米民主党・大統領候補者指名争い〜ブティジェッジ氏の強さと弱点

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。米・民主党の大統領候補者指名争いについて解説した。

米中西部インディアナ州サウスベンドで、2020年大統領選の民主党候補者指名争いに名乗りを上げたブティジェッジ氏(左)とパートナーのチャスティン氏=2019年4月15日 写真提供:産経新聞社

アメリカ大統領選、ニューハンプシャー州で民主党候補者指名争い

11月のアメリカ大統領選に向けた野党・民主党の候補者指名争い第2戦となる、ニューハンプシャー州での予備選挙が行われている。初戦となったアイオワ州では集計システムのトラブルで、未だ最終結果が確定していない状況となっている。

飯田)アイオワ州の方は、サンダースさんとブティジェッジさんが1位2位を僅差で争い、2人とも部分的な再集計を求めているという段階です。今回はニューハンプシャー州となります。伏兵と呼ばれたブティジェッジさんが出て来て、混戦となっています。

高橋)バイデンさんが失墜してしまいました。

飯田)アイオワ州では4番手となりました。

支持者にあいさつするブティジェッジ氏=2020年2月4日、米ニューハンプシャー州(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

トランプ大統領の相手としてはブティジェッジ氏がいい

高橋)弾劾をやったからではないかなという気がします。中道となるとブティジェッジさんしかいないため、相対的に上がったという感じがします。左派の方はサンダースさんとウォーレンさんがいるのですが、サンダースさんの方が出ていて、左と中道の争いということではないでしょうか。ブティジェッジさんの方が、トランプ大統領の候補として面白いと思います。サンダースさんだと左過ぎて、アメリカの標準的ななかだとトランプさんが勝ってしまう。真逆の若いブティジェッジさんがいいと思います。それとトランプさんは、行政経験もなく軍隊経験もない初めての大統領です。ブティジェッジさんは市長もやっていましたし、軍隊経験もあります。その意味では正統派です。面白いのはLGBTであるということでしょう。トランプ大統領が大失言をするかもしれないという楽しみがあります。いくらトランプさんでも「これはないだろう」という失言をすれば、ブティジェッジさんの方にフォローウィンドになります。

飯田)ブティジェッジさんのパートナーの方のTシャツが、人気となっているようです。

高橋)それでトランプさんが何を言うか、みんな固唾をのんで見守っていると思いますよ。

飯田)いままでファーストレディはいましたが、それがファーストジェントルマンになるみたいなね。

セントアンセルム・カレッジではそのキャンパスで全国的な討論会を開催してきた(ニューハンプシャー州-Wikipediaより)

ブティジェッジ氏の弱みはエリートすぎること〜一方で大化けする可能性も

高橋)それをトランプさんに言わせたら面白いではないですか。何を言うか期待しています。ブティジェッジさんの難点を言うと、彼は完璧なエリートです。アメリカ人の標準的な人からはあまり好まれません。

飯田)ハーバード大学を出て、オックスフォード大学も出ている。

高橋)標準的なところは中西部の普通のアメリカ人が多いから、ハーバードは東海岸のいちばん端っこで、鼻持ちならないというところですよ。全米と考えるとエリートすぎます。

飯田)たしかに大統領選の世論調査で聞かれるなかに、「一緒にビールを飲みたいやつ」という項目がありますよね。

高橋)ブティジェッジさんだと一緒に飲みたくない、難しい話をしそうだという感じがしますよね。

飯田)「それだったらトランプと飲んで、肩を組んでいた方がいいぜ」みたいな。

高橋)トランプさんの方が話がわかりやすいし、親しみやすいです。全米で考えると、ブティジェッジさんのエリートが難点になるかも知れません。ただ、サンダースさんなどに比べたらまだ勝負になるのではないでしょうか。泡沫候補だったというのはよく言われますが、4年前のトランプさんも数%で話になりませんでした。大化けするかも知れないという期待が、ブティジェッジさんにはあります。

飯田)予備選で人格的にも戦術的にも磨かれて、本選に行くと言われていますからね。

高橋)ブティジェッジさんは伸びしろがあります。サンダースさんは1回出たのでわかるでしょう。

3日、米アイオワ州デモインの劇場で始まった民主党の党員集会(共同)=2020年2月3日 写真提供:共同通信社

景気がいい現状ではトランプ氏が圧倒的に優位

飯田)トランプさんの方ですが、経済の状態がいいときはかなり有利だと言われていますね。

高橋)景気が悪くても現職がかなり有利なので、相当な確率でトランプさんが勝つと思います。

飯田)足元の部分ですが、アメリカは景気の拡大が10年以上続いているとされています。そろそろ調整に入ってもおかしくないというところに加えて、コロナウイルスが。

高橋)コロナウイルスは、アメリカにはあまり関係ありません。それよりインフルエンザですよね。インフルエンザで、ワクチンのタイプを間違えたのだと思いますが、1000万人が感染して1万人くらい死んでいます。保険制度が不備で、弱いところにしわ寄せが行っているのだと思います。

飯田)効く薬があれば、日本だと保険でできるのですが、アメリカの場合は「高くて使えません」と…。

高橋)そうなると、ああいう形になります。それでも致死率は0.1%くらいで、普通のインフルエンザです。でも母数が大きいのでたくさん亡くなっていて、それが弱みでもあるかも知れません。

飯田)民主党がその辺を突いて来るかも知れないと。

高橋)突いて来るでしょうね。景気がいいということが、トランプさんに追い風であるのは間違いないです。あと1年くらいでしょう、何とか持つでしょうね。

飯田)特に雇用の数字がいいですよね。

高橋)雇用がよければトランプさんは負けないです。雇用が重要です。

関連記事(外部サイト)