インフルエンザと全く別物〜感染症専門医が解説 新型コロナウイルス

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(4月8日放送)に日本感染症学会の専門医で東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授が出演。これからの新型コロナウイルス対策について解説した。

電子顕微鏡により約10万倍に拡大された陰性インフルエンザウイルス – Wikipedia「インフルエンザ」より

感染経験のある人が社会を守るためにできること

新型コロナウイルスの感染拡大による非常事態宣言で、国民に不安が広がっている。寺嶋毅教授が新型コロナウイルスに関する聴取者の疑問に答えた。

森田耕次解説委員)質問もたくさんいただいています。“ふんどしをはいたねこ”さん「新薬に時間がかかるのはわかります。感染した後に完治して退院した方、例えば阪神の藤浪投手のような人は抗体ができているのではないのでしょうか。その抗体を培養、移植はできないのでしょうか」とのことです。

寺嶋)いわゆる抗体療法というものがあります。これは献血のようによくなった方から血液を採って、そのなかには抗体というウイルスをやっつける物質が入っています。それを新たな患者さんに注射して治療するという方法は、他の病気ではやられています。ただし、これにはよくなられた方がまだまだ少ないですし、1人の血液で1人が治せるだけの血液が採れるかというと、そうではありません。でもとてもいいアイデアだと思いますし、私が最近思っているのはよくなられた方に社会で活躍していただくというか。私共のところでも完治した方に例えば入院されている方のお食事を届けていただいています。ウイルスが陰性になっても実は10日くらいあって、熱が出ている間も大変ですが、よくなってとどまっている時間も大変なのです。そういう方のカウンセリングというか、辛い思いをしながらもよくなった方に活躍していただくことが、社会としてこの病気に対抗する1つの手立てになると思います。

森田)それは患者さんにとっても非常に心強いですね。

野村修也<中央大学法科大学院教授・弁護士>)集団免疫という言葉がありますが、みんながかかると今度はかからないように守っていくという役割を果たすという考え方がありますよね。今回の新型コロナウイルスでそこまでいくのにはとても長い道のりなのでそれを目標にすることはできませんが、でもいま先生がおっしゃったようにかかった人が今度は社会を守る側になるのはすごく重要だしいいアイデアだと思います。

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インフルエンザとは全く違う〜新型コロナウイルスの恐ろしさ

森田)あとこちらは「どうせインフルエンザで毎年世界中ではたくさんの方が亡くなるのだから、この新型コロナウイルスもそれに少し足されるだけ、という意見があります。寺嶋先生はどう思われますか? それともこの新型コロナウイルスは明らかな人類への脅威なのでしょうか」といただいています。

寺嶋)まったく新しいタイプのウイルスですから、誰でもかかります。インフルエンザもマイナーチェンジというか少し姿を変えているのでかかりますが、やはり8割が軽症といっても2割は重症です。そのなかでも集中治療室に入ったり、命に係わる人も5%ほどいます。これはインフルエンザに比べても10倍は怖いです。インフルエンザになって高齢の人がその後いろいろな細菌がついて入院というのもありますし、ご質問にあるようにインフルエンザで亡くなる人もいて、今年はアメリカでも多かったです。でもやはり現場ではインフルエンザとはまったく違うと感じています。

森田)この緊急事態宣言は1ヵ月を想定していますが、さらに長期化することも考えておかなければいけないでしょうか。

寺嶋)今回の宣言がまずは1ヵ月ということですが、もちろん東京で急激に増えている感染者の抑制にはなると思います。しかし、1ヵ月後に制圧していままでの収束、いままでの日常の生活というにはまだまだそうではなく、引き続き自粛や健康意識をもって生活することは必要になると思います。

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