高齢者の比率も上がっている都内の新型コロナ〜若者だけではない

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月15日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。都内で感染者数が増えている新型コロナウイルスの現状について、東京都医師会副会長・角田徹を電話ゲストに迎えて解説した。

新型コロナ関連、公園で散歩する高齢者=2020年3月17日、大阪市東住吉区 写真提供:産経新聞社

新型コロナウイルス〜厚生労働省の専門家組織が会合を開催

新型コロナウイルスの感染状況を分析し、感染対策を厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の会合が14日、都内で開かれた。感染者数は全国的に増加傾向で経路不明のケースが増えているとして、「感染状況を注意深く見て行くことが必要」との見解をまとめた。

飯田)感染症や公衆衛生、臨床医療の専門家など21人が出席したということです。感染者の増加について、東京都医師会副会長で角田外科消化器科医院・院長の角田徹先生に伺います。角田先生、おはようございます。

角田)おはようございます。

新宿・歌舞伎町の歓楽街へ向かう人達=2020年6月4日夜、新宿区 写真提供:産経新聞社

高齢者の比率が上がっている〜都内でも新宿からその周囲に感染が拡大

飯田)東京都で感染者数が増加しております。この状況をどうご覧になりますか?

角田)昨日(14日)、一昨日(13日)と100人台ですが、その前は200人以上の感染者が出ています。若い人が中心で、当初は7割〜8割が20代、30代でしたが、ここのところ、その比率が下がり、高齢者の比率が上がっています。高齢者の方は重症化しやすいので懸念しています。

飯田)東京はかなりの数が出ていますが、徐々に周りの県や大阪でも増えているような感じがします。東京から拡がっているのですか?

角田)その傾向があると思います。東京のなかでも新宿地区が高かったのですが、この1週間でその周囲に拡がっている傾向があります。前回の波もそうですが、東京から各地区へ拡がることが懸念されます。

京都・ドライブスルー方式PCR検査デモ PCR検査に用いる綿棒状の検査器具=2020年4月27日午後、京都市中京区 写真提供:産経新聞社

重症者や死者数が少ないのは感染者の多くが若者だから〜家を出ない高齢者への懸念も

佐々木)インターネット上の意見で、感染者数が増加しているけれども、重症者や死者数が増えていないのはどういうことかと疑問を呈している人がいますが、どう見ればいいですか?

角田)高齢者になればなるほど重症化しやすいのですが、感染者が若い人中心だからです。80歳以上の方々は10%近い死亡率を示すこともあるので、高齢者が感染していないということが大きな要因です。

佐々木)いろいろなところを見ていると、高齢者の方々は行動を抑制して、自宅から出ていないケースが多いように見えますが、その辺が功を奏しているのでしょうか?

角田)そうですね。しかし、一方で高齢者の方が過度に怖がりすぎて動かなくなり、手足が弱ったり、医療機関へ行けないので必要な薬が飲めないということが懸念されています。

佐々木)感染者数が増えているホストクラブなどでPCR検査が行われていますが、検査をする人が増えたから感染判明者数が増えたという見方もできるということですか?

角田)当然そうです。検査態勢が拡充されたので、感染者が多く掘り起こされたという傾向はあります。

飯田)掘り起こされた感染者の方々ですが、いまは指定感染症であるから、基本的には隔離療養しなければなりません。その辺のベッド数、医療資源の部分がこれからどうなるのかが問題になると思いますが、東京都としてはどうですか?

角田)東京都は重症の人が少ないので、それはレベル1のままです。中等症以上はレベル2に上げて、2700床を用意する形で準備しています。

東京・渋谷のスクランブル交差点にある大型ビジョンに流された、都内で新たに100人以上の新型コロナウイルス感染者確認のニュース=2020年7月2日午後 写真提供:共同通信社

コロナの影響で収益が減少している病院〜国からの継続的な支援が必要

飯田)一般患者の方が減って、コロナに対応している病院の方のボーナスが少ないなど、病院の経営部分が影響を受けていると報じられていますが、現場ではどう対応していますか?

角田)病院は頑張っていますが、収益が減少しています。このままでは継続が厳しいので、国からの継続的な支援が必要です。スタッフの方々の疲労が残っていることもあるため、物資両面のサポートが必要だと思います。

【新型肺炎】羽田空港から出る救急車=2020年1月29日午前、東京・羽田空港 写真提供:産経新聞社

コロナ専門病院をつくって対応する

飯田)大阪などでやろうとしていた、コロナウイルス専門の病院をつくって、そこに集中させ、地域医療を担っていた病院はいままで通りにやってもらうという方策は取れそうですか?

角田)私どもも、それをお願いしているところです。コロナ専門病院をつくっていただいて、最大2000床〜3000床くらいをそこに集中させ、他の病院はいままで通りの医療ができるという体制を都にお願いしていて、協議もしています。

佐々木)病院がコロナに対応すればするほど、経営が悪化してしまう問題が報道されていますが、どう対応すればいいのですか?

角田)医療従事者の使命として頑張ってくれた病院が赤字になり、やり切れない状況になっています。継続的なサポートがなければ難しいです。

佐々木)病院側が対応できるというよりも、国や都などの対応が必要ということですか?

角田)極めて必要です。

飯田)この番組を聴いていらっしゃる方々が全国にいます。お願いしたいことはありますか?

角田)感染症は誰にでもうつるのではなく、3密の状態や接触感染が原因ですから、手を洗い、マスクをして3密を避けることで感染は防げます。数に怖がらないで、個人個人が感染予防をして行動することが重要です。

飯田)個人でできることがあるということですね。先生、朝早くからありがとうございました。東京は感染者がこれだけ出ているということで、対応に追われています。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

劇場、ライブハウスが何をやるかをもう1度考える

佐々木)新宿の劇場で感染者が出てしまいましたが、劇場、音楽フェス、ライブハウスが何をやるかということを、もう1度考えなければなりません。劇団側も、抗体検査をして平気だったから大丈夫だと思ったと言っていますが、医療側からは、抗体検査は陰性であることの証明にはならないと再三情報が出ているので、それでいいと思ったということはおかしいです。文化庁から抗体検査の補助金が出ていますが、補助金を出しているから、みんなそれでいいと思ってしまうということもあるでしょう。

飯田)お墨付きと勘違いして。

佐々木)そこは科学的知見に基づいて、どうすればライブや舞台などを再開できるのか、別の見方で考える必要があります。

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