東京、北九州の緊急事態宣言〜医療体制が崩壊しない限り再指定はない

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月1日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。西村経済再生担当大臣が新たな感染者数が増えて来た東京や北九州市について、緊急事態宣言の再指定は考えていないと明言したニュースについて解説した。

2020年5月28日、会議に臨む安倍総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202005/28getsurei.html)

西村大臣、東京、北九州市で緊急事態宣言の再指定考えず

新たな感染者が相次いでいる東京や北九州市について、5月31日、西村経済再生担当大臣は「現時点で緊急事態宣言の再指定は考えていない」とした上で、感染者を早期に検知し、封じ込めを図りたいとの考えを示した。そして、「小さな流行は日本全国どこでも起こり得ることを認識しなければいけない」と述べ、感染防止策を徹底するよう呼びかけた。

京都・ドライブスルー方式PCR検査デモ PCR検査に用いる綿棒状の検査器具=2020年4月27日午後、京都市中京区 写真提供:産経新聞社

北九州市の感染者数が多いのは、濃厚接触者すべてにPCR検査を実施しているため〜医療体制が崩壊すれば再指定も

飯田)北九州市では、5月31日に新たに12人の感染者が確認されました。小学校でクラスターが発生したのではないかということです。

須田)なぜ感染者数が北九州という地域でこれだけ増えたかというと、市の方針として、濃厚接触者に対してはすべてPCR検査を実施するという方針があるので、把握されてしまう。無症状、軽症の人でも陽性ということになれば、感染者にカウントすべきなのでしょうけれども、そういう地域の事情もあります。ただその一方で、新型コロナウイルス問題が感染拡大して来た初期の状況と、いま現在では、医療体制がまったく変わって来ているということが言えるのではないでしょうか。どういうことかというと、新型コロナウイルスの特徴や傾向が見えて来た為に、無症状、軽症の人は、とりあえず宿泊施設等で隔離します。重点的に、重症者に医療資源を投入して行くという切り分けが進んでいますよね。ですから、感染者数が増えても、医療体制が十分持っているうちは再指定する必要はないのではないかということです。医療体制が限界に達して来れば、その前の段階で再指定ということになるのでしょうけれどね。

飯田)この病気の怖いところは、もちろん重症者は命に関わるということで怖いけれども、諸外国を見ていても、医療崩壊を起こして病院が回らなくなってしまうのがいちばん怖いのだということが、ようやく全世界に見えて来ました。

須田)そうですね。そしてもう1つ、PCR検査体制についても、初期のころは保健所に一本化されていましたが、最近になって、民間の検査体制と並立してやって行くという形が取られた。PCR検査を増やすということは、保健所や地方の衛生研究所のキャパを超えてしまう可能性もあったのです。その辺もいまはフォローアップする体制ができて来たので、PCR検査を実施するという点においても、さほど大きなプレッシャーにならないのではないでしょうか。

緊急事態宣言下の渋谷の様子=2020年5月17日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

PCR検査〜地方と大都市ではキャパの問題から事情が異なる

飯田)いままではコロナにフォーカスして注力していたものが、経済との両立ということが叫ばれるようになって、ここから先は共存という形でやって行くことになるのでしょうか?

須田)コロナと共にという、そのなかで新常態をどうつくるのかということだと思います。いずれにしても、地域的な特性を言うと、例えば和歌山県などはPCR検査をどんどんやって、クラスターをいち早く発見し、それを徹底的に潰して行った。これが功を奏した地域もありましたが、それができる地域と、東京や大阪のような大都市では事情が変わるのだと思います。

飯田)発生する患者の数が違うということもありますか?

須田)そうですね。人口の問題で、感染者が確認されても、それを受け入れるだけのベースがあるところと、そうではなく、急激に増えてしまったときに、その対応がキャパをすぐ超えてしまうような大都市とでは、方向性が違うのだと思います。

飯田)県をまたいでの移動についても変わって来ますね。

須田)スケジュール感としては6月19日あたりからということでしょうが、経済を再始動させなくてはなりません。そのために19日まで抑えることができるのかというところもあると思います。

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