アリババグループが香港で上場する2つの理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月27日放送)に数量政策学者高橋洋一が出演。アリババグループが香港で上場したニュースについて解説した。

26日、香港証券取引所で行われた上場式典の会場。中国電子商取引(EC)大手のアリババグループが26日、香港証券取引所に株式を上場し、米国と香港に重複上場した初の中国インターネット企業となった。(香港=新華社記者/朱祥)=2019(令和元)年11月26日、クレジット:新華社/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

アリババグループが香港で上場

中国のネット通販最大手アリババグループは26日、香港証券取引所に株式を上場した。アリババの上場はニューヨーク証券取引所に続いて2ヵ所目で、今回の資金調達額は日本円で1兆2000億円あまり。中国本土からも投資しやすい香港に上場することで、資金の調達先の多様化をする狙いがあると見られている。

飯田)巨大IT企業が香港上場というか、アメリカから逃れるみたいなことでもあるのでしょうか。

高橋)多様化と言いますが、アメリカで制裁を受けたら資金調達ができないかもしれないという、恐れもあると思います。あとは香港が最近ガタガタしていますから、香港のプレイアップも狙っているのかなという気がします。

飯田)これで潤わせて。

高橋)香港というとニューヨーク、ロンドンに次ぐ金融センターです。しかし、いまの香港の状況では、普通の金融機関はビジネスしづらいですよね。いままでは一国二制度という建前で、自由な市場の象徴でした。でも実は一国二制度ではないということになると、中国のなかでやることになります。そうすると、金融センターとしてはどうなのだろうかと思いますよね。いまは世界3位ですが、だんだん地位が下がっています。金融センターとしての香港の地位が揺らいで来るかもしれないと思うから、こういうことをやるのでしょう。アリババは中国傘下の企業ではないですか。だからやりやすいということかもしれません。

飯田)純国有企業。創業者のジャック・マーは中国共産党員の人です。

香港の金融街セントラルで抗議活動する市民ら。香港区議会選挙では民主派が圧勝した=2019年11月25日(共同) 写真提供:共同通信社

アメリカで制裁を受ける可能性と金融センターとしての香港の危うさ

高橋)いろいろな思惑があって、いまのタイミングなのだと思います。

飯田)先ほど罪刑法定主義の話がありましたが、それがあるから安心して企業活動できるというのが、香港の利点としてありました。しかし、もはや罪刑人定主義のようになっている。

高橋)そうですよね。罪刑法定主義というのは、西側諸国で共通の制度です。中国では裁量で決まってしまいます。

飯田)それもすべて中国共産党主導の下。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

中国からの資金調達もできる

高橋)それでは金融はできないですよね。そういうことがわかったら香港は金融セクターとしての地位は保てないし、お金がある人はもう香港から出ていますから、だんだん衰退して行くのではないかと見られています。だからアリババくらいなら上場してもいいし、アリババもニューヨークだけで上場していたらどうなるかわからないと中国共産党の人に言われてしまったら、「では香港もやるか」ということになるでしょう。香港はイギリスの統治下だったので、イギリスは金融市場に対して自由だったのですが、それが変わって来たのではないでしょうか。香港で上場すると、中国からの資金の調達もできるから、アリババにとっても渡りに船かも知れません。

飯田)香港は上海や深?からも、資金が流れ込むスキームがありますよね。

高橋)上海も深?も証券取引所がありますが、日本や政府の証券取引所とは違います。要するに自由ではなくて、誰かが管理しているところだから。

飯田)かつて不可解に上場が廃止になったり、取引が停止したりしましたよね。

高橋)それは日本やニューヨーク、ロンドンではあり得ないことです。価格が操作される可能性もあるし、証券会社だって本当の自由な市場であるかわかりません。日本の自由な市場で資金調達できることとは違っています。管理されたなかでの資金調達だと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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