ペットからうつる可能性は?〜東京都医師会会長が解説 新型コロナウイルス感染症

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月23日放送)に、新型コロナウイルスの医療対策の最前線に立っている東京都医師会会長の尾崎治夫が出演。「ペットからの感染」「無症状でうつしてしまう可能性」について、番組リスナーからの疑問・質問をもとに解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

ペットから人間にうつったという例は報告されていない

飯田)ラジオネーム“キイチャン”さん、埼玉県三郷市の主婦の方からいただきました。「実家の母は80歳でペット(猫)を飼っています。ペットからの感染はあり得るのでしょうか?」……うちも犬を飼っていて、よく鼻などを舐められるので怖いのですが、いかがですか?

尾崎)私も犬を飼っていて、ペロペロ舐められますが、報告では犬はかかりにくいだろうということです。猫は若干かかりやすいかもしれません。実は、飼い主の方が感染していてペットにうつったという報告はありますが、飼い主が健康で感染のない場合に、ペットが感染して持って来た、発病したという例は1例も報告されていません。人間からペットにうつるのは少数の報告があるけれども、ペットから人間にうつったという例は報告されていませんので、そういう意味では、あまりご心配されることはないと思います。

飯田)特に犬や猫の場合は、飼い主以外を闇雲に舐めるということはあまりないですしね。

東京都医師会・尾崎治夫会長

まずオンラインや電話で相談〜くれぐれも直接の来院は避けるのが原則

新行市佳アナウンサー)続いてラジオネーム“ケンドウイチゴウセン”さん、町田市にお住まいの53歳、男性の方からです。「感染してからどの程度の状態で、他人にうつる可能性がありますか? 発熱していない状況でもあり得ますか?」といただきました。

尾崎)一般論としては、感染してから1日〜14日の間、潜伏期間があると言われています。平均すると4〜5日ではないかという話ですが、症状が出て来たときには、すでにウイルスがたくさん外に出ているのではないかという報告があります。加えて、その1日前くらいから出始めるのではないかという報告もあり、無症状だけれどうつしてしまう可能性もあります。また、発病したとしても軽い風邪程度で済んでしまう人もいますので、体調が悪い、風邪気味だという人はまず出歩かないでください。家にいて、普通の風邪かインフルエンザなら4日〜5日ほどで軽快して行きます。軽快せずにダラダラ続くのが新型コロナウイルスの特徴なので、4〜5日は家で大人しくしていただきたい。ただ、高齢者は早めに重症化する可能性があり、持病を持っている方はかかりつけの先生がいると思いますので、直接その先生のところに行くのではなく、電話で相談するなどして指示を仰いでいただきたいと思います。もし感染していたら、クリニック・病院に感染が拡がる可能性がありますので、まずは電話で相談してください。いまはオンライン診療もあります。若い先生方はそういうものを使う人もいますので、オンラインや電話で、くれぐれも直接の来院は避けるというのが、うつす・うつさないということを守るための原則となります。

飯田)先週、先々週あたりから院内感染が言われていますけれども、病院としては来る人を拒むわけには行かない。むしろ患者の方の自覚が必要になって来るわけですね。

病院や医療従事者の非難をせず、後押しを

新型コロナウイルス感染拡大をうけ、千代田区が設置した「PCR検体採取 仮設診療所」。内覧会では仮設テントでつくられた診療室で検体採取を行うデモンストレーションが行われた=2020年4月22日午後、東京都千代田区

尾崎)院内感染を防ぐためには、病院のなかでドクターやナース、患者さんもコロナにかかっているかもしれないという体制を取らなければいけません。そのためには職員・スタッフ全員マスクをして、手洗いや手袋をして、全ての患者さんにもマスクをしていただく。徹底すれば院内感染を防げるのですが、防ぐための道具、戦いでいうと武器がいまは足りません。マスク、消毒、手袋が足りない状況で戦えというのは難しい。そういう背景があって、努力をしているのに院内感染が起きた病院もたくさんあります。それなのに「院内感染を起こしやがって」と非難したり、頑張っていらっしゃる医師や看護師の家族に対して、「保育園に来てもらっては困る」ということをやられると、我々も闘う意欲がなくなります。そうではなく、ぜひ「いま頑張ってもらいたい」ということで、後押しをしていただきたいと思います。

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