ウイルスが東アジアと欧米で異なるという説も〜感染症専門医が解説 新型コロナウイルス

ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!激論 Rock & Go!」(4月16日放送)に日本感染症学会の専門医で東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授が出演。新型コロナウイルス感染症の世界各国での感染状況の違いについて解説した。

BCGのワクチン包装(写真:melvil)- Wikipedia「BCG」より

ピークや収束がまだまだ見えない日本

辛坊)いま、ドイツの感染者は発表されているだけで13万人で、死者も3500人くらいいるのですが、普通の商店に「普通の経済活動をしてください」という風に戻す話がどうも報道されています。そしてイタリアやフランスでも感染者の数は明らかに減ってきているということで言うと、隔離が成功したのか集団免疫を獲得したのかはわかりませんが、そろそろ出口戦略を描ける状況になってきています。ところが日本はヨーロッパほど爆発的に感染が広がっていないにしろ毎日東京で100人から200人くらいポツポツ出ている状況がのんべんだらりと続いていたときに、これは終息宣言できるのでしょうか?

寺嶋)ヨーロッパも、緩めればまた山は上がってくると思います。集団免疫は国民の80%くらいは(感染症に)かからなければいけませんが、ドイツにしてもまだ10万人です。日本はまだ山の頂点にはきていませんが、もともとの方向性は「できるだけ山をなだらかに」ということですから、そういう意味ではまだまだ、いつが山の頂点でいつ山を下るのか、というのは残念ながら見えていないと思います。

辛坊)もう1つ素朴な疑問なのが、ヨーロッパではドイツでも3500人死んでいる状況ですよね。ところが韓国では感染者1万人以上で死者225人、中国はあんな状況のなかですが実は亡くなった方がドイツよりも少ない。東アジアの人はこのウイルスに対してヨーロッパ人と違う反応をするということがあり得るのか。一部に言われているような、BCG(ワクチンの接種)を子どものころに受けているからBCGがない国の人とは免疫力が違うなど、いろいろなことが言われています。その辺りはどう見ていますか?

寺嶋)まずBCGに関しては疑問に思います。一部の研究ではBCGを打った1年以内くらいは結核菌のみならず他の病原菌にも免疫が高まるようなことが言われているのですが、BCGの効果があるのは打って間もない人だけです。

世界のCOVID-19感染率(2020/4/1時点)<Our World in Data – https://ourworldindata.org/grapher/total-confirmed-cases-of-covid-19-per-million-people>Wikipedia「2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患」より

ウイルスは、元の「A」、東アジアの「B」、欧米の「C」の3種類という仮説

寺嶋)もう1つはアジア人が強いのか、ウイルスは少しずつ変異しているので、「A」「B」「C」の3種類あって、いちばん最初の「A」と、東アジアで広がっている「B」と、ヨーロッパなどで多いタイプの「C」があって、もしかしたら少し変異してイタリアなどで流行したものが少し強いのか。あくまでこれは推測ですが。

辛坊)アメリカで流行っているものは遺伝子を解析したらヨーロッパで流行っているものだったというニュースがこの前あったということは、「新型コロナウイルス」とひと言で言っていますが、微妙な違いのあるウイルスが複数あるということですね?

寺嶋)それを言い切るにはまだ本当にわかっていないことの1つだと思いますが、「なぜヨーロッパやアメリカで致死率が高いのか? 爆発的に広がったのか?」ということのあくまで「仮説」です。

辛坊)もしその「仮説」が正しいとするならば、いまヨーロッパやアメリカ流行っているウイルスが日本国内に入ってきたら、結局同じことが起きるということですよね。

寺嶋)そうですね。3月末くらいからヨーロッパから帰って来た人の陽性も出つつありますから、そういう人が一度感染経路不明のところへ乗ってしまってどこかでそれが広くはやると、そうなる可能性もあります。

(※データや状況等は放送日4月16日時点のものです)

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