尖閣沖領海侵犯〜「紛争地域」というイメージを広める意図の中国

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月24日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。23日に沖縄・平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われたというニュースについて解説した。

沖縄県・尖閣諸島 手前から南小島、北小島、魚釣島 海上自衛隊の哨戒機「P-3C」 から=2011年10月13日 写真提供:産経新聞社

沖縄戦から75年、「慰霊の日」に平和祈念公園で戦没者追悼式

玉城デニー知事)この島が平和交流の拠点となるべく、国際平和の実現に貢献する役割を果たして行くために、全身全霊で取り組んで行く決意をここに宣言します。

 

太平洋戦争末期の沖縄戦から75年、「慰霊の日」を迎えた沖縄では23日、最後の激戦地となった糸満市の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われた。今年(2020年)は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため規模を縮小して営まれ、一般県民の参列や安倍総理の招待は見送られた。

飯田)通常は約5000人が参列しますが、今回は160人ほどということで、だいぶ少なかったということです。

平和の礎(慰霊の日-Wikipediaより)

沖縄の尖閣諸島周辺で起きている中国公船の領海侵犯

高橋)平和宣言というと、やはり普天間基地の話なども出て来ます。言いたい気持ちはわかりますが、沖縄の現状を考えると、尖閣は連日中国の領海侵犯があって、すごい状態です。ある意味で平和というのは、沖縄の足元、石垣市の尖閣でも侵されているという事実があります。

飯田)沖縄に対してのプレッシャーというか、戦略的価値のようなものがすごいです。

高橋)中国の海洋国家としての意思ははっきりしています。尖閣に起こっていることの先を予測するのは簡単です。南シナ海を見ていればいいのです。南シナ海がどうだったかというと、いろいろな領有権の話があって、既成事実化して基地もつくってしまいました。そのとき、最初はベトナムの漁船を追い出すということもしていたり、拿捕したりして、いまは沈没させています。比べて尖閣の状態を考えてみると、日本の漁船を領海のなかで追い回しましたよね。徐々に南シナ海と同じ状況に来ているということです。次は拿捕となりますよ。

記者会見する沖縄県の玉城デニー知事=2020年5月15日午前、沖縄県庁 写真提供:共同通信社

「紛争地域」であるというイメージを広めようとしている中国

飯田)仮に拿捕ということになると、中国側が不当に主権だと言って行使をして来ると。

高橋)いま中国の活動が激しくなっていて、「紛争地域」というイメージを世界に広めています。紛争地域のイメージを広めるというのは中国の戦略で、イメージが広まったときに拿捕するのです。

飯田)もともと揺るぎなき日本の領土領海で、主権が行使されているにもかかわらず、そこが紛争地帯だと見せることで、中国側に1歩引っ張るということですよね。何も問題がなかったところを、問題があるように。

高橋)そういう状況になって行って連日、領海のなかに入っていること自体は、無害通航権とはまったく別なので酷い話です。5000トン級という、世界的に見ても軍隊のような船が来ています。海上保安庁が対応する警察組織だと言うのですが、中国の場合、そうではありません。海警というのは軍事組織の一端ですし、完全に軍事のなかで連動してやっていることです。海警を使ってやるのは強制外交と言って、外交の分野では酷いやり方として有名ですが、それを平気でやっています。中国としては、外交の一環としてやっているのです。5000トン級が来ていますが、日本の海上保安庁の船は1000トン級なので、そこで並ぶとどちらが優勢で、支配しているかという画にもなるのです。これは沖縄のなかで起こっている話です。

飯田)当該の都道府県の首長としてどうするのか。もちろん国がやるところではありますが、地元はどうするのか。

高橋)完全に主権が侵されている状況です。たしかに沖縄戦の話も重要ですが、いまの話もバランスよく言った方がいいと思います。

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