北朝鮮は日本に狙いを定めて来る〜トランプ大統領が「重大な実験」に警告

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月10日放送)にジャーナリストの有本香が出演。トランプ大統領が北朝鮮に警告したニュースについて解説した。

ホワイトハウスで、記者団に話すドナルド・トランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)=2019年10月3日 写真提供:時事通信

トランプ大統領が北朝鮮の「重大な実験」に対し警告

アメリカのトランプ大統領は8日、北朝鮮による「衛星発射場で重大な実験が行われた」との発表を受け、「金正恩委員長は賢い。敵対的な行動をとれば、すべて失うことはよくわかっている」とツイッターでコメントした。

飯田)このツイートを受けて、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長は、トランプ大統領が不適切で危険な発言を続ければ、金正恩委員長はトランプ大統領に対する評価を変える可能性があると述べたと、朝鮮中央通信が報じています。

有本)どれだけ上から目線なのか、という感じもしますね。ただ笑いごとではないのは……ちょうど1週間くらい前に、韓国のメディア三大紙と言われるメディアで働いている知人と、少し話をしましたところ、韓国もいまの政権があのような状態ですから、まともに対応できているとは思っていないのですが、北朝鮮は近くまた新たな動きを起こすだろう、という話でした。それが今回、「重大な実験」と予告していたことなのだろうと思います。

在日本朝鮮人総聯合会中央本部(在日本朝鮮人総聯合会-Wikipediaより)

朝鮮総連に関する問題点

有本)その実験がどういうものだったのか、特定はしにくいけれども、例のアメリカまで届くというICBM(大陸間弾道ミサイル)のエンジン燃焼実験ではないかと言われていますよね。例の瀬戸際外交をやって、アメリカ側から何とか譲歩を引き出したい。もともとは北朝鮮が韓国を使って、制裁の一部解除ということを狙って来たのだけれども、それがまったくダメだったということで、いま韓国に対してとても怒っていますよね。

飯田)そうですね。だいぶ批判をしています。

有本)日本に対しても、何だかんだと言って来ていますよね。こちらとしては、頑として応じてはいけないのだけれども、再三指摘されているように、制裁の穴というのはありますからね。これを何とかしなければいけない。今回のニュースに絡んで申し上げなければいけないのは、北朝鮮に関して日本は、独自に制裁をもう1歩進めておいた方がいいと思います。特に朝鮮総連の問題ですね。これをいまのまま、ずっと置いておくことは決してよくない。政府が閣議決定した正式な答弁のなかで、朝鮮総連そのもの、特に朝鮮総連傘下の団体が、過去の拉致なども含めた事柄に関わって来たということは、きちんと認識しています。破防法の監視対象団体であるということを、答弁として表明していますよね。

家族会・救う会による国民大集会を前に、署名を開始した平成9年以降の署名が入った段ボールの山を前にあいさつする横田早紀江さん(前列右から2人目)=2019年5月19日午前、東京・平河町の砂防会館 写真提供:産経新聞社

北朝鮮はいよいよ日本に狙いを定めて来る

有本)朝鮮総連自体を破産させるかどうかは、かねてから自民党のなかで、例えば山谷えり子さん(参議院議員)などが中心になって検討はして来ている。しかし、そこに踏み込まないわけですよ。私はそろそろいいのではないかと思います。日本国内での自由な活動が、少し目に余るという感じを受けています。ただ任意団体なので、破産させてしまうと、また他のところへ逃げて、別の団体を立ち上げるだけではないかと言う人がいます。あるいは破産させると日本がいままで入れたお金が戻って来ない、持っている債権を回収できないと言う人もいます。でも現状を見れば、そんなものはもう帰って来ませんよ。むしろ破産させることによって、過去のことも含め、情報開示がもっと進むと思います。北朝鮮は相当反発して来ると思いますが、向こうもいま以上のカードは切れないと思います。

飯田)制裁や、経済的にも行き詰まっています。どこに活路を求めるかということで、アメリカに期待したけれどダメだった。そして最後は日本だと、狙いを定めて来ますものね。

有本)最初から日本なのですよね。「お金を出せるのは日本だ」と、トランプさんは言い切っているわけだし。

家族会・救う会の国民大集会であいさつする安倍晋三首相=2019年5月19日午後、東京・平河町の砂防会館 写真提供:産経新聞社

日本の対応に対するポッティンジャー氏の指摘

有本)いまの安倍政権は、トランプ政権と緊密に連絡をとりあってはいるのでしょうけれども、今年(2019年)のゴールデンウィークに、議員の方が拉致被害者のご家族とワシントンへ行っていますよね。これは松原仁さん(衆議院議員)から聞いたのですが、アメリカのポッティンジャーさんと面会をしたときに、彼は日本国内の朝鮮総連に関して、日本が宙ぶらりんのような形であまり実効性のあることをやっていない。それはなぜなのか、という疑問を呈したと言うのですね。

飯田)ポッティンジャーさんは、国家安全保障担当の大統領副補佐官ですね。

有本)国家安全保障会議(NSC)のメンバーでもあります。それと、個人制裁についてです。北朝鮮当局とつながりのある日本国内の人物に関して、その個人に対する制裁的な措置を、日本政府がとっていないのはなぜなのかと。

飯田)穴がたくさんあるではないか、ということですね。

有本)そういう疑問を大きく呈していた。つまり、やることはたくさんあるわけです。その辺りをもう少し踏み込むべきで、条件なしに北朝鮮と会談するのだと、総理は一旦ボールを投げたけれど、まったく反応がないわけですから。

4日、朝鮮東海の海上で行われた前線・東部戦線防護部隊の火力攻撃訓練を指導する金正恩朝鮮労働党委員長=2019年5月4日 写真提供:時事通信

北朝鮮は圧力をかけなければ動かない

飯田)国連の制裁パネルにいらした古川勝久さんは、本にも書かれていますが、日本にも抜け穴の企業であるとか、そういったルートはたくさんあると。

有本)古川さんは前から指摘されていますものね。

飯田)外務省は腰が重い、非常に不備が多すぎると。経産省も含めて、貿易の面でもやれることはたくさんあるのに、ほとんどやっていないではないかと。

有本)そうですね。そういう点を1つずつ実行に移して行くという態度を見せないと、北朝鮮は日本の拉致問題や日本側の望むことに対して、まじめに答えようなどとは少しも思っていないでしょう。

飯田)確かに2〜3年前のことを考えると、圧力をかけなければ動かない国だということは明白ですよね。

有本)そうですね。軍事的なオプションも在り得るというような圧力をかけ、いままでにない制裁をかけて、ようやく外に出て来たのです。もう1度その原点に立ち返るべきだと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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