東京都165人感染、感染警戒最高レベルに引き上げ〜「その最終兵器を使うべきタイミングではない」辛坊治郎が異論

7月15日、東京都内で新たに165人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。また、感染状況に関する警戒の指標を、4段階のうち、もっとも高い「感染が拡大している」に引き上げた。

キャスターの辛坊治郎が同日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、この警戒レベルの引き上げについて異論を唱えた。

東京、警戒度最高レベル  記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年7月15日午後、都庁 写真提供:共同通信社

PCR検査を増やせば感染者数は増える

東京都は15日、新たに165人の新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表した。このように、連日多くの感染者が確認されている東京都は15日、感染状況に関する警戒の指標を、4段階のうち、もっとも高い「感染が拡大している」に引き上げた。15日午後に開かれた、都のモニタリング会議では、専門家が現状を分析し、引き上げが妥当だという見解を示していた。このなかで、国立感染症センターの大曲センター長は、引き上げの判断に至った理由を「感染者の数」と強調した。

大曲)前回の流行と比べた場合に、今回の流行はだいぶ様相が違う。若者が多い、重症者が少ないというところであります。ですので、違う波を見ているという印象が非常に強くありましたので、橙色のままなのか赤のままなのか、と非常に議論があったわけですが、単純にこれは数でありますが、これだけの数がでてきているということは、もう、自明でありまして、無視はできないというところであります。感染が拡大していると言わざるを得ないという判断であります。

また、杏林大学医学部の山口教授は、今後の医療体制に危機感を示した。

山口)医療機関にとっては軽症でも重症でも、陽性患者にかかる手間というのは同じでございまして、こうした若い陽性患者が病床を次々に埋めることによって、結果的に、より重症度の高い、他の患者さんの収容に苦労するという事態を我々は非常に心配しています。このまま、入院患者が増加しますと、こうしたより、重症の患者さんの受け入れそのものに支障をきたす事態が起きるのではないか、ということが危惧されるということでございます。

これを受けて、東京都の小池知事は、軽症者の受け入れ施設を新たに2つ確保する見通しを示した。

小池)若い世代の、無症状、軽症患者の増加でございますが、あす、7月16日、そして来週にかけまして、新たに2つの宿泊療養施設を開設いたします。都民、事業者のみなさまのご協力なくして、これ以上の感染拡大を食い止めることができない。改めて、強くご協力をお願いするところでございます。

 

辛坊)このニュースを聞いていて、つくづくいま起きていることが「なんなんだ」と思うのです。要するに、なにが起きているのかというと、軽症の入院患者ばかりなんです。PCR検査することによって、患者を炙り出しているわけです、大量の鼻風邪の人を、PCR検査で炙り出してその人たちは感染症予防法上、強制入院なんです。必ずしも病院ではなく、ホテルその他でもいいのですが、いま、むしろそのホテルがいっぱいになってきてしまっています。無症状の人とか、鼻風邪状態の人たちでホテルがいっぱいになってきてしまっているので、ベッドが空いていて経営状態が危ないという病院の状況で、そっちを埋めなければいけないということがあり、病院にもどんどん鼻風邪の人を回しているわけです。鼻風邪の人で病院が埋まって、医療崩壊しかけている……これって、医療崩壊の原因をつくっておいて、結果的に「医療崩壊していますからレベルを引き上げます」というのが、見方によってはいま起きていることじゃあないのか?

増山さやかアナウンサー)見方によっては。

辛坊)そうなるよね。現実に起きていることってそういうことじゃないのか。おかしくないか、この構図は。

増山)たしかに。

辛坊)街中で人がバタバタ倒れて死んでいるとか、救急車が走り回っているとかではなく、「病院がいっぱいになりつつあります。軽症の患者で。なぜかというと、PCR検査を山ほどやっていますから、患者が炙り出されています。PCR検査を受けて陽性だと、お金がもらえます」みたいな。なんかおかしくないか、やっていることが。

増山)良かれと思ってやっていることがね。

家路を急ぐ人たちなどで込み合う新宿駅周辺=2020年6月24日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

いま「レベル4に引き上げ」のカードを切ると本格的な危機の際に切るカードがない

辛坊)それでワイドショー、その他が煽り立てるから、なんかもう、すごいことになっている。ただ、私もこの冬にかけてすごいことが起きる可能性はあると思うので、だから私はいま、レベル4に引き上げは怖いと思う。いずれどこかのタイミングで、レベル4に引き上げなければいけないときが来るような気がしますので。だけど、それがいまかというと疑問符。いま引き上げてしまったら、今後それ以上上に引き上げられなくなってしまいます。きょう、ここに来るあいだ、銀座のその辺のオープンカフェのようなところを見てまわってきましたけれども、どこも「密」「密」。すごくお客さんが入っていて、ご飯どきだから、当然マスクを外してご飯を食べながら、同じテーブルで大盛り上がりです。その状況でレベル4ですよ。もし、本格的にやばい状況になっていったときに、もう一段、「みなさん、本当に気をつけてくださいね」という手段がないわけですから。

増山)辛坊さんが知事なら、いまのタイミングで出さないですか。

辛坊)いまのタイミングでは出さないです。というのは、そういう最終兵器は使うべきタイミングがありますから。出すときには本気で「経済より、命の方が大事ですから、動くな」と。「マスク外して飯を食うな、レストランで」っていうくらいのことを言うタイミングじゃないと。これ以上あげられなくなってしまうというのは、これはリーマンショック以降の世界の経済の対策と同じで、どこの国もゼロ金利なんです。金利調節というのは、景気が悪くなってきたら金利を引き下げることによって、景気を良くしましょうというのが伝統的な金利対策なのですが、ゼロ金利が長年続いてしまったので、景気が悪くなったからと言って、マイナス金利というものがないわけではないですが、それ以上下げられないです。レベル4に引き上げると、いまの病院は軽症患者で埋まっているという状況で、その状況のなかでレベル4にすると、次、本当でみなさんに警戒を呼びかけるときに、ここから上がなくなってしまっているわけですよ。

増山)たしかにそうですね。

辛坊)このやり方でいいのかと素朴に思います。

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