関電金品受領問題の背景〜第三者委が踏み込めなかった“特殊な事情”

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月31日放送)にジャーナリストの有本香が出演。関西電力の金品受領問題について解説した。

関西電力会見 就任内定会見に臨む榊原定征・新会長=2020年3月30日 写真提供:産経新聞社

関西電力が経産省に業務改善計画を提出

関西電力の幹部らが原発のある福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題で、関西電力は30日に業務改善計画を提出し、新たに幹部ら82人の処分を発表した。

飯田)第三者委員会の調査がありまして、そのなかでかなりの方々が関わっていたということが出て来ています。それを受けての計画提出とのことです。業務改善命令が出ていましたから、それに沿ってということでしょうね。

関西電力の役員らが高浜町元助役から金品受領していた問題を受け、八木誠会長と岩根茂樹社長が会見=2019年10月2日午後、大阪市福島区の堂島リバーフォーラム 写真提供:産経新聞社

6月の人事で東レ榊原定征氏が会長就任予定

有本)これには複雑な背景があると言われていて、なかなかメディアでは報道しづらいということも言われています。関西電力には私も知り合いがいまして、いろいろな形で聞くと、これは関電をかばっているわけではなくコンプライアンス上極めて問題のあることだと思いますが、森山元助役からのいろいろな攻勢を、個々の役員が断れる状況ではなかったということが言われています。しかし、そういった古い体質とは縁を切らなければいけないということははっきりしています。一種の利権に伴って、キックバックがあったという単純な話でもない。この土地独特の政治的な確執や背景が深く関わっています。そして、この人自身が悪い意味でユニークな人物だったというところもあるようですね。関西電力は6月の株主総会で会長人事もあるのですが、2019年に一連の問題が発覚して会長が空席になっていたということで、外部から来るわけです。こんなことを事前に言うのも申し訳ないですが、新しく会長にと言われている方もご高齢なのですよね。

飯田)東レ会長の榊原定征さん。

有本)東レから来るということで、新たな風を吹き込んで関西電力改革につながるかもしれませんが、76歳というのはどうなのかなという感じもします。

飯田)どこまで浸透するかという辺りも。そして原発立地との関係で、特に歴史的に遡るといろいろな差別の問題もあります。よく言われるのが、森山さんが部落解放同盟に一時期いらっしゃったという話があって、解放新聞という解放同盟の出している新聞が、この報道で差別を助長したのではないかという見解を示したり、本質をすり替えるものだという見解を出したという指摘もあります。そこが問題の核心ではないのだということを、彼らは言っています。

福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)=写真提供:時事通信

地域特有の複雑な背景〜第三者委員会の報告書では記載されず

有本)問題の核心は非常に難しく、金品を受け取ったことが問題の核心と言えばそうなのですよ。しかし背景は極めて重要で、部落解放同盟と森山元助役との関わり合いは非常に短期間で、それが背景のすべてではないと言えるのだけれど、しかし部落解放同盟だけでなく他の政治的団体や既存の政党の勢力も入り乱れていた。そういうなかで得てしてありがちな、1人のエネルギーのある人がいろいろなところとつながり、反発し合いながら権力を持って行くという構図だったのでしょう。

飯田)この問題の難しいところは、保守も革新も関係ないところですよね。

有本)その土地に根付いたものなので、そういうイデオロギーの問題とは違います。なかなか理解しにくい事件であることは間違いないですね。

飯田)かつてはこれが原発について回っていた。しかし、いまではどうなっているのかという辺りが、第三者委員会の報告書にはまったく書かれていません。森山さんが亡くなられたことですべてが断ち切られたのかどうか、本来はそこを確かめるのも新しい会長の仕事です。

有本)森山さんがいらっしゃらないから、この話は終わりということではなく、他ではこれに類することはないのかと。その土地に張り付いた問題があったのですが、どうしても地方はいろいろな事情を抱えています。それに類したこの種の問題が、他にないのかというところです。そこまで第三者委員会にも踏み込んで欲しかったですね。

関連記事(外部サイト)