ネタニヤフ首相を起訴〜新政権樹立の可能性はあるのか

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月22日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。イスラエルのネタニヤフ首相が起訴されたニュースについて解説した。

ベンヤミン・ネタニヤフ-Wikipediaより

イスラエルのネタニヤフ首相を収賄罪などの罪で起訴

イスラエルの検察は21日、収賄などの罪でネタニヤフ首相を起訴したと発表した。現職首相が起訴されるのは初めて。検察はネタニヤフ首相がイスラエルの通信大手ベゼクに便宜を図った見返りに、傘下のニュースサイトでの好意的な報道を求めたことが収賄の罪に当たると判断。その他、複数の実業家から高額の贈り物を不正に受け取ったとして、背任などの罪でも起訴されている。

飯田)通算で13年半も首相職だったのですね。

宮家)彼は私が中東第一課長になったころに初めて首相になりました。当時、彼はほとんど極右の保守政治家でした。ところがいまは、彼よりも右の人がたくさんいるのです。ネタニヤフさんはそうした保守的な人たちを取り込んで生き延びて来たのだけれど、今回ようやく捕まったかというところです。彼のやったことが本当に違法かどうかは別として、首相を13年もやるためには、政治資金をいろいろなところから集めなくてはいけませんから、こうなってしまったのでしょう。しかし、これでイスラエルが変わるかと言ったら、変わらないのではないですかね。あの選挙制度、すなわち完全な比例代表制で選挙をやれば、どうやっても小選挙区制とは違い、圧倒的に強い政府ができないですから。「ああでもない、こうでもない」ということになってしまって、組閣ができない。もう今年(2019年)で2回目でしょう。もしかすると1年で3回やるかもしれないという報道もあるのですが、それも十分あり得ます。ただ、ネタニヤフさんを起訴して裁判が始まり、事実上の公民権を停止してしまえばいいのですよ。そうすればイスラエルの政治が変わるかもしれない、ということではないですかね。

総選挙の遊説を行うイスラエルの中道政党連合「青と白」のガンツ元軍参謀総長(イスラエル・北部イェスドハマアラ)=2019年9月11日 写真提供:時事通信

新たな政権が樹立する可能性

飯田)これだけ長く首相にいると、アンチも増えるし。

宮家)アンチばかりですよ。

飯田)そしていま、ネタニヤフさんが組閣に失敗して、ガンツさんという軍のトップだった人が組閣しようとしたのだけれど、これもうまく行かずに、このままだともう1回選挙をやるということになる。

宮家)「1回で決めろよ」と言いたいところですけれど、この人たちはだらだらやるのですね。

飯田)なかなか妥協ができないということですか?

宮家)そうでしょうね。しかし、今やネタニヤフさんがいるかいないかということがいちばん大きな問題になっています。では野党のガンツさんはリベラルなのかと言えば全然そうではなく、彼も保守派なのです。保守で同じような考え方なのだけれど、ネタニヤフさんは嫌い。そういう人が何十人もいるのです。だからネタニヤフさんが率いているリクードが割れない状況だと、混戦で決まらない状況が続くわけです。逆に言うと、ネタニヤフさんがいなくなれば、おそらく新しい政治状況が生まれる。結果的にそういう形になるのではないですかね。誰かがそうした効果を狙って検察を動かしたという話ではないと思いますけれど・・・。

飯田)もともと、ずっとやっていた。

宮家)疑惑はずっとあるわけで、いままでは首相だから逮捕できなかったのでしょう。しかし今回は一応総選挙で負けていますから、やるとしたらいまですよね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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