新型コロナウイルス緊急対策〜一律給付の問題点

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月19日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。新型コロナウイルス対策の補填政策について解説した。

新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する安倍晋三首相=2020年3月10日午後、首相官邸

安倍総理、新型コロナウイルス対策で公共料金の支払猶予を指示

安倍総理大臣は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を開き、経済的打撃を受けた家庭に対し、電気料金など公共料金の支払いの猶予を各機関に要請するよう指示した。また個人向け貸付制度の特例も拡充し、収入の減った個人事業主などに対応する考え。

 

安倍総理大臣)公共料金の支払いが難しいといった方々も出て来ることが懸念されるところであり、返済免除特約付き緊急小口資金について、学校休業の影響の有無に関わらず、個人事業主等の世帯についても貸付限度額を10万円から20万円に引き上げ、生活への不安に対応します。

 

新型コロナウイルス(新型肺炎)関連休校で無人の6年生の教室には卒業に向けての準備が進んでいた=2020年3月12日午後1時34分、大阪市大正区の泉尾北小学校 写真提供:産経新聞社

一律給付の問題点〜損失の在り方は一律ではない

飯田)この生活支援策は、社会保険料や国税についても、原則1年間の免除措置を取るということも出て来ています。困っている人は非常に多いですよね。

鈴木)いま出ている政府の緊急対策で、お金に関することは整理して見なければいけないと思います。1つは、休校やイベント自粛で損失が出ているわけです。つまり、働けなくなってお金がなくなってしまった。まず損失した部分に、お金をどう補填するか。もう1つは次の問題として、これだけ経済が悪くなっているので、経済対策としてどのようにお金を使うか。この2つを分けて考えなければいけません。安倍総理の言っていた話は、損失をどう補填するかということです。いろいろと決めて、公共料金の猶予などを言っているのですが、現場を取材すると損失のあり方が一律ではないのですよ。一律でお金を貰えばいいかというとそうではなくて、共働きでもっと収入が多いのに、それがないなどいろいろなケースがあります。

新型コロナウイルス感染拡大で影響受けた中小企業経営者が訪れた東京商工会議所の資金繰り相談会=2020年2月17日、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

地域によって異なる個人の生活〜交付金の形で地域にあった補償を

鈴木)私は、地方自治体への交付金という形で、使い方や権限を地方自治体に任せたらどうかと思うのです。なぜかというと、庶民の生活はそれぞれ違います。そして、地域性があります。例えば共働きのご両親が、休校で子どもの面倒を見るために収入が減っている地域もたくさんあります。しかし、地方自治体によっては高齢者が多いところもあります。こういう場所は休校による影響よりも、介護での問題が起きているのです。

飯田)担い手が少なくなってしまうと。

鈴木)デイケアそのものが閉鎖してしまいますから。そこに頼っているお年寄りは、1人でお風呂にも入れなくなってしまいます。困っている内容も地域によって違うのです。地域住民の生活がいちばんわかっているのは、市町村などの基礎自治体です。一律ではなく地方に任せて、その地域ごとにお金を自由に使うという、ある種の交付金という形を取ったらどうかと思うのです。ただ、このときには地方自治体が試されます。昔、ふるさと創生1億円のときに、半分くらいの自治体が自治省に電話して来て、「どう使えばいいか」と相談していました。

飯田)金塊を買ってしまった自治体もありましたね。

鈴木)自治体が試されるのですが、庶民の生活にいちばん近いところへ、自由裁量のお金を配ることも考えたらどうかと思います。

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