると思います。

飯田)人と人の関係でも、こちらが譲っていれば、相手も意図を汲んでくれると考えがちな部分がある。

奥山)「察してくれ」など。

飯田)お互い譲り合おうという暗黙の了解がありますね。

外国から見れば奇妙に見える日本のメンタリティ

奥山)しかし国際的には、こちら側が勝手に思っているだけです。

飯田)日本国内では通じるかも知れませんが、国際的には手を挙げなければ、何も意見や要求がない人に見えてしまう。

奥山)高倉健さんの映画がそうです。譲って譲って、最後にいきなりキレるパターンの映画があるではないですか。メンタリティ的には、あの映画に近い。普段から「そういうことはやめて下さい」と言えばいいのに、我慢してしまう。そして……。

飯田)「堪忍袋の緒が切れた!」と。

中国の「相手に文句を言う」習慣を身につけるべき

奥山)突然キレる状態は、外国からすると「奇妙に見える」ということです。「なぜ前から言わなかったのだ」と言われてしまう。

飯田)チャーチルの時代は、軍縮会議などで「いいですよ、日本が譲りますから」と言っていたのに、突然キレて……。

奥山)戦争になった。ここは中国から学ばなければいけないところです。我々も「相手に対して文句を言う」という習慣を身につける必要があると思います。メッセージを発信しなければいけない。そのためには、「日本人はいつもキレている」という状況が大事ではないかと思います。

飯田)いつもキレているくらいの方がいい。

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