新型コロナが続く限り、国会は開けておくべき

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月11日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。2020年度第2次補正予算案について、また今回の新型コロナ感染を含み、災害時における国会のあり方について解説した。

衆院本会議で令和2年度第2次補正予算案が賛成多数で可決し一礼する安倍晋三首相(右)。中央は麻生太郎副総理兼財務相=2020年6月10日午後、国会 写真提供:産経新聞社

2020年度の第2次補正予算案〜12日に成立へ

新型コロナ対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案は、10日の衆議院本会議で与野党の賛成多数により可決され、参議院に送られた。12日の参議院本会議で可決すれば成立となる見通しである。

飯田)そして国会は17日の会期末で延長せずに、閉会となる方針だそうです。

鈴木)スピーディーにコロナ対策の予算を決めて行くということは、極めて重要なことです。与野党でいろいろな議論がありますが、スピード感があっていいと思います。

【新型コロナ 東京アラート発動後初の週末】「東京アラート」が発動され初の週末を迎えた東京・新宿は多く人で賑わった=2020年6月6日午後 写真提供:産経新聞社

コロナが続く限り臨機応変な対応のためにも、国会は開けておくべき

鈴木)ただ、会期を17日で閉めることについては異論があります。今回、2次補正でもさまざまな問題が指摘されています。家賃や雇用調整助成金の増額という話は1周遅れの話であって、1次補正で行っていてもいいような話です。また10兆円の予備費の話があります。この予備費はどうなのかと野党が追及しています。私が取材していて思うのは、予備費というのは、ある程度まとまったものがあっていいと思います。今回のことは有事ですから、使わなければならないお金がいつ出て来るかわかりません。ですので、いままでにない額というのは、ありなのではないかと思うのです。ただ、これは税金ですし、使い道に関しては基本的には国民の場所である国会で「こういう形で」という話を事前にする。そして1日でもいいので、本当に必要であるのかどうかしっかり議論をする。その議論の後にすぐに執行する。この仕組みはキープしておかなければなりません。そうなるとコロナが収束するまで、予備費の使い方も含めて、国会は開いておくべきです。「そのとき、そのときに召集します」と言っていますが、いままで召集されたためしがありません。そういう意味では、与党が閉じてしまうのはどうなのかなと思います。予備費は重要だと思いますが、使い方については迅速に議論して対応するために、国会を開いておいて欲しいと思います。

飯田)もし第3次で補正ということになると、それは当然国会で議決を得なければならないことですし、その機動力というのも、開いておけば迅速にできるという話ですよね。

鈴木)この有事のときに、すばやくチェックをして執行できるという体制は、国会を開いておくことだと思います。ワクチンや治療薬ができるということが、コロナ収束の本当の最終目標だと思いますが、これから第2波の可能性があるなかで、やはり国会が対応して行く体制は必要だと思います。

浸水した家から運び出された家財が山のように積まれていた=2019年10月15日 福島県郡山市 写真提供:産経新聞社

自然災害が重なる可能性も

飯田)コロナウイルスに対してかかりきりになっていますが、去年(2019年)を考えると9月から10月にかけては台風の恐れがあります。

鈴木)その通りです。去年の豪雨でどのくらいの被害が出たのか、また熱中症で一人暮らしのお年寄りや子供が亡くなりました。異常気象で自然災害がどうなるかわからない状況です。自然災害も有事です。コロナ感染と同じなのです。ここ数日、暑い日が続きますが、こんなにも高い気温での梅雨入りというのは異常です。自然災害が起きたときにどう対応するのかも含め、ベーシックなところでコロナウイルスの感染問題が続いている限り、臨機応変な対応のために国会は開いておかなければならないのではないかと思います。

飯田)定例で委員会をというわけではないのですが、随時開けることができるようにしておくためにも、とりあえず閉めずにおくという選択肢はできないものなのですかね。開いている以上は定例で行わなければならないのですか?

鈴木)そうしたことを行うと、「費用がかかる」などと言われますが、国民の生命財産を守る、まさにこのコロナ有事のときに対応するためには必要な経費だと思います。

【新型コロナ 川越】蔵造りの街並みが残る観光地の埼玉・川越では、臨時休業している店舗が目立ち、人通りが少なかった=2020年5月2日午後、埼玉県川越市 写真提供:産経新聞社

「Go To キャンペーン」〜クーポンではなく、観光地に交付金を落とすべき

鈴木)また予算ということで、「Go Toキャンペーン」についてです。

飯田)観光振興ということで行われる「Go Toキャンペーン」ですね。

鈴木)これはコロナと付き合って行くには、次のステップとして必要なことだと思います。しかし、このような形のクーポンでいいのかという議論が十分にされていないと思います。東北の被災地のお2人の知事と話をしたときに、地震の後、「東北に行こう」というキャンペーンをしました。そのキャンペーンによって皆さん東北に旅行に行ったのですが、1度来て応援して、それで終わりということが多かったのです。知事の方たちは観光客が最近減っていることを気にしていて、どのようにしてリピーターを増やすかということを現在、考えているときでした。今回のGo Toもそうなのですが、観光を元気にしましょうというのはいいのですけれど、1度行って、そこで終わってしまっては意味がないのです。この影響は1年も2年も続くはずですので、交付金という形で観光地にお金を落とすべきだと考えます。

飯田)地元、地方に落とす。

鈴木)そうです。そうすれば観光地が自分たちで工夫をする。そこで観光地の自治体限定でクーポンを行ってもよいのです。使い道が自由な、観光地のためのお金を交付金として自由に使える形で配る。これはぜひ次の第2弾としてセットで行ってほしいです。現在、手数料の問題が言われていますね。

飯田)はい。事務的な費用について。

鈴木)これも全国一斉のクーポンになると、かなりかかります。

飯田)構えが大きいですものね。

鈴木)しかし、交付金という形で地域に渡して、その地域の工夫でクーポンをつくると言えば、手数料もはるかに安くできます。「ボランティアでクーポンをつくってもいい」という企業も出て来ます。そのようなことから手数料の問題も解決できる。息の長い観光の復活のために、「費用を渡すので地域で工夫しなさい」ということを、Go Toキャンペーンの第2弾として考えて欲しいです。第2弾とセットで議論していただきたいですね。

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