公文書である「桜を見る会」名簿を“1ヵ月で処分”は許されない

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月28日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。「桜を見る会」の問題から公文書のあり方について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

与党、今国会の会期延長せず早期閉幕へ

与党は12月9日までの今国会の会期を延長しない方向で調整に入っていることが27日、関係者の話で明らかになった。日米貿易協定の承認案など政府提出の法案成立にほぼ見通しがついたためとのことで、野党の求める安倍総理出席の衆参両院の予算委員会の集中審議には応じない方針。

飯田)「桜を見る会」から逃げ切るつもりか、というような批判も出ています。

鈴木)自民党の国対幹部に話を聞くと、本音は明らかにそこです。桜を見る会についての集中審議を行うと、総理が出席して説明をしなければならないですよね。ですが国会対策という意味では、それがかなり影響を与える。それならば閉じた方がいいと。今回に限らず、いいことではないのですが、国会は政権がまずいときに早く閉じますよね。

「桜を見る会」で安倍晋三首相、昭恵夫人と記念撮影する招かれた人たち=2019年4月13日午前、東京・新宿御苑 写真提供:産経新聞社

「桜を見る会」問題は国会を閉じても続く〜国会の場でけじめをつけるべき

鈴木)ただ、この問題は国会を閉じたらそれで終わるのかというと、難しそうです。今回のことは構図がわかりやすいので、世論も反応しやすい。さらに、シュレッダーがどのようなシュレッダーだったのか、反社会勢力が参加していたのではないかなど、インパクトの強い要素が出ています。印象が強いのでメディアが取り上げます。そうなると国会を閉じても、次々に問題が出て来て継続する。年が明けるとムードは変わりますが、通常国会が始まりますので、僕は1度けじめをつけた方がいいと思います。集中審議でもいいので、きちんと行う。いまのところ、総理の説明責任という部分では、自ら出て来てのぶら下がりではしていますが。

飯田)20分以上というものがありました。

鈴木)ぶら下がりで総理が声をかけられて、そのまま行ってしまわずに説明はしています。しかし、これは総理からの一方的な説明です。そして今回、桜を見る会を主催しているのは行政で、これをチェックするのは国会です。やはり国会の場で1度けじめをつけるべきだと思います。

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いちばんの問題は公文書である名簿を破棄したということ

鈴木)僕は公文書、資料の名簿を破棄したということが、とても大きい問題だと考えています。国会で予算委員会がありますよね。予算委員会は花形なので注目されます。国の年度予算が、どのような予算になるのか注目される。そして1年間経って、その予算がきちんと使われたのかどうか、きちんと我々の税金が使用されたのかという決算を、特別委員会で行います。実はこのチェックの方が大事だと思いませんか?

飯田)そうですよね。

鈴木)予算を立てるのはいいです。けれど、我々の税金が適切に使われたのかもしっかりとチェックする。ところが決算の委員会というのは、あまり注目されない。マスコミもあまり注目しません。

飯田)生中継もしませんよね。

総理主催の、桜を見る会が来年度は中止されることが決まり記者団の質問に答える安倍晋三首相=2019年11月13日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

決算まで1年間は「桜を見る会」の名簿は保存しなくてはならない公文書

鈴木)みなさんによく考えて欲しいのですが、我々の税金で予算を立てた。それがきちんと使われたかどうかの決算を国会で行い、チェックして初めてそこで終了するわけです。この決算の委員会は、予算を1年使用した後に行われるので、「桜を見る会」の名簿はそこまで取っておかなければおかしいですよね。予算はいくらで、結果これだけかかり、こういった参加者がいたということを確認する。さらに、1700万円ほどの予算では足りなくて、何千万も追加していますので、余計にチェックをしなければなりません。少なくとも決算までの1年間は、取っておかなければおかしくないですか? それを1ヵ月で処分しただとか、ルールだとか、個人情報があるなどという言い訳はまったく通じないと思います。モリカケ問題のときもそうでしたが、公文書をどうするのかということは、今回の騒動から出て来たなかで極めて大きな問題だと思います。そういったところを集中的に、しっかりと質疑を行うべきだと思います。今回の「桜を見る会」のケースや安倍総理の責任、菅さんがどうしていたのかというのも大切ですが、公文書に対しての本質的な問題があるのだと思います。

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個人の確定申告の際でも、領収書等は5年間保管しなければならない

飯田)確かにそうですね。それこそ、さまざまなネットの個人情報の扱いなどもあります。これを「全部破棄するのか、すべて残すのか」という選択ではなく、どこまでマスキングするのかということは幅があります。所属の属性や、名前は伏せますが「こういう会社の人です」ということは残しておくなど、やり方はいくらでもあるような気がしますね。

鈴木)先ほども言ったように、予算は1年後にきちんと使われたかどうかを国会でチェックして、それで初めて終わるものなので、そこまでは関係資料を取っておかなければおかしいです。それから、個人情報という話も出ています。例えば私は確定申告を行っていますが、小さな事業者の方やお年寄りの方も、みなさん並んで確定申告をします。そのときに私たちは、領収書などは5年間保管しておいてくださいと言われます。

飯田)税理士さんなどに。

鈴木)私も税務署から調査を受けることがあって、修正を行ったりもしますが、そのときに領収書を見せなければなりません。そこには個人的に誰に贈っただとか、仕事で打ち合わせをした相手の名前を書いています。それを個人情報だからと言って、確定申告の1ヵ月後に破って捨てていいのですか? 絶対にないです。税金はそのくらい厳しいもので、個人情報が書かれていても、それが証拠であれば取っておかなければいけません。それはルールです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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