阪神淡路大震災から25年〜伝えるためにキーワードとなる「怖い」という言葉

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月17日放送)では、ラジオ関西の林真一郎アナウンサーが電話で出演。発生から25年となる阪神淡路大震災について解説した。

「阪神大震災25年」阪神大震災から17日で25年を迎えるのを前に、昆陽池公園で開かれた「犠牲者追悼のつどい」。市民らがろうそくを囲んだ=2020年1月16日午後、兵庫県伊丹市 写真提供:産経新聞社

たくさんの人が集まった「阪神淡路大震災1.17のつどい」

6434人が亡くなり、3人が行方不明となった1995年の阪神淡路大震災は、17日で発生から25年となる。地元ラジオ関西の方と電話をつないで、25年前の震災当時の状況とこれからについて訊く。

飯田)現地で取材中のラジオ関西、林真一郎アナウンサーと電話がつながっております。林さん、いまはどちらにいらっしゃいますか?

林)神戸市が主催する「阪神淡路大震災1.17のつどい」の会場、神戸市役所の南側にある東遊園地におります。

飯田)たくさんの方がいらっしゃると思いますが、取材していて、みなさんどのような表情でいらっしゃいますか?

林)20年のときは、それこそ人が動けないくらいぎっしりと、大勢の方が来られていました。その後は追悼行事も含めて少なくなって来まして、今年(2020年)はどうかと思って見ていたら、昨年(2019年)や一昨年(2018年)に比べると多いですね。

飯田)やはりこのタイミングで改めて、という方も多いのですね。

林)そうですね。先ほどお話を伺った女性の方は、大阪にお住いなのだそうですが、その方は前回来たのが20年のときだったということでした。お母さんが神戸にいらっしゃるそうなのですが、御実家にはときどき帰って来ても、こういう集いに参加するのは、どうしても節目のタイミングになってしまうとおっしゃっていました。

20年を過ぎて追悼に参加する人が減ってしまった〜今後どのように伝えるか

飯田)私も20年のときは取材に伺ったのですけれども、本当に人でびっしりという感じでした。ご家族で小さいお子さんを連れている方も多かったというイメージがあったのですが。

林)そうですね。20年のときは、ここで区切りにしたいという方もなかにはいらっしゃったようなのですけれども、親から子へ、子から孫へというような形の方もいらっしゃったと記憶しております。ただ、その後21年、22年となると、少し数が減ってしまいました。どうやって次に渡して行くことができるのかということを、被災した地域にいると感じます。

飯田)林さんご自身は、震災のときは既にアナウンサーをされていたのですよね?

林)そうですね。会社にはいなかったのですけれども、その日は明け方まで起きていて、ドンと下から突き上げられました。テイスティングする前にグラスを持って、傾けてくるくると回しますよね。あんな感じで、こねくり回されている感じですね。

飯田)洗濯機のなかに放り込まれている、という表現をされている方もいらっしゃいましたね。

林)それに近いですね。それが長く感じた方は1分半くらい、私は1分ちょっとという感じでした。私は幸い怪我もなかったのですけれど、一瞬にして崩れて屋根が落ちたというような方も大勢いらっしゃったわけです。そう考えると、対策も進んで来てはいますが、神戸で被害の激しかったところにお住まいの方でないとわからないことが、まだたくさんあると思うのです。

地元の人にとって「風化」でも「節目」でもない

飯田)そうしたことをつなげる努力をされていると思いますが、ご自身もいろいろ取材をなさって、この継承についてどうお考えですか?

林)「風化」という言葉が数年前から言われ始めていますが、地元の人たちは「風化などしていない。マスコミが風化、風化と叫び過ぎだ」という声もあります。だから我々地元は、風化という言葉を使いたくないと。私も使わないようにしています。今回は25年で、「節目の」という言葉もマスコミが使ってしまうのですが、被災された方にとっては節目も何もない。あのときから止まっているとおっしゃる方が多いのですよね。

飯田)止まっている。

林)ええ。ですから節目なんて関係ない。何人かの方に今回の25年に当たって聞いてみると、あったという間だったという方が多いですね。

飯田)そういうタイミングとかイベント毎ではなくて、折に触れて思い出すことでもあるし、そこから何を学び、これからに備えて行くかというところが大事なのでしょうね。

伝えて行く上でキーワードになる「怖い」という言葉

林)先ほど高校生の方にお話を聞けたのですけれど、神戸、兵庫県内の学校ですので、震災の日が近づくと、そういう話が自然に出るのだそうです。伝えて行かないといけないから来るのですかと聞くと、そうではなくて、「地震に遭いたくない、怖いのです」と言っていました。「怖い」という言葉は、伝えて行く上でキーワードになると思うのです。「みんなが助けてくれるから大丈夫」ではなくて、「地震というのは怖い、怖いからどう備えるか」という意識を持たないと、自分のこととしてなかなか捉えて貰えないのかなと思います。危ない目に遭いたくない、ではそのためにどうやって備えるかということを考える。突っ張り棒をやるとか、スマートフォンの充電器を持ち歩く、家で水の備蓄をするという話を聞いたときに、難しいことを言うのではなくて、もっとシンプルに「自分の命を守るためにどうしたらいいのか」ということを考えるのが、継承につながっているのだと思います。

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