“暴露本”出版ボルトン氏を証人召喚できるか〜トランプ大統領の弾劾裁判

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(1月27日放送)に産経新聞客員論説委員・国際医療福祉大学の山本秀也が出演。米・トランプ大統領の弾劾裁判について解説した。

ワシントンで、弾劾裁判の審理入りを前に記者団の取材に応じる検察官役のシフ米下院情報特別委員長(アメリカ・ワシントン)=2020年1月21日 写真提供:時事通信

トランプ大統領の弾劾裁判始まる

アメリカのトランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判が行われている。検察役の野党民主党は「権力乱用」「議会妨害」を追及し罷免を要求するのに対して、弁護側は全面否認で対抗した。本格的な質疑は27日に展開される方針だが、アメリカのメディアでは大統領が元駐ウクライナ大使を解任するよう命じた動画が公開されるなど、混迷を深めている。

森田耕次解説委員)トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる上院の弾劾裁判は、25日にトランプ大統領の弁護団による冒頭陳述が始まりました。冒頭陳述は合わせて3日間行われる予定ですが、初日はおよそ2時間で切り上げたということです。トランプ大統領はテレビの視聴率が低いとされる土曜日の審議に不満を示していたということで、本格的な反論は2日目の27日、日本時間で27日の夜中に展開されるということになります。ホワイトハウスのシポローネ法律顧問は、「事実を見ればトランプ大統領が何も悪いことをしていないのは明らかだ」と全面否認したということです。

山本)話がまったく?み合っていないと思います。かたや疑惑の塊、かたや何も悪いところはないということですが、見ていて思ったのは、ヨヴァノヴィッチ元駐ウクライナ大使のことです。これを排除しろと叫んでいるビデオは大変面白いのですが、?み合わない議会の議論はさておき、証人をきちんと呼ぶかどうかが鍵だと思います。

森田)ボルトン前大統領補佐官を呼ぶかどうかが焦点になっています。

山本)弁護側は当然、コントロールできない証人を呼ばれるのは嫌だから、呼ぶ必要はないという主張です。世論調査を見ると、共和党支持者を含めて証人を呼ぶべきだという声は強いです。

森田)ボルトンさんは本を出すようで、そのなかで「トランプ大統領がウクライナに軍事支援を再開する条件として、バイデン(前副大統領)氏の調査を求めていた」という指摘をしています。

山本)そうであればなおのこと、宣誓をした上で彼に証言させるのが筋だと思います。

ジョン・ボルトン-Wikipediaより

民主党がどれだけ議論を詰められるか

森田)27日、28日とトランプ弁護団の冒頭陳述が行われることになっていて、その後に陪審員役の上院議員が質疑を行い、最後に証人尋問を認めるか決めるということです。過半数の賛成が必要ですから、共和党を民主党が切り崩さないと証人尋問は実現しません。

山本)弾劾に関わる評決をかけると議席通りで票が割れないので、共和党を切り崩す有力な説得材料がなければ難しいと思います。

森田)アメリカの公共ラジオのインタビューで、ポンペオ国務長官が記者の単独インタビューを早めに切り上げ、記者を別室に呼んで「アメリカ人がウクライナについて気にしていると思っているのか」と大声で罵ったという報道もありました。

山本)罵るだけ新聞のネタが増えますけれどね。

森田)焦りも出て来ているのでしょうか?

山本)出ているのかもしれません。大統領選が本番に入るので、疑惑なしということで逃げ切りたいのでしょうが、結果はどうあれ民主党側がどこまで議論を詰めることができるのか、注目したいと思います。

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