新型コロナ経済対策〜世論が望むのは消費税減税

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月30日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。安倍総理が28日に明言した新型コロナウイルスへの緊急経済対策について解説した。

【都心で降雪】雪が降った大手町近辺は、昼間にも関わらず静まり返っていた=2020年3月29日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

安倍総理、過去最大の新型コロナ経済対策を指示

安倍総理大臣は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ過去最大規模の緊急経済対策を目指すと明言し、全閣僚にその策定と補正予算案の編成を指示した。

 

安部総理)みなさんにこの困難を乗り越えていただくために、新しい給付金制度を用意いたします。世界の協調をリードする我が国としては、リーマンショック時の経済対策を上回る、かつてない規模の対策を取りまとめてまいります。

 

飯田)リーマンショック時を上回る、かつてない規模を目指すということです。当時が事業規模で56兆円あまり、財政支出は15兆円あまりでした。

G20首脳のテレビ会議に臨む安倍晋三首相(右)=2020年3月26日夜、首相官邸[内閣広報室提供] 写真提供:時事通信

財政支出がどのくらい出るのか

須田)リーマンショックを超えるような経済的な落ち込みが出て来ますから、リーマンショックを超えるようなかつてない規模を目指すというのは当然のことですが、真水と言われている、実際の財政支出がどの程度出るのかを見極めなければならないと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急記者会見する東京都の小池百合子知事。今週末の不要不急の外出自粛を要請した=2020年3月25日午後8時18分、東京都庁 写真提供:共同通信社

企業、個人の救済対策と中長期的な景気対策を分けて考えるべき〜スピード感に欠ける日本政府の対応

須田)この緊急経済対策を含めて、世の中の議論が混同されていますが、2つの問題を分けて考える必要があります。まず緊急避難的にやらなくてはいけないのは、資金繰りがひっ迫していて、倒産の危機にある企業への対策。また資金繰りが悪化して家計が立ち行かなくなる、低所得者層への対策です。もう1つは、中期的な経済の大きな落ち込みをどうリカバリーして行くのか、ある意味で景気対策的な側面についてです。後者の部分に関して何をやるべきなのか、ここに給付金や商品券、減税という形になっているのですけれども、減税1つとってみても法人税の減税などと、消費税減税を回避するかのような減税が、果たして是なのか非なのか。また、現金給付と商品券ではどちらの方が効果的なのか、或いは所得制限を設けようではないかなどと、枝葉末節なところに議論が集中しているように見えて、スピード感に欠けているのではないかと思います。

飯田)この番組はネットでも聴けるので、各地から意見が来ますが、ニュージーランドの“ガリー”さんからのメールです。「友人からこんな報告がありました。政府からの補助金が既に振り込まれて、1人頭7029ニュージーランドドル。日本円にして46万円余りが払われた」と。「3ヵ月分だということで、無駄に使うなということも併せて書いてあった」ということですが、海外は動きが早いですね。

須田)そうですね。日本でも低所得者層に対しては、収入が減ったことを条件に、1口20万円などの組み合わせがあるのだけれども、3ヵ月間で上限80万の小口融資。これはその後の経緯を見た上で返済不要になる可能性も高いのですが、そういう制度があります。ただ、いま言われたようにスピード感はどうなのか。窓口に行って申請して、審査されて結果が出て来るとなれば、いま困っている人たちに対して手が差し伸ばされるかと考えると、難しいのではと思います。

参院予算委員会で答弁する西村康稔経済再生担当相=2020年3月23日、国会内 写真提供:時事通信

各金融機関は有事対応をすべき

飯田)年度末がいよいよ押し迫って来ているところで、銀行では中小企業に対する融資について、引き合いが相当あるようですね。

須田)信用保証協会の保証つき融資や、政府系金融機関、商工中金などの緊急融資もやっているのですが、審査のキャパを超えてしまって、作業が滞っているようです。そういうところも平時の対応ではなく、有事対応をしていただきたいと思います。厳密な審査をせずに、ドンドン出すことが必要なのではないでしょうか。

飯田)手元の資金としては、銀行などの金融機関はいままで貸出先がなくて困っているような状況でした。余っていたのだから、出せるものは手元にあるだろうと素人は思ってしまうのですけれども。

新型コロナ特措法施行などについて会見で記者団の質問に答える安倍晋三首相=2020年3月14日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

世論調査では消費税引き下げを望む声がダントツで多かった

須田)26日〜28日にかけて、共同通信が新型コロナウイルスの対策、経済対策、景気対策に何を望むかという世論調査をしました。消費税率の引き下げが43.4%でダントツです。続いて現金給付が32.6%、3番目に商品券給付で17.8%でした。政治が世論の動きをどう汲み上げるかが、いま問われているところです。これは無理だとか時間がかかるから、難しいからということで予め手足を縛るのではなく、そこは対応して欲しいと思います。

飯田)大阪府阪南市の“初心者マーク”さんから、メールをいただいています。小売店の店長をやっている方ですが、「消費減税反対ですね。商品券給付はもっと反対です。現金給付がいちばんありがたいです」と。なぜ消費減税に反対なのかは、「増税するたびに大きな混乱が発生するではないですか。税率を変えるたびに、現場は皺寄せがあって苦労するのですよ」ということが切々と綴られています。軽減税率のスキームは使えないものですかね?

須田)軽減税率を一律適応すれば、5%減税はすぐにできます。そういう指摘もあるのです。

飯田)それなら、すでに入れてあるレジでできる。

須田)できます。そうすればスピーディーな対応ができるわけですから、1つの可能性として残すべきだと思います。マインドを変えるという点では、確かに現金給付は必要なのです。金を使うためのモチベーションをつけるためにも、消費減税は必要だと思います。

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