新型肺炎の影響で難しくなった習近平主席の来日

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。新型肺炎の中国国内の現状について解説した。

各地に対策チーム派遣  新型肺炎の発生源≠ニみられ、閉鎖されている中国湖北省武漢市の海鮮市場=2020年1月17日(共同) 写真提供:共同通信社

新型肺炎、中国の死者が1000人を超える

中国・湖北省の保健当局は11日、新型肺炎の感染拡大による死者の数が中国で1016人になったと発表した。中国は湖北省の保健当局のトップとナンバー2を免職にしたとも発表している。

飯田)湖北省武漢市を中心に感染拡大を続けているコロナウイルス。武漢だけでなく中国全体に広がりつつあると言われています。中国全土で死者は1016人となっており、この数字もどうなのかという話もありますが。

高橋)私は役所に入る前は、文科省研究所で感染症モデルの専門家で、どのように感染者数が増えるのかを研究していました。

飯田)数理計算のようなものですか?

【新型肺炎 武漢滞在の邦人帰国へ】中国・武漢に滞在する邦人を帰国させるため、出発の準備を行うチャーター機=2020年1月28日午後、羽田空港 写真提供:産経新聞社

帰国したチャーター機の乗客の感染率をサンプルにすると武漢の感染者数は4月まで鈍化しない

高橋)そうです。そういう知識を使って、どのようにサンプリングをするかということです。日本はいいデータがあり、それはチャーター機で帰って来た人の数です。ランダムサンプリングという、無作為抽出に近いものです。日本では発症していない人も検査しているでしょう? これはいいサンプルです。だいたいは発症している人だけをとるのですが、チャーター機便の人はたぶんランダムです。600台あれば視聴率が計算できるということと同じです。約700人が帰って来たので、あれはいい例です。要するに12人感染しているので、感染率は1.6%です。あれだけのサンプリングですと、1.6%のプラスマイナス1%以内です。0.6%〜2.6%の間で、武漢の人口をかけると18万人プラスマイナス11万人となります。そのくらいだろうと予測できます。

飯田)いま武漢で、4万人くらいですから。

高橋)これから統計的には増えます。この後1ヵ月くらいは増えて行く予測ができます。4月くらいまでなかなか鈍化しないという予測もできます。

飯田)現状のコロナウイルスで、これから変異をしなければ。

高橋)変異しなければそうですね。いま現在は20万人弱いると思っておくのが正しくて、はじめに隠蔽していたので検査が追いつかず、数字が低めに出ているという状況です。

飯田)だんだん、その乖離を縮めて行くと。

高橋)縮めて行くのですが、検査できる人間も限られているので、なかなか縮まらないですよ。

飯田)いまの武漢の現状で医療崩壊に近いものが起こっているとすると、マンパワーも足りないし。

高橋)せいぜい3000人〜4000人ぐらいしか増えません。

飯田)そのくらいしか増えないと。

高橋)移動禁止政策によって武漢のなかでは増え、他のところは移動禁止政策が効いて上昇率は低く、さらに海外はもう少し低いでしょう。

20カ国・地域(G20)首脳会議(大阪サミット)に出席するため来日した、中国の習近平国家主席(中央)=2019年6月27日午後、関西国際空港 写真提供:産経新聞社

習近平国家主席の来日は難しい

飯田)いずれにせよ、ここ2ヵ月くらいは増え続けると考えた場合、今後の政治日程ですが。

高橋)習近平国家主席の来日は難しいでしょう。

飯田)4月ということは、あと2ヵ月ですよね?

高橋)いきなり来るわけではなくて、外交文書をつくらなければなりません。最後のときに調印して、すべての外交文書が出るのです。しかし外交文書をつくるために、2ヵ月くらい前に先遣隊が来ていろいろなことを議論するのですが、まだ来ていません。だからずれるでしょう。習近平国家主席にとって国外の話ですが、国内の全人代も来月(3月)にあります。あれも1ヵ月前から地方で行われていなければならないのに、行われていません。

飯田)ちょうどこの時期に、全人代の地方版をやらなければならない。

高橋)でも行っていないので、全人代もできないでしょう。そういうパターンです。全人代もできないと来日もできません。

関連記事(外部サイト)