国家安全保障局長に北村滋氏を起用〜その人事の背景にあるもの

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。国家安全保障局長に北村滋内閣情報官が起用されるという今回の人事について解説した。

谷内正太郎-Wikipediaより

谷内正太郎国家安全保障局長が退任〜後任に北村滋内閣情報官を起用

国家安全保障局は、総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣らで構成する、国家安全保障会議(NSC)の事務局で、外交防衛対策の司令塔の役割を担う。そのトップである谷内正太郎国家安全保障局長が退任し、後任に北村滋内閣情報官を起用する方向で調整していることがわかった。9月の内閣改造に合わせて交代するとのことだ。

飯田)NSCは外交など、本当にいろいろなことを司るところで、そのトップが交代ということです。メールでもいろいろといただいているのですが、“やすゆき”さん、甲府の自営業の方。「近隣の国々との関係悪化も鑑みると、国家安全局長のトップが外務省畑から、公安の畑に移ったのはよいことだと思います」。北村さんは警察出身ですね。

須田)国家安全保障局とはそもそも何なのかと言うと、日本版NSCの事務局になります。アメリカにおけるNSCは、ある意味では情報機関、諜報機関のトップです。CIAや陸軍の情報局、DIAなどのトップに立ってハンドリングをするという役割を果たしています。情報、諜報機関のトップであるということを前提に考えると、物事が見えて来るのではないかと思いますが、戦前の日本においては情報、諜報機関は2本立てだった。1つは外務省、もう1つは軍です。日本軍が情報や諜報を担っていた。けれど戦後に軍が解体されてなくなったあとは、外務省の独壇場になったわけです。戦前は外務省と軍が、情報や諜報面で仲が悪かった。ですから晴れて自分たちの天下が来たと、外務省のやりたい放題になったのです。ただ、外務省の情報、諜報ということを考えてみると、CIAやMI6、MI5などとはレベルが違うのですよ。

今回の人事の背景にあるもの

須田)その一方で、それをフォローする形で警察にその役割が担わされた。自衛隊のなかにもそういうセクションが設けられました。結果的に、それを統合するところに外務省トップがあった。私は谷内さんを批判するつもりは毛頭ないのですが、そのトップの行動が全部オープンになっているのですよ。「どこに行きます、誰と会います」ということが。それはいくら何でもありえないと思います。アメリカならば、行動が筒抜けということは絶対にありえません。その1点で、情報や諜報の有り様というものをこの人は、あるいは外務省は正しく理解しているのだろうかという疑問までわく。結果的に裏方の動きとして、特に北朝鮮問題では何の成果も出せなかった。安倍政権が6年8ヵ月やって、谷内さんにそこを全面的に任せたのに、表の交渉はさることながら、裏方の交渉においても、いいように翻弄されてしまった。外務省が情報機関、諜報機関のトップを担うことは荷が重いのではないかというのが、今回の人事の背景にあるのですね。

飯田)北村さんは内閣情報室長を長く勤められている。こちらは情報のプロでもありますよね。ここのトップが変わると、いろいろなことが変わる可能性があるわけですか?

須田)西側の情報機関との関係もスムーズになるでしょうし、情報の価値、秘匿しておくべき情報というものもきちんと認識されています。これはどちらかというと批判的な言い方なのですが、北村さんを批判する人たちは「官邸のアイヒマン」と呼んでいます。

飯田)はい。

須田)批判している人たちはそう指摘しているけれども、これは北村さんにとって、ある意味での勲章ではないかと思います。それは冷徹に情報、諜報に対して向き合っているという意味合いを持つのではないでしょうか。こういう人が日本版NSCの事務方トップに就かなければ、日本の情報戦略、諜報戦略というものもうまく回って行かないのではないかと思います。ですから今回の人事は評価できるのですが、外務省としては不本意であることは間違いありません。次のポストを巡って、外務省も巻き返しをして来るのではないかと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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