黒岩 神奈川県知事「コロナに勝つまで、神奈川県には来ないで!」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月23日放送)に神奈川県知事の黒岩祐治が出演。神奈川県の新型コロナウイルス対策について訊いた。

横浜港・大黒ふ頭に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた80代男性が死亡したことを受け、会見する神奈川県の黒岩祐治知事=2020年2月20日、神奈川県庁 写真提供:産経新聞社

ダイヤモンド・プリンセス号の対応でつくった「医療供給体制神奈川モデル」が効率よく動いている

飯田)首都圏1都3県の知事のお1人である、神奈川県の黒岩祐治知事にお話を伺いたいと思います。神奈川県はダイヤモンド・プリンセス号が着岸したということもあり、早い時期からコロナと向き合い続けて来ました。ここまでの流れは、どうご覧になっていらっしゃいますか?

黒岩)ダイヤモンド・プリンセス号は3700人もの方々が乗っていて、1つの街のような形で来られたわけですからね。そこから対応を始めましたが、我々もその当時から最悪の事態を想定しながら、医療崩壊に絶対結びつけてはいけないということでやってまいりました。そこでつくったのが、「医療供給体制神奈川モデル」というものです。ダイヤモンド・プリンセス号では、中等症の患者さんがたくさん出ました。この方々をどんどん送り込む医療機関があれば効率的に行くだろうということで、まず中等症の患者さんを集中的に治療する重点医療機関をつくりました。そして、その方々が重症化すれば、高度な医療機関で診てもらう。軽症や無症状の方はご自宅、あるいはホテルでと、3層構造を早くから整備して来ました。いまはもう重点医療機関は実際に稼働していますし、1000室くらいが見えています。でも患者さんはそんなに入っていません。それとともに重点医療機関で、明日(24日)から工事が始まるのですけれども、藤沢にプレハブの仮設病棟を180床つくります。それからホテルでも、横浜の大きな新しい2300室あるアパホテル、これと神奈川の湘南国際村センターに100室、合わせて2400室を構えています。そしてさらに、1000室以上はめどが立っています。こういうものがすでに動いていますので、かなり効率的に流れているなというのが実感ですね。

飯田)例えばホテルや湘南国際村でケアするための職員の方々、看護師さんなど。知事ご自身も訓示されるときにはぐっと来るものもあったと書き込まれていらっしゃいましたけれども、それらの方々による献身的な努力は、各方面でやっていただいているというところがあるわけですよね。

黒岩)県の職員に呼びかけてみたのですけれども、「自分がやってみたい」という志を持った職員が、すぐに手を挙げてくれたのです。そしてまずは湘南国際村センターに行って、そこで感染症防御のレクチャーを受け、自分たちで防護服の着脱を練習して始めました。そういう自ら「やるのだ」という公務員魂に触れて、私も胸の熱くなる思いがしました。県庁全体を挙げて、このコロナ対策に取り組んでいます。

大黒ふ頭に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と出入りする救急車両=2020年2月16日午後、横浜市中区 写真提供:産経新聞社

医療物資の不足や医療従事者の差別問題

飯田)対策に当たって、マスク、防護服が足りないという医療現場の声なども聞きますが、神奈川県ではいかがですか?

黒岩)先日、重点医療機関のうち2つの病院に行きました。もっと混乱しているかと思っていたのですが、そこには非常なプライドを持って、粛々と堂々とコロナに向き合っている姿がありました。それでも、その家族たちが非難や偏見、差別に晒されているという話を聞いて、「まだこういうことがあるのか」と、「絶対にやめて欲しい」という思いもしました。頑張っている医療者の方々に、ぜひ応援の声を送っていただきたいですね。

飯田)医療物資、マスクやその他については、特措法のなかで収用もできると書いてあります。その権限を実際に行使するのは知事であるということも書いてありますけれども、そこまではまだ行っていないという理解でよろしいですか?

黒岩)医療機関で防護服が足りないという話がありました。それから、PCR検査をするための綿棒が足りないという話もありました。病院によって若干違うようですが、そういうものが不足しているのは間違いないので、我々もさまざまな調達ルートでこれを集める手はずをしております。これが枯渇するということは絶対にないよう、全力を挙げているところです。

大型スクリーンで、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため協力を呼びかける小池都知事=2020年4月7日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

神奈川県の給付金政策〜東京都と休業要請を合わせた理由

また、緊急事態宣言に伴う休業要請に応じた事業者への協力金に関して問うと、黒岩知事は次のように回答した。

黒岩)東京都が、国との調整があった上で休業要請する業種、業態を挙げられたのですよね。私はもうその瞬間に、まったく同じに並べるということを言ったのです。神奈川県と東京都はつながって一体ですから、東京都だけ休業要請が出ているとなると、東京のお店が閉まっているのに神奈川のお店は開いているとなれば、人の流れは神奈川に来るということになります。そうすると、神奈川の方に感染の危険が高まるということがあるので、ここは絶対にフラットにしなければいけないということで、瞬間的な判断として並べたのです。そのときに東京都は、同時に協力金ということをおっしゃったわけです。この協力金に神奈川が並べるというのは、なかなか大変です。東京都は財政的にとても豊かなのです。47都道府県のなかで、東京都だけが交付金を貰わずにやって行ける、不交付団体。あとの46は全部、交付団体ですからね。そんななかで何とかご期待に応えられないかと思って、必死の思いでやった。政府からの臨時交付金が使えるということをざっと確認しただけで、まだ決定もされていないのだけれども、「だいたい神奈川はこれぐらい貰えるだろうな」というなかで、一気に計算して、最大30万円の交付金を決めました。いちばん重視したのはスピード感です。この後、市町村の同じような協力金ということも可能ですから、神奈川県の方にとってみれば県と市町村のものを足した形で、もうすぐ数字が出て来ます。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

通勤電車は空いている

さらに神奈川県における通勤電車の状況についてはこう答えている。

黒岩)通勤電車がいちばん悩ましいところだと思います。徹底的な在宅の勤務を呼びかける。それから、時差出勤の徹底も呼びかけるということしかなかったですね。県庁職員にも呼びかけました。県庁職員もコロナ対策を全庁的にやっていますので、難しいところはあったのですが、とにかく在宅勤務を進めろということを厳しく言いました。この間、聞いてみたら、通勤電車は大分空いている状況だということです。

みなとみらい21(神奈川県-Wikipediaより)

神奈川県には遊びに来ないで

飯田)最後に、リスナーの方にメッセージがあればお願いします。

黒岩)外出自粛要請について、多くの方々が応えてくださっているのですが、先週の週末(18〜19日)には湘南地方にどっと人が押し寄せました。もう地元の皆さんが、これは感染爆発につながるのではないかと大変不安に思っていらっしゃいます。沿岸市町の市町村の首長さんからも要望をいただいて、22日にメッセージを発信しました。本来であればこの時期に、多くの皆さんに神奈川へ来ていただきたいのですが、いまは神奈川に、湘南の海には来ないでください。これを強く呼びかけたいと思います。

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