輸出規制のいちばんの問題は韓国の国内ルールの甘さ

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月5日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。韓国が非難する日本の輸出規制について解説した。

【経済産業省会見】会見する世耕弘成経産相=2019年8月2日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

韓国、RCEPで日本の輸出管理見直しを非難〜問題のある韓国の国内ルール

日本政府が安全保障上の理由で輸出管理の優遇措置を適用するホワイト国から韓国を除外する閣議決定をしたことに対して、韓国側はRCEPの会合の場で日本を非難した。RCEPは日本や韓国、中国、ASEANなど16ヵ国が参加する、東アジア地域包括的経済連携で、出席していた世耕経済産業大臣は「輸出規制とRCEPは無関係だ」と反発している。

飯田)2日には河野外務大臣とアメリカのポンペオ国務長官、韓国の康京和外相がバンコクで会談をしましたけれど、ポンペオさんは日韓の協力を促したのみで仲介案の提示はなく、平行線で終わっています。RCEPは多国間のもので、二国間の話とは違いますよね。

須田)韓国側としては、ありとあらゆる機会を捉えて日本批判をして行くという戦略ですから、こういう国際会議はアピールをする絶好の場なのだろうと思います。いろいろと検証をしてみても、WTO協定違反には当たらないという状況では、日本側の主張は正しいです。少し深堀りすると、問題があるのは韓国の国内ルールなのです。軍事転用可能な戦略物資に関して、アメリカや日本の管理体制と比べて、あまりにもずさんで甘い。それはルールそのものが甘いということと、違反した場合のペナルティが甘い。例えば韓国では、そういう軍事転用可能な物資に関して、それを転売したり、目的外に使用した場合でも、当該企業の名前が公表されることがありません。ペナルティに関しても非常に甘いものになっていて、なかなかルールが守られないのです。韓国国内のルールを、アメリカや日本基準に合わせて行く必要があるのだろうと思います。

韓国国内のルールに触れることは内政に口を挟むことになる

須田)グループAからBに韓国のカテゴリーが下げられたことによって、韓国企業や韓国経済が大きなマイナスの影響を受けることは間違いない。何としても元のホワイト国、グループAに復帰をしたいということは間違いないのですが、そうするために日本はどうしたらいいのか。これは韓国国内の内政に口を挟むことになりかねない。ルールが甘いから、それを元の状況に戻さなければと日本が動くと、内政干渉ということにもなりかねません。そのあたりをどう伝えて行けばいいのか。ただ、過去の韓国国内の調査報告書を見てみると、自分たちのルールは甘すぎると韓国サイドも気が付いているのです。アメリカ・日本基準にしないとこういった事態は回避できない、収束して行かないということには気が付いているのだけれども、やって来なかった。

羽田空港に到着した韓国国会議員団。手前中央は団長を務める徐清源氏=2019年7月31日午前、東京都大田区 写真提供:産経新聞社

このタイミングでよかったのか

須田)タイミング的に考えてみると、元徴用工の問題や従軍慰安婦の問題、或いはレーダー照射の問題などがあり、日韓対立が激化しているなかで、こういった措置をしたということに対して、韓国サイドからの反発が強まっているという状況もあるのです。タイミングが適切だったのかということは、考えてみる必要があるのかなと思います。

20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席のため、関西空港に到着した韓国の文在寅大統領。右は金正淑夫人=2019年6月27日午後、関西国際空港 写真提供:産経新聞社

2020年の総選挙に向けて「反日行動」で世論にアピールする文在寅政権

飯田)実は韓国の文在寅政権にとっては、この日本の措置も渡りに船的なところがあって、2020年4月の総選挙に向けて、いま支持率が上がっているということです。日本と角を突き合わせるような、強い大統領という行動をすると世論にウケる。かえって、向こうに塩を送ることになっているような部分もあるのですよね。

須田)そうすると国会議員選挙が終わらなければ、この問題の収束は測れない。その間はどうするのだということになります。

飯田)そうですよね。韓国経済は確実に痛むのですからね。

須田)アジアで唯一のホワイト国だというメリットを生かして、韓国国内に生産拠点を移転する、韓国国外の企業があったわけです。それが韓国から生産拠点を外して行くという動きも起こりかねない。そういう実害の部分と、政治的なメリットの部分を韓国サイドも冷静に考えてみるべきではないかと思います。確実に韓国の経済は痛んで行きますからね。

飯田)すでに文在寅政権の経済姿勢は最低賃金を上げようとして、雇用が狭まってしまうという状況なのですが、そういう経済減速を全部覆い隠してくれる。日本が悪いから韓国経済もこれだけ悪くなっているのだ、という言い方をしているようです。そうなってしまうと経済も止まらないのかなと思いますね。

須田)その一方で、サムスン電子が韓国国外へ脱出しようとする動きを見せています。

飯田)あそこは輸出の相当な部分を担っていますよね。

須田)政治的リスクが伴っているわけですから、韓国に置いていることが自社の利益・売り上げが減少することにつながるとするならば、そういう選択肢もあり得るのではないかなと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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