ローマ教皇〜来日のもう1つの目的

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月26日放送)にジャーナリストの有本香が出演。ローマ教皇の来日について解説した。

「東日本大震災被災者との集い」で被災者と面会したローマ教皇フランシスコ=2019年11月25日午前、東京・半蔵門 写真提供:産経新聞社

ローマ教皇、安倍総理と会談

25日、総理官邸で安倍総理と会談を行った、来日中のローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇。今回の訪問のテーマは「すべての命を守るため」とされている。長崎と広島を訪問したフランシスコ教皇は、原爆による破壊行為が人類史上2度と起こらないよう、阻止に必要となるあらゆる措置を講じるよう訴えた。これに対し安倍総理は、核なき世界への確固たる信念があると語り、その実現に向けた不断の取り組みを誓った。

飯田)拉致問題なども話題になったということです。

有本)前回のローマ教皇の来日は、もう38年前です。

飯田)1981年ですね。

大歓声の中、ミサのため東京ドームに入場するローマ教皇フランシスコ=2019年11月25日午後、東京都文京区 写真提供:産経新聞社

前回のローマ教皇の来日に比べて、政治的な発言が多い印象

有本)前回に比べて、いっそうお言葉が政治的になったという印象を受けます。当時も冷戦時代ではありましたが、あのころよりも世界情勢がいろいろな意味で厳しくなったり、不透明感を増していたり、何が起こるかわからない状況なのだと、逆に実感させられたところがあります。そして、25日には5万人ほど集めてミサが行われました。

飯田)東京ドームで。

有本)日本は世界的に見ても、特に先進国のなかでは、キリスト教徒が少ない国です。

飯田)プロテスタント、カトリックを合わせても。

有本)そうですね。日本には中世のころから随分と宣教師が来ていましたが、日本はキリスト教の広まらなかった国です。カトリックだけでなく、プロテスタント系のものを全部合わせても、人口比1.1%というのは極めて少ない。お隣の韓国は、約3割ほどがクリスチャンと言われています。最近では中国でクリスチャンが激増しています。

飯田)そうですか。

有本)地下教会などを入れないで、公的な色合いの強い調査結果で見ても、2.4〜2.5%くらいいるだろうと言われています。中国で人口の2%以上はすごい数です。

飯田)公称でも14億人くらいです。だから3000万近い数になります。

【ローマ教皇来日・広島】広島市を訪問し、平和記念公園の慰霊碑前で被爆者らに祈りを捧げるローマ教皇=2019年11月24日 写真提供:産経新聞社

来日のもう1つの目的

有本)10年後くらいにはアメリカを抜いて、最大のキリスト教徒がいる国になるのではないかと言われています。そういうわけで、アジアのなかでも日本は非常にクリスチャンの少ない国なのですが、逆に言うと日本国内の、特にカトリックの人たちが、教皇様の訪日を熱く望んでいたということがありますよね。しかし実際には、拉致問題が安倍総理とフランシスコ教皇との会談のなかで触れられたということを、大きく取り扱っているのは産経新聞だけです。そうした政治的な課題について、割合深く言及されたということから、「今回の訪日の目的は何なのだろう」と考えると、当然カトリックの指導者として日本に来られたということもあります。しかしそれだけではなくて、バチカンと日本との2国間関係ということもあります。バチカンは非常に小さい国ですが、主権国家ですので、独自に外交関係を世界の170〜180の国と持っています。日本もその1つ。そして台湾とも国交を持っている、ある意味ユニークな国際関係のある国です。そういう意味で、その首長である猊下(げいか)とお話になったということも、頭にとめておきたいと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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