中国がソロモン諸島との国交を台湾から奪う理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月17日放送)にジャーナリストの有本香が出演。ソロモン諸島が台湾と国交を断絶したニュースについて解説した。

マナセ・ソガバレ-Wikipediaより

ソロモン諸島、台湾と国交断絶

南太平洋の島国であるソロモン諸島政府は16日、台湾と断交し、中国と国交を樹立することを決めた。これを受け台湾の外務大臣に相当する呉サ燮(ごしょうしょう)外交部長はソロモン諸島と外交関係を断絶すると発表した。

飯田)前回、有本さんにご出演いただいたときに、こういう動きが出ているということを解説いただいたのですが。

有本)あのときは特にこのような大きなニュースがあったわけではありませんが、南太平洋、太平洋諸島が大事ですよという話をさせていただきました。

飯田)南太平洋の国々のなかでは面積も大きく、影響力もあると言われていますけれども。

有本)そうですね。ソロモン諸島は首都がガダルカナル島にあるのですが、日本にとっては激戦の地ですよね。

飯田)そうですよね。

シドニーは同国最大の金融センターであり、世界有数の世界都市である(オーストラリア-Wikipediaより)

オーストラリアにとっても安全保障上の脅威となる

有本)中国は前の政権のときから、太平洋諸国に対する働きかけを積極的に行って来ました。簡単に言えば、実際の島がある南シナ海です。中国は南シナ海で埋め立てなどをして人工島をたくさんつくり、軍事拠点にしようとしています。そこは実際に島があって国もあるのですが、そのまま中国が利用しようということです。言ってみれば、いただいてしまおうということですね。いままでソロモンを含めて6ヵ国、台湾と国交のある国がありましたが、それをひっくり返すという台湾との争いでもあります。それだけではなくて、近年ではオーストラリアと中国勢とで、ものすごい争いになっています。オーストラリアにとって、自分の北に位置する島々が全部中国に取られてしまうことは、安全保障上の脅威でもあるということです。

飯田)蓋をされてしまうようなものですかね。

有本)そうですね。それぞれ貧しい国でもあり、いろいろな災害の影響を受けやすい。ですから常に援助を必要としています。こういうところに中国は入って行き、日本円で言うと何百億という莫大な援助をしています。例えばソロモンでは、インターネット用の海底ケーブルをオーストラリアとの間で敷設することになったとき、それを請け負ったのが中国のファーウェイでした。

飯田)そうなのですね。

国会議事堂(バヌアツ-Wikipediaより)

バヌアツでは中国人が大量に帰化し、事実上中国の領土に

有本)「それはやめてくれ」ということで、オーストラリア政府からの要請でストップがかけられた。結局はオーストラリアが全額持つので、ファーウェイをやめてくれということですね。あるいはバヌアツの事例ですと、3000〜4000のパスポートが発行されて、中国人がバヌアツ国籍になってしまう。

飯田)帰化するわけですか。

総統府で、海外メディアとの会見に応じる蔡英文総統=2019年1月5日 写真提供:産経新聞社

日本にとってはオーストラリアへのシーレーンが塞がれてしまう

有本)はい。この地域はすでに中国人がビジネスで入り込み、居住している人がいます。このように簡単に国籍を渡してしまうことになれば、この辺りは事実上の中国の領土、飛び地になる可能性がある。それが日本にとってはどう困るかと言うと、まさに飯田さんがおっしゃったように、蓋をされてしまう。ここはオーストラリアと日本をつなぐシーレーンにあたります。

飯田)そうですよね。

有本)オーストラリアからも、日本は相当な資源を輸入しています。

飯田)確かに。

有本)石炭や鉄鉱石など、その道が中国によってふさがれてしまう。これはオーストラリア政府だけでなく、アメリカも相当な危機感を強めています。ペンス副大統領が直接、ソロモンの首脳に対して働きかけをする予定でした。

飯田)ところがその前に中国が…。

有本)先んじてということですね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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