蘇生処置を中止する「心肺蘇生の不実施」とは

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月28日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。高齢者患者などが心肺停止となった場合、かかりつけ医らの指示によって蘇生処置を中止する「心肺蘇生の不実施」について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

心肺蘇生、不実施へ

東京消防庁では心肺停止となった高齢の患者などに対し、救急隊が駆けつけても自宅で看取りたいと家族が蘇生を反対した場合、救急隊がかかりつけ医の指示を受けて、蘇生や搬送を実施しない仕組みを12月16日から導入することとなった。

飯田)27日に研修会が開かれまして、およそ200人の救急隊員などが参加をしたということです。容態が急変すると、ご自身が以前から看取ってくれと言っていても、ご家族の方はどうしても救急隊を呼んでしまう。そして救急隊は助ける義務があるということなので…。

鈴木)そうしたら必ず蘇生などを一生懸命、助けるということで行いますよね。

飯田)これは、終末期の看取り方の話にもなります。

鈴木)看取り方というのは本当に難しい問題です。脳死と臓器移植をどうするかという議論が、20〜30年前にありました。

飯田)法律が国会でも審議されていた時代ですね。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

死生観の問題

鈴木)当時、私は系列局のチームで臓器移植、脳死の担当記者をしていました。取材をしていたのですが、この問題には死生観というものがある。救急医療現場に行くと、命を助けることに全力をかけます。ですがその後、脳死状態になると、臓器移植をするかということになる。「助けたい」という一方で、脳死を死と認めて臓器移植をしたい。脳死と言っても、もしかしたら奇跡的に回復するかもしれない。それを早い段階で脳死と判断して、死を認めて臓器移植を推進するお医者さんと、せっかく助けたのにというお医者さんの医療現場の意見の対立が、当時はものすごくありました。

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つらい判断を迫られる家族

鈴木)でも実際に脳死と宣告された患者さんの家族は、簡単に脳死とは認められないのです。本当にすやすやと眠っているようにしか見えない。それを「この方は亡くなっているのだ」と言って、「はい、わかりました。もう助からないのですね、では臓器を取ってください」という気持ちにはなれないですよ。脳死は当事者よりも、周りの家族の方がつらい思いをするのです。その家族が「もう助けなくていいです。このまま看取ります」と言うのは、ものすごい判断、決断なのだろうと思います。また、そういうことを優先するのも必要なことです。これは非常に難しい問題です。

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ポイントは「かかりつけ医の判断」ということ

鈴木)今回の問題のポイントは、条件としてかかりつけ医の判断というものがありますね。救急隊が駆け付けて、「このまま看取りますから」「はい」ではない。そこにもう一段階、患者や家族と日ごろからコミュニケーションを取って理解している、かかりつけ医の第三者も入るというのは、これから死を選択して行くにあたり、このような判断もあるのかなと思います。高齢化が進むなかで、そういう時代に入って来たのですね。

飯田)「人生会議」というポスターが批判を受けたりもしていますが、事前にそういう意思のすり合わせや、どうしてここに至ったのかということを、家族全員で共有しておくことは大切ですね。そこに医師も入って、医療的な検知も合わせて行う。そういう時代になったのでしょうね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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