大学入学共通テストの採点作業検証〜本筋を見失っているのでは

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月12日放送)にジャーナリストの有本香が出演。大学入試センターが新たに導入する記述式問題の採点が適切に行えるかを検証するというニュースについて解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

大学入学共通テストの採点作業検証

大学入試センターは11日、大学入学共通テストの、国語と数学1、数学1Aに導入する記述式問題について、採点の課題を検証する準備事業を始めた。11月25日までに47都道府県で、およそ2万人の高校生らの協力のもと、実際に採点を実施、採点ミス防止策の有効性などを検証する。また、採点委託先企業との役割分担や連携も確認し、精度向上につなげる。

飯田)記述式となると採点ミスや、実際の成績と自己採点にずれが生じる可能性があると。

有本)そもそもセンター入試はそういうことをさせないため、平準化するためにマークシートという形で導入されたものです。2020年に、いままでのセンター入試というものがなくなった。それを決めたのは下村博文さんが文科大臣だったときで、私はこれを意欲的に取り組まれたと記憶しています。マークシートでは思考力が問われないから、数式を書かせるのだと言っていますが、同じマークシートでも、数学に関しては別に選択肢から選ぶのではありません。数字から選ぶ形です。少し誤解をされているのではないかなという気もしました。

英語民間検定試験、延期へ  大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入延期について記者会見する萩生田文科相=2019年11月1日午前、文科省  写真提供:共同通信社

いろいろいじくりまわしてもあまり変化はない

有本)センター入試の前段に、例えば我々の世代では40年くらい前ですが、共通1次テストというものがあって、当時は国公立大学だけでした。国公立大学にマークシート方式の共通テストを導入して、これを1次試験としてやり、2次試験は各大学がそれぞれ特徴を出してやるということでした。そこに、今度はセンター入試という形になって、私立大学も乗っているわけです。そのようにいろいろいじくりまわしたところで、あまり変わらないのではないでしょうか。

飯田)確かに思考力や判断力、表現力をはかると言われていますけれど。

有本)それはセンター入試ではかるものではありません。基礎的な学力をはかるというものです。それ以上は各大学がやるということは、基本的に変わっていないはずです。

飯田)大学の2次試験で、思考力や判断力を。

有本)そこで見ればいいと思うので、なぜここまで複雑怪奇なことにしてしまったのか。採点ミスがないようにと、わざわざ模擬試験をやってみたり、趣旨がよくわからなくなっている気がします。

飯田)今回、採点の部分をベネッセの子会社が請け負うかたちになっていますが、そういったお金の流れを追及する向きもあります。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

継ぎ足しを重ねて本筋がわからなくなっている

有本)そういうことになるわけです。特定の企業に、一種の利権が流れて行くのではないかという懸念もある。私は民間企業を入れることが、必ずしも悪いとは思いません。しかし入試とは一体どういうものなのかという、根本の部分がどこかに忘れ去られてしまって、「あれがいいのではないか、これがいいのではないか」と、どんどん継ぎ足して行っている印象があります。日本の場合は税制でもそうですが…これが悪い言い方に聞こえたら申し訳ないのですが、昔の温泉地の旅館のような、どんどん建て増しをして、本筋がわからなくなってしまう、効率が悪くなってしまうような流れになっていますよね。

飯田)確かにコスト削減の面で言うのであれば、マークシートの方が全部機械にかけられるのだから、コスト削減されますよね。

有本)そうですよ。採点ミスも少ないしスピードもあるから、まずはそれで、ある程度の学力をはかる。そこから振り分けなり仕切りなりをやって、その上で各大学がそれぞれ特徴のある入試を、2次試験でやればいい。そういう趣旨の何がいけないのでしょうね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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