ジョンソン英首相〜12月の総選挙提案も実現は困難

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月25日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。ジョンソン英首相が12月の総選挙を提案したニュースについて解説した。

ボリス・ジョンソン-Wikipediaより

イギリスのジョンソン首相が12月の総選挙を提案

イギリスのジョンソン首相は24日、10月中のEU(ヨーロッパ連合)からの離脱が困難になったことを受け、自らまとめた新たなEU離脱案の是非を問う総選挙を12月に実施することを提案した。ただ、イギリスの首相には解散権がなく、実現するかどうかは野党の対応次第ということになる。

飯田)総選挙をやるとなったら、メイ首相の下で行われた2017年6月以来ということだそうですね。

宮家)英国の首相には解散権がない。議会の同意を得ないと解散できないわけですから、議会と妥協しなければいけません。つまり、その時点で、選挙をやる前から、議会内、保守党内での力関係は弱くなっているのです。このような勝算のない解散をどこまでやるのか知りませんが、メイさんのときもそうだったではないですか。メイさんだって政権を引き受けて、ブレグジットをやらなくてはいけない、しかし政治力もつけなくてはいけないということで解散して、その結果負けてしまったわけです。ジョンソン首相だって、勝つという保証はないのです。結局、先送りにしているだけではないかということにもなりかねない。いつも言うことですけれど、イギリスの黄昏は続きますね。

飯田)早くも10月末は難しいのではということがあって、1週間程度なら延ばしてもいいと、ジョンソンさんもインタビューで言ったそうです。

宮家)そういう問題ではないと思います。12月に選挙をやろうと言っているのだから、とてもではないけれど11月に決まるわけがないので、結局は何も起きないのではないかと思います。離脱でも残留でもない、変な状況になってしまいますよね。

ロンドンの英議会下院で欧州連合(EU)離脱修正案が否決された後、発言するメイ首相(イギリス・ロンドン)=2019年3月12日 写真提供:時事通信

3年続く混沌とした状況〜国民投票はやるべきではなかった

飯田)その宙ぶらりんが2016年6月の国民投票から、ここ3年程続いています。

宮家)民意が反映されたものだということで始めたのはいいけれど、本当にそうなのかと言う人もいるわけでしょう。もう1回、国民投票をやるかという声が野党を中心にありますよね。しかしそれをやったって、結果が同じだったら意味がないでしょう。

飯田)やった意味がないですね。

宮家)しかし、結果が違うのだったらそれはそれで大変ですよね。攻守が入れ替わるわけだから、今と同じように強力な反対論が出て、同じ状況になる。そもそもキャメロンさんが国民投票などやるからいけないのですよ。政治家はああいうポピュリズムをやってはいけません。やはり自分の信念でやって、あくまで総選挙でその責任を負わなくてはいけない。国民投票に投げても、国民が常に正しい判断をするという保証はないのですから。やはり、総選挙で決めるべきだったのだと思いますけれどね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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