レバノンでの公正な裁判など戯言〜ゴーン被告は日本司法で裁きを受けるべき

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月3日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。無断出国したカルロス・ゴーン被告について解説した。

公判前整理手続きのため、東京地裁に入るカルロス・ゴーン被告=2019年06月24日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

ゴーン被告出国絡みでトルコ警察が7人を拘束

海外への渡航を禁じられていた、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が秘密裏に中東のレバノンへ出国した問題で、経由地となったトルコで7人が拘束され、警察が詳しい経緯を調べていると地元複数のメディアが伝えた。拘束された7人のうち、4人はパイロット。

飯田)3日の毎日新聞一面トップですが、ゴーン被告の弁護士が保管していた3通のパスポートとは別にフランスのパスポート1通を鍵付きのケースに入れて持っていたことがわかりました。入管法違反にならないように持っていたということですね。

宮家)いかにも日本の几帳面な司法制度ですよね。持ってなくてはいけない。でも使わせてはいけない。そこで透明なケースにした……でも、すぐに壊れるでしょう、そのようなものでは。

飯田)それでレバノンに入国したわけですものね。

宮家)この人は「不公正な日本の司法から解放された」などと言っていますが、冗談はやめて欲しいですね。法律を破って出国していって、それでどの面下げて日本の司法を批判できるのでしょう。法律違反そのものじゃないですか。しかもトルコで人が捕まっているということは、相当な数の人たちが裏で動いていたということです。そういうことをやるゴーンという人ですが、我々は彼を歓迎し、称賛し、持ち上げて大々的に報道もしていた。恐らくそれでゴーンは付け上がったのでしょうが、もし日本の法律を犯したのであれば刑に服するのは当たり前の話です。レバノン出身で、ブラジルにいて国籍もあって、フランス国籍もあって……私は中東屋ですが、レバノンなんて国は政府があるのかないのかわからない国で、申し訳ないけれどめちゃくちゃですし、経済的にも破綻しているのです。そういうところで公正な裁判ができる、なんていうのは笑い話ですよ。

飯田)ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配をするということになっていますが。

宮家)それをやると、犯罪人引渡し条約というものがありますよね。フランスへ逃げてもダメだし、先進国とはみんなその種の条約がありますので。彼はよく考えて、一番どうにでもなるレバノンへ行ったのでしょう。

レバノンのカルロス・ゴーン邸宅 ベイルート中心街 撮影日:2018年11月22日 写真提供:産経新聞社

政府が機能していない国・レバノン

宮家)あまり言いたくはないのですが、今のレバノンは政治的には非常に不安定で、この間も首相が辞任するしないという大騒ぎをしました。でも、他に候補者はいないのです。ずっとイスラム教スンニー派の人たちが政治の実権を握っています。もともとはクリスチャンが多数の国だったのだけれど、今はムスリム人口が増えて首相はイスラム系でしょう。あの国は微妙なバランスの中で、みんな勝手なことをやっているのですよ。政府が一番機能していないのが(国籍を持つ中では)レバノンだから、ゴーンもそこにうまく溶け込もうとしたのでしょう。ベイルートには自宅もあるようですからね。

飯田)切手が出ていたりと英雄視されているようですね。

宮家)日本としては、他の先進国に対し、ゴーンが入国したら引き渡してくれと頼むわけです。ですから、彼は法律的には引き渡し条約のある国に行けなくなりますね。どうするつもりなのでしょうね。悪いことは言わないから、早く日本に帰って来た方がいいです。死刑になるわけじゃないのだから、刑に服して、また出てくればいいじゃないですか。世界中に完璧な司法制度なんてないのはわかりますが、日本の制度が不公平だとレバノン人には言われたくないですね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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