東京オリンピック開催へ〜政府と国民が危機感を共有して日本の姿勢を示すべき

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月3日放送)にジャーナリストの有本香が出演。小池都知事と森会長が今後の対策について意見交換したニュースについて解説した。

【聖火ランナーユニホーム発表】東京2020組織委員会の森喜朗会長(左)と小池百合子都知事=2019年6月1日、東京都港区 写真提供:産経新聞社

小池都知事が森喜朗会長と意見交換

東京都の小池百合子知事は2日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会を訪問し、森喜朗会長と意見交換を行った。

飯田)その後の取材に応じた小池知事によりますと、新型コロナウイルスに対する都の取り組み方、今後の対策について伝えた一方で、組織委員会側からは3月26日にスタートする聖火リレーなどのスケジュールの話があったということです。「情報交換しながら前に進めるという意識を共有させていただいた」ということだそうです。

【東京2020オリンピック1年前セレモニー】挨拶するIOCのトーマス・バッハ会長=2019年7月24日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

IOCの理事会が開催〜東京オリンピックの可否を議論か

有本)日本国内においては、開催都市である東京都の小池都知事と組織委員会の森会長が話し合いをしなければ、どうしようもない局面だと思うのです。2人の間にはいろいろあったけれども。だからといって東京都や日本の組織委員会が決められるものではありません。ちょうど今月(3月)にスイスのローザンヌでIOCの理事会が開かれるわけですよね。

飯田)今月の3〜4日だから、日本時間で明日(4日)か明後日(5日)くらいですね。

有本)この辺りで見通しが出るのでしょう。公表されるかどうかはわかりませんが、開催都市である東京や森会長のところには情報が来るのだと思います。IOCはすでに、いろいろなところに投げているという噂もあります。

飯田)リスクヘッジとして。

【小池都知事がIOCのコーツ調整委員長と会談】IOCのジョン・コーツ調整委員長(左)と会談する小池百合子東京都知事=2019年10月25日午後、東京都新宿区の東京都庁 写真提供:産経新聞社

政府と国民が危機感を共有して日本の姿勢を国際的にも示す必要がある

有本)日本人としては「失敬な」という気持ちになるけれど、これだけ大きなイベントが日本では難しいということが見えて来たときに、何の手もないというわけには行きません。すでにいろいろと代替でできるところを探っているのではないか、という噂が2週間くらい前にあって、その後でロンドンの市長選候補から「何だったらロンドンで引き受けます」という話が出ていました。しかし、ヨーロッパでも感染が出て来ていますし、必ずしもヨーロッパならいいというわけではないと思います。そういうこともあって、今回の臨時休校要請措置ということにもなったのだと思います。できるだけ早くピークをコントロールしつつ、山を小さくして収束させるところへ持って行きたいという、日本政府の姿勢なのでしょう。

飯田)インパクトのある政策を出して、「きちんとハンドリングをしているのだ」と。

有本)やるのだということを国際的にもアナウンスする必要があるし、国民とも危機感を共有して、不要不急の外出を控えることを徹底して行くということだと思うのです。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

医療崩壊を防ぐために〜適切な渡航制限が必要

有本)もう1つ、日本においては医療崩壊を起こさせないということを、専門家の方もおっしゃっているではないですか。韓国にはそんな雰囲気が見えていますよね。

飯田)現場の看護師さんたちが一斉に辞めるという情報も入っています。

有本)検査をどのようにするのかについても日本で議論されていましたが、風邪症状である間は必ずしも検査が必要ではありません。肺炎化する段階で、医師の判断で検査をするという抑制的な動きが必要だと思うのです。その意味でも渡航制限をすべきです。現状で指定感染症になっているから、外国人が日本へ入って来ても、仮に発症すると日本の公費で治療しなければいけないのですよ。

飯田)日本国内での蔓延を防ぐということですものね。

有本)医療リソースを守るためにも、いま適切な渡航制限をかけて、オリンピックに向かって蛇口も締めつつ、国内でも自制的に振る舞いながら過ごすことが重要でしょう。

飯田)経済的な影響を言う人もいますが、そういう段階は過ぎ去ったということですね。

北京市中心部のビジネス地区・国貿では、帰宅時間帯にも関わらず人の姿がまばらな状態が続いている=2020年2月18日 写真提供:産経新聞社

中国への依存を考え直す時期でもある

有本)そうです。とにかく山を小さく越えれば、「その後でまたみんなで稼げばいいではないか」という話だと思います。それと、ある程度のピークを過ごして収束に向かう段階で、「国内でどうお金を回すのか」ということを考えた方がいいと思います。政府もある程度思い切った財政出動をすることもありつつ、私たちもいままでの反省に基づいて、これだけグローバル化している社会だと海外とのつながりなしにはビジネスが成り立たないけれど、国内で回せる部分を国内回帰するきっかけにすればいいとも思います。

飯田)中国一本足打法が、これだけ脆弱だとは思いませんでした。

有本)怖いですよね。中国のリスクに直面すると必ずそういう話が出て来ますが、ほとぼりが冷めればまた行ってしまうのですよ。今回は、多面的にいろいろな対応力が問われるということです。

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