国民に負担を強いる以上、具体的な数字を提示すべき〜緊急事態宣言5月31日まで延長

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月4日に放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長について解説した。

2020年5月1日、会見する安倍総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202005/01bura.html)

安倍総理、緊急事態宣言の5月31日までの延長を4日に決定

政府は5月4日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言について全国を対象として今月末まで延長することを正式に決定する。これを受け安倍総理は夕方6時から記者会見で国民に協力を呼びかける。

飯田)5月4日夕方の会見ではこの1ヵ月程度の延長の理由などについて、説明をすると いうことであります。延長の方法だとか、この是非だとか結構色々な情報が出てきましたけれども、5月4日に正式に発表するという流れです。

須田)大前提としてはこの感染拡大を防ぐために、必要と“思われる”ことは全部やる。結果的に意味がないことであったとしても、とりあえずいまの現状で全部やるということに私は大賛成です。しかし、後々の検証は必要になってきます。ただ、それに対して丁寧な説明をつけるというのは私はやはり必要だと思います。当初は5月6日まで期限を区切っていたわけですから、国民にこれだけの負担を強いる以上、6日の時点でどういう状況になっているのか、なっていたのか、 そしてこれを終息させていくためには、あるいは緊急事態宣言を解除するためには何が必要なのか、それを国民がわかるような理解できるような形で、具体的な形で提示しなければ一体いつまで続くのだという不満が出てきます。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議=2020年2月24日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

具体的な数字で示せないと、国民は不安を解消できない

飯田)一時期言われていた、患者 1人がどのくらいの人に感染させるのかという(実効)再生産数という数字が出てこなくなりましたよね。

須田)そうなのです。4月1日に専門家会議では「東京都の再生産数というのは1 . 7人ですよ。1人の感染者が1 . 7人に感染してこのまま放置すると爆発的な感染拡大に繋がりますよ」ということを言っていたのですが、実は、1ヵ月以上にわたって、この新しい数字が出てきていません。ただ、5月1日に専門家会議が記者会見を開きました。そのときに1.0人を東京は下回っているというグラフが提示されました。しかし、各都道府県については提示されていない。さらにその後を見てみるとまた1.0人を上回ったという話も出て来ています。実効再生産数が一体どのくらいなのか、そしてどの程度になったら、緊急事態宣言が解除されるのか、これが一点目です。そしてもう一つは、当初の対象地域=7つの都道府県以外の地域に対しては感染者を追えない。感染ルート、感染経路が明らかではない。つまり、孤発例と言われているケースです。これが50 %を超えたところが指定地域になっていると言う説明がされていました。私は静岡・京都等々で聞いていました。そうなるとこれは一体どういう水準になっているのか。そういったところもやはり具体的な数字で示せないと納得、理解してもらえないのではないかと思います。なぜならば、皆さん相当な経済的な痛みを伴っています。飲食店だけではありません。様々な業種で負担を強いて、結果的に家賃を払う、人件費を払うなどで固定費がかかってしまって赤字がどんどんと垂れ流しになっている。これは一体いつまでもつのか。自分たちの現金、手元のキャッシュが途絶えた段階でアウト。あるいはつなぎ融資を受けるのはいいけれどもそれであっても返さなければならない。将来目途が立つのか、そのあたりも不安だという現状。そういったときだからこそ具体的に説明していかなければ、不安というのは解消できないはずです。

飯田)一方で数字が良くても病床の空き具合などで今後も続けなければならないという説明があるかもしれません。そのあたりもおそらく変数として入ってくるでしょう。けれども、現在はそういったことも何も判断基準がみんなわからないという状況なわけですよね。

須田)さらにもう一つ問題なのは、責任の所在は一体どこにあるのか。専門家会議なのか政府なのか、そのあたりが全く不透明である。最終的な責任はもちろん総理なのでしょうし、その責任を負わせるというのは事後の処理でいいのですが、そのあたりも少し見えてこないところがやはり不安なのではないかと思います。

観光地の箱根湯本駅前商店街は軒並み臨時休業し、シャッターが閉まっていた=2020年4月29日午後、神奈川県箱根湯本 写真提供:産経新聞社

経済活動再開の指針も5月4日に表明

飯田)そして、経済活動再開の指針も4日に表明ということです。これは都道府県によってそのコロナウイルスの流行の仕方が異なるということもあって、こういった経済の一部緩和ということが出てきていると思います。これはやはり全国一律というのは、もうもたないということですか。

須田)そもそも全47都道府県に対して緊急事態宣言の対象地域にしたということが果たして どうだったのかということになってくるのだろうと思います。大阪のケースは、特定警戒都道府県という13 の都道府県になっているわけですがその中においてもばらつきがある。北海道は第二波がやってきたともいわれている。十二分に実効再生産数が下がってきている地域もある。あるいは病床に余力があるところもある。つまり軽症患者についてはホテルを中心としたところに移ってもらう取り組みをして病床に空きが出てきた。そういった点でいうと地域ごとにばらばらになってきている。もともと特別措置法を見てみると対応を受けて措置をするのはそれぞれ首長、知事ですので、そういった方々が責任に応じて自らの地域の実情に応じて手を打っていくという当たり前のことだと私は思います。

飯田)そうやって首長が実行はする。全体としての方針は政府が決める。何かそこの根拠のようなものがあまり見えないということが不安を呼んでいるようなところがありますよね。

須田) そうですね 。もう一つは自粛要請等々の要請をするならば 、経済的な支援策とのワンセットです。要するに、ない袖は振れないといったようなところが拙速な行動を招くとなるとそれはそれでまたおかしな話になってしまいます。

飯田)そのあたり補正予算で地方への特別交付金という形で一兆円は積みましたけれども、これで足りるかというとそんなことはないですよね。

須田)全く足りないでしょうね。二次、三次行っていかなければ地方経済を含めてもたなくなってくるのではないか。それをやるのが国の仕事なのですよ。

飯田)今の段階では財政力に応じて地方格差のようなものができてしまっていますよね。

須田)これは東京がダントツでということになりますね。

関連記事(外部サイト)