佐藤優氏が危惧「コロナ感染による死を恐れずイスラム国が動き始める可能性」

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(4月28日放送)にゲストの作家・元外務省主任分析官の佐藤優が出演。新型コロナウイルス感染症の世界的影響について解説した。

ISILの旗を担いだ戦闘員(Wikipediaより)

死ぬことが怖くないIS〜テロ活動強化の可能性

アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学が27日に発表した集計によると、新型コロナウイルスの感染者が世界全体で300万人を超え、死者も21万人を上回り増加が続いている。発展途上国では検査数が依然として少ない状態のため実態の正確な把握が懸念されている。

森田耕次解説委員)新型コロナウイルスの感染者が世界全体で300万人を超えました。死者も27日に21万人を上回ったということで、ジョンズ・ホプキンズ大学によると世界最多の98万人を超えた感染者が確認されているアメリカではウイルス検査を550万件以上実施済みだということです。アメリカは死者が24%を占めておりまして、死者数でも国別で世界最多。WHOのテドロス事務局長によるとアフリカや中南米で増加傾向が見られるということで、パンデミック(世界的大流行)は決して終わっていないという見解を出して警戒を呼びかけているということです。世界を見るとまだまだ感染者は増えている状況ですね。

佐藤)アフリカ、特にサハラ砂漠以南のアフリカは医療体制が非常に脆弱であるのと、統計等があまり整っていませんので実態としてはすでに深刻な状況になっている可能性があります。また中南米の一部の国もアフリカと同じような状況ですから、この辺で事態が動くということになると非常に心配です。特にアフリカで心配なのは、この機会にIS(イスラム国)が伸びる可能性があるのです。こういう風に混乱しているとISでは死ぬことが怖くないという形でテロ活動を強化してくる可能性があります。ですから、そういう複合要因がアフリカや中東においては怖いです。

森田)テロの危険性が高まる可能性があるわけですか。

佐藤)そうなのです。テロリストたちは感染による死を恐れないで動き始める可能性があるのです。

病棟で治療を受けるスペインかぜに罹患したフォート・ ライリー(英語版)陸軍基地(カンザス州)の兵士<Wikipedia「スペインかぜ」より>

歴史は繰り返す〜“スペイン風邪”を思い出せ

森田)アメリカですが、ニューヨーク州のクオモ知事はニューヨークの外出制限措置を5月15日までつくっているのですが、その後も一部地域を除いて外出制限は延長しようという方針です。しかし、南部のテキサス州辺りは外出禁止措置が30日で解除され、ジョージア州も27日にレストランの営業が再開ということで、トランプ大統領が5月初めにも自粛措置を緩和したいとの考えです。大統領選もありますから、共和党が知事の地域もこれに応じて外出規制を解除しているようですが、アメリカもここで緩めてしまうと危険な可能性はありますよね。

佐藤)歴史は繰り返すということで、第1次世界大戦後に世界中で猛威を振るったスペイン風邪のことを思い出さなければいけないと思います。あのときも行動規制をしていましたが、波が去ったなと思って規制を緩めたら第2波がきました。そして第2波がきて、あのときにはウイルスが強毒化しました。第2派も外出規制で収まったかなと思ってまた緩めたら第3波がきました。第3波がきた後に緩めて、またくるかなと思ったら今度はこなかった。3回の波があったことを考えると、緩めては強くすることを何回か繰り返すことがあるのを覚悟しなければいけません。

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