「一斉休校」授業再開へ向けた動きが徐々に〜しかし、いま緊張感を緩めてはいけない

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(3月24日放送)に中央大学法科大学院教授・弁護士の野村修也が出演。新型コロナウイルス対策により休校となっている学校の再開に向けた動きについて解説した。

臨時休校/閣議後、記者団の質問に答える萩生田光一文部科学相=2020年3月24日、国会内

文部科学省が学校再開に向けた指針を通知

新型コロナウイルス感染拡大防止のために続いている一斉休校をめぐり、文部科学省は24日、教室の換気の徹底など学校再開に向けた指針(ガイドライン)を都道府県教育委員会などに通知した。萩生田文部科学大臣は24日の閣議後の記者会見で「警戒を緩めず準備を勧めて欲しい」と述べた。

 

萩生田文部科学大臣)一斉臨時休校を始めたときよりも状況が改善しているわけではなく、むしろ感染者が増えている地域もあるなかでなぜ学校を再開するのかというと、国民の皆様の感染拡大防止に関する意識が高まっているという認識があるからであります。春休みも含めて引き続き警戒を緩めることなく準備させていただきたいと思います。

 

森田耕次解説委員)状況が改善したわけではないということで、今後自治体などでオーバーシュート(爆発的患者急増)が起きた場合、国から改めて休校を要請する可能性もあるとしています。24日に示された指針(ガイドライン)は学校再開の条件として3つの条件「環境の悪い密閉空間」「密集」「近距離での会話」の環境が重なることを徹底的に避けるように要求しています。一方で、多くの学校においては人の密度を下げることには限界があるとして、教育活動上近距離での会話や発声が必要な場面も生じると認めておりまして、対策としてはマスクの着用を挙げています。それから教室のこまめな換気、検温の徹底も必要だとして、小中高校が春休み明け4月再開に向けての対応策ということなのですが、どの時期に再開するかについては学校の設置者の判断を優先するとのことです。自治体内に感染者がいるかどうかも含めて都道府県とよく相談して欲しいと。一斉休校となりましたが、再開については自治体の状況を見ながら、ということですね。

野村)自治体ごとに状況が違いますので、各都道府県の首長の方々の的確な判断が求められます。いま国は専門家を集めて専門家会議をしていますが、自治体それぞれの地域の大学にはそれぞれの専門家がいます。そういう方々をちゃんと集めて地域の現状分析をして判断することが必要だと思います。

新型肺炎、コロナウイルス感染防止対策で政府が全国小中高校に休校要請をしてから一夜明け、登校する小学生ら。今年度最後の登校になる可能性も=2020年2月28日、東京都世田谷区 写真提供:産経新聞社

新学期からの授業再開を検討する教育委員会も

森田)指針の公表を受けて、山梨県の長崎知事は4月の新学期から県内の小中高校、特別支援学校を再開させるよう教育委員会に指示を出したということです。それから、佐賀県教育委員会も現在休校している県立学校を、新学期が始まる4月6日から再開させることを決定しました。また、福岡県北九州市の教育委員会も24日に4月6日からの学校再開を決定したということです。続々と3条件に当てはまらないように対策を取りながら再開させていくということですね。

野村)元に戻すわけですが、またいつ何時自宅学習するようになるのかわかりません。前回はいきなりで大変だったとみんなが言ったわけですが、万が一に備えて次に休校になっても大丈夫な体制を整えていくことが重要です。特に重要なのは、子どもたちが家にいても授業を受けられる環境づくりです。先生方がネットで授業を行って、それを自宅で受講したら正規の授業として認めるような規制改革をやらないと、結局は休校したら補講しなければいけません。そうすると、今度は休みを削っていかなければいけませんから、そういったところを改革していくのが国の役割だと思います。

森田)確かに、オンラインの教育を広めるチャンスでもあります。

野村)技術的には可能なので、あとは制度的な手当ての問題です。

森田)学習が遅れてしまうと、補講や家庭学習で対応するしかなくなってしまいますものね。

野村)よくコロナウイルスと経済を関係づけてウイルスによって経済が停滞することを警戒する人がいますが、教育は国の支えです。ですから、教育がおろそかになることも深刻に考えなければいけません。子どもたちがちゃんとした教育を受けられるようにするということを、国力を支えるという意味で非常に重要な問題として取り上げるべきです。

森田)いずれにしても給食のときに手洗いを徹底することや、飛沫を飛ばないように会話を控える、部活動も再開するでしょうからその辺りも気を遣わなければいけません。

新型コロナ/閑散としたニューヨークの街並み=2020年3月17日 写真提供:時事通信

いつ日本もオーバーシュートするかわからない〜いま一度緊張感を持つべき

野村)海外の様子を見ていると、本当に恐ろしい状況になっている国が多いじゃないですか。日本と絵柄が大分違いますよね。映像を見ていると、あれが一方で起こっていて日本が比較的緩やかになっているギャップはなぜ起こっているかというのは、専門家の間でも十分に解明できていないのです。何か偶然の出来事なのかもしれないし、私たちがいつヨーロッパのような状況に置かれるかもわからないということは念頭に置いておかなければいけません。でも私が思うのは、多くの日本人が手洗いうがいなどで自分たちのことを守っているということがみんなで防いでいると思うのです。もう少し頑張りどころなので、安易に考えずに最初にこのニュースに接したときのような緊張感を思い出して、この3週間頑張るべきだと思います。

森田)確かに、コロナ疲れというところがあります。ずっと気を張っていたところで最近は天気もよくなって外に出たくなる気持ちはわかるのですが、ここが勝負どころです。

野村)楽しみ方を変えればいいので、工夫すればいいと思います。

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