米で相次ぐ銃乱射事件〜アメリカが抱える2つの深刻な問題

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月5日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカの銃乱射事件について、アメリカが抱える銃社会と分断社会の問題について解説した。

銃乱射事件があったショッピングモール近くで花などを供える女性=2019年8月4日、米テキサス州エルパソ(共同) 写真提供:共同通信社

アメリカ、13時間で銃乱射事件2件〜29人が死亡

メキシコとの国境に近いアメリカ・テキサス州のエルパソの商業施設で、21歳の白人男性単独犯による銃の乱射事件があり、少なくとも20人が死亡、26人が負傷した。男はインターネットに過去に投稿した内容で、ヒスパニック系を標的にしたヘイトクライムの疑いがある。また、そこから1日も経たないうちにアメリカ中西部オハイオ州の街中で男がライフル銃を乱射し、9人が死亡、26人が怪我をした。13時間で銃乱射事件が2件続き、アメリカでは動揺が広がっている。

飯田)エルパソの事件は商業施設「ウォルマート」というところで、相当混雑していて満員のような状態だったという話ですが。

須田)これだけの大量殺人を起こすことを前提にやっているわけですし、テキサス州のエルパソがメキシコの地名に由来していることからも明らかなように、完全にヒスパニック系の街です。ほとんどの人がヒスパニック系と言っても過言ではない地域。ここでこういうことをやっているのですから、ヘイトクライムである可能性が非常に高いのだろうと思います。

市東部のヤシの並木道(エルパソ (テキサス州)-Wikipediaより)

銃社会と分断社会という問題

飯田)問題は2つあると思います。これまで言われて来たように、アメリカが深刻な銃社会であるということ。ここばかりに焦点が当たって来たのですが、もう1つは政治的な土壌と言うか、トランプ政権の誕生以降、銃乱射までは行かないにしろ、この種のヘイトクライム的行動が相次いでいた。それを容認するような社会的土壌があったのではないかと私は見ています。ただ単純に銃社会だからこういうことが起こるのではなくて、アメリカの抱える深刻化する分断社会という問題も考えるべきだと思います。

飯田)今回のエルパソの事件は、犯人はダラスに住んでいて、エルパソから1千キロ以上ある遠いところです。車で10時間以上飛ばしてわざわざやって来たということは、相当な動機があるということですものね。

黄色人種・ヒスパニックに対する差別が強い

須田)その動機には、憎悪や悪意などがあるのだろうと思います。先ほど分断社会と申し上げましたが、次の大統領選挙に向けて反トランプというか、対抗馬を立てて行くなかで、民主党候補、有力候補を見るとかなり差が大きいですね。来年(2020年)暮れの大統領選挙に向けて、分断化がどんどん深刻化しています。アメリカはもともと有色人種に対する差別がものすごく根強い。これはただ単純に白人・黒人に限らず、我々のような黄色人種は黒人より下に見られている。それと同列に扱われているのはヒスパニック系です。私も来週からワシントン・ニューヨークに行くのですが、ニューヨークは特に黄色人種に対する差別感がある。よく黒人の店員さんなどから受けるのですよ。そういったものが土壌にあって、ちょっとしたきっかけで噴出して来る、という状況がありますよね。

飯田)確かにアメリカに住んでいる人の話を聞くと、黒人の方々をあからさまに差別するのはポリティカル・コレクトネス的にダメだし、批判の対象にもなる。黄色人種のほうが、あいつらはあまり文句を言わないから楽なのだと言っているのを聞いたことがあると言います。でもそういう差別の歴史は、いままで続いて来てしまっているわけですからね。

須田)行動というか、意識でしょうね。こういうことがありました。マンハッタンのスターバックスで、黒人の店員さんからおつりをもらうのに、触ろうとせず上から落とすのですよ。その人だけかもしれないけれど、そのくらい黄色人種は深刻な差別を受ける。そういう土壌があるのだということです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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