PCR検査のメリット・デメリット〜感染症専門医が解説 新型コロナウイルス

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(4月8日放送)に日本感染症学会の専門医で東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授が出演。新型コロナウイルスに感染症について解説した。

集団感染が発生したソウルのオフィスビルで新型コロナウイルスの検査(PCR検査)を行う医療従事者=2020(令和2)年3月10日、韓国・ソウル NNA/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

PCR検査を増やすべきか〜検査のメリットとデメリット

森田耕次解説委員)PCR検査についてですが、日本はまだこの検査の数が少ないと言われています。韓国ではたくさんやっていて、アメリカも検査の体制が整って感染者の数が増えたと言われています。よく疑陽性という言葉が言われますが、このPCR検査の精度というものはどうなのでしょうか。

寺嶋)恐らく軽症の段階では本当にコロナに感染していても陰性と出てしまう人もいると思いますが、していなくても陽性ということはないと思います。

森田)そこの検査は数を増やしていった方がいいものなのでしょうか、それともいまくらいで抑えておいた方がいいのでしょうか。

寺嶋)そのときの実情にもよりますが、例えばこれまでは特に症状がない人でも陽性が出れば指定感染症ですから何らかの形で医療機関に入院しなければいけませんでした。恐らく現在陽性と発表されている患者の数倍は日本にもいると思いますが、でもそれがアメリカやイタリアほどではないと思います。症状に応じて医療の場がそれぞれあるわけですが、そのバランスを崩してしまう面があります。東京都の場合は無症状の人は軽症の方も含めてビジネスホテルという受け皿ができたので、感染を広めないという点でいままで以上にPCR検査の範囲を広げるのはいいことだと思いますし、私が最近感じているのは入院患者さんでも少しでも疑わしい場合には早めに検査できます。いままで院内感染が広まった原因は、始めは新型コロナの疑いがなく入院していた人から医療関係者や他の患者さんへうつったケースがあります。そういう意味では検査の幅を病院内の患者さんにも広げることが院内感染を広げない1つの手立てだと思っています。

森田)宮藤官九郎さんは腎盂炎の治療を受けていて感染してしまったので、別の治療をしていたのに病院内で感染してしまうということですね。

野村)PCR検査に関してはずっと言われていますが、医療体制との見合いのなかでバランスよくやっていかないと、指定感染症に指定してしまっていれば入院の義務があります。そうすると、治った後でもかなりの時間病院にとどまっていただかなければいけなくて、最長20日くらいおられる方もいると。そうするとベッドが埋まってしまって、本当に重症の方を受け入れられなくなって医療崩壊に至るという議論だったわけですよね。それが診療する場所が区分けされるように整ってくると、それはたくさん検査をした方がいいというようになってくるので、大事なことだと思います。他方で、検査にも医療従事者のマンパワーを使うことになります。

森田)そして、その医療従事者の方がそこで感染してしまうリスクもあるわけですよね。

野村修也<中央大学法科大学院教授・弁護士>)簡易の検査がどこまで整っていくのかということもありますが、いまは医療関係者や専門家の方がバランスよくやってきているということが言えるのですよね。

森田)ワクチンや治療薬、アビガンが効くということも言われていますが、この辺りはどうですか?

寺嶋)ワクチンはもともと病気ではない人に打つものですから、副作用が出てはいけません。うまく病気が取り除けるか、しかも動物などで研究すると、やはり1,2年はかかると思います。新しい薬も1つができるまでにだんだんと絞っていって、それでも副作用で日の目を見ないということがあります。ですからまったく新しい薬は時間がかかります。一方で、すでに他の病気で使われている薬は副作用もきちんと確認されていますし、アビガンなどのような新型インフルエンザのためにつくられた薬。ウイルスの増え方も似ているので、そういう意味では期待ができる候補の上位の薬だと思います。

森田)政府も200万人分を備蓄する方向になっていますものね。これがうまく効いてくれれば治る可能性もあるわけですね。

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