新型コロナ禍で失業率14.7%〜アメリカ社会にとって数字以上に大きな傷

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月11日放送)に慶応義塾大学教授・国際政治学者の細谷雄一が出演。新型コロナウイルスの影響により、アメリカの失業率が14.7%と戦後最悪となったニュースについて解説した。

米東部ニューヨーク州オールバニーの州議会議事堂前で、経済再開を求めデモを行う人たち。参加者は「貧困はウイルスよりも恐ろしい」などと書かれたプラカードを掲示した=2020年5月1日 写真提供:産経新聞社

米就業者数2050万人減、失業率14.7%

米労働省の発表によると、4月の雇用統計は新型コロナウイルスの影響を受け、就業者数が前月から2050万人減少し、失業率は14.7%と戦後最悪の水準になった。

飯田)コロナショックの影響が、アメリカでは直に数字に出ていますね。

細谷)そうですね。ここで我々が理解しなければいけないのが、アメリカは日本やヨーロッパとは違い、国民皆保険制度がなく、失業したときに見捨てられるということです。私も1年アメリカに研究で住んでいましたが、子供が風邪で1回診てもらうだけでも3〜4万円ほど払うのです。今回もアメリカでコロナウイルスに感染した場合、大体1人あたりの入院費は、高いと820万円の自己負担になる。失業して、さらにコロナの問題があり、国民はそれに対する失業補償を十分にしてもらっていない。当然ながら日本やヨーロッパと違って、国民には大変な怒りや不満、不安があり、各所で暴動が起きています。つまり日本やヨーロッパのように、失業者に対して失業補償という形で国が面倒を見てくれるような経済体制ではありません。経済費に関しては既に提供しているのですが、失業のダメージが日本とはまったく違います。しかも大学の授業料が、カリフォルニアの州立大学でも、州外からだと1人あたり年間300万円〜400万円です。失業すると、ほとんどの家庭の子供が大学を辞めなければいけないのです。そう考えると、この失業率の高さは、数字が示す以上にアメリカ社会にとって大変な傷になると思います。

飯田)世界恐慌以来ということになると、リーマンショックや「ウォール街を占拠せよ」とした2011年の抗議運動以上のものが起こってもおかしくはない、というぐらいの社会不安なわけですね。

細谷)更に重要なのは、通常の感染症の場合は第2波、第3波があります。アメリカの専門家も、2年くらい続くのではないかと言っています。まだ1〜2ヵ月しか経っていません。2年単位で考えたときに、この失業数が一気に上がって行くということです。それを考えると、やはりこのインパクトはかなり大きいと思います。

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