日露関係が前に進まない日露それぞれの理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月5日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。5日に予定されている日露首脳会談について解説した。

会場の極東連邦大学の主要建物(東方経済フォーラム-Wikipediaより)

安倍総理、日露首脳会談へ

東方経済フォーラム出席のためロシア訪問中の安倍総理大臣は5日、プーチン大統領との首脳会談に臨む。北方領土問題を含む平和条約締結交渉が行き詰まるなか、4日の出発前に次のように述べている。

 

安倍総理大臣)四島における共同経済活動については、その実行に向けて着実に準備は進んでいます。ウラジオストクにおいて、平和条約交渉を次の次元へと進めて行くために、腹を割ってプーチン大統領と話し合いたいと考えています。

20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット) ロシアのプーチン大統領(左)を出迎える安倍晋三首相=2019年6月28日午前、大阪府大阪市住之江区 写真提供:産経新聞社

支持率を上げるために日本に強硬姿勢を取るプーチン大統領

飯田)そう言っていたところなのですが、色丹島の水産施設、ロシア側がどんどんインフラ整備をしています。その開業式典にテレビ会議形式で出席したということが報じられたりと、ロシア側の姿勢が変わって来ています。

鈴木)舐めているのか、という話です。フォーラムと言うと、去年(2018年)いきなりプーチン大統領が「前提条件なしで」と、安倍さんも一緒にステージへ上がっているときに発言して、「安倍さんはなぜ言い返さなかったのだ」と言われる出来事がありました。いい思い出ではないけれど、あれがきっかけになって平和条約と向き合い、進むのかと思いましたよね。北方領土も何らかの形で返還へ向かうのだと思っていました。しかし、その流れがまったく止まってしまった。背景にあるのは、プーチン大統領の国内支持率が下がっていることです。日本で言う統一地方選挙が近々あるのです。そのために極東地域、まさにこの北方領土も対象ですが、支持率が低いプーチンさんが勝つためには、より強硬なことをやりますよ。今度の日露首脳会談はやり続けることが大事だけれども、何か大きな前進があるかというと、そこは少し悲観的だと安倍さんの周辺の人も言っていました。とにかく、平行線でもパイプを作り続けるというニュアンスの首脳会談になるでしょう。

山中湖を背に、インドのモディ首相(左)と談笑する安倍首相=2018年10月28日午後、山梨県山中湖村 写真提供:共同通信社

インド、モンゴルとの会談に注目

鈴木)今回、他にもインド、モンゴルのトップと首脳会議のようなことをやるのです。中国の向こうにあるインドは、中国と日本が付き合って行く上で、中国への圧力などいろいろなことに使えると言われています。そういうことで、日印の関係はすごく大事です。モンゴルに関して言うと、モンゴルの先に、北朝鮮との関係があります。日露首脳会談はそこそこに、この2つの首脳会談に重きを置くことができるのではないかと思います。

ウランバートル市街(ウランバートル-Wikipediaより)

日露の議員外交が必要

鈴木)日露で言うと、以前に外務省のOBを囲む会のなかで話がありましたが、日韓がこじれているでしょう。共通点があると言うのですよ。何かというと、議員外交が日露も上手く行っていないそうなのです。韓国もそうでしょう。日韓議連が頑張ってはいるけれど、上手く行っていない。日露もかつては鈴木宗男さんや鳩山由紀夫さん、森喜朗さんなどパイプとなる人がいたのですが、いまはいない。ロシア側も、なかなか跡を継ぐ議員を探しきれていないということがポイントだと言っていました。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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