「効くかどうかは誰もわからない」ロシアで世界初承認の新型コロナワクチンについて辛坊治郎が分析

キャスターの辛坊治郎氏は8月12日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、プーチン大統領が世界でいち早く承認されたと発表したロシアの新型コロナウイルスのワクチンについて解説した。

ロシア、世界初の新型コロナワクチン承認 撮影地:ロシア モスクワ 撮影:2020年08月06日 AFP PHOTO / Russian Direct Investment Fund / Handout AFP=時事 写真提供:時事通信社

プーチン大統領の娘も臨床試験に参加で体温38度に

ロシアのプーチン大統領は国内で開発を進めてきた新型コロナのワクチンを、政府として正式に承認したと明らかにした。プーチン大統領の娘も臨床試験に参加。プーチン大統領は「摂取後は体温が38度に上がったが、37度を少し上回るくらいになっただけだ。その後は順調だ」と述べた。

辛坊)ロシアが「新型コロナウイルスのワクチンの開発に世界で初めて成功して、10月から実際に打つぞ」という話です。プーチン大統領の娘さんも臨床試験に参加したということで、臨床試験というのは安全性と有効性を確かめる試験なのですが、これに参加しました。これはけっこう、度胸が要ります。どんな副作用があるかわかりませんから。実際、摂取後は体温が38度に上がったということは、体内で何かが起きているということです。

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抗体を先回りして作っておくのがワクチン

辛坊)これ、実際に効くかわからない。というのも、本当のワクチンは実際に病気の蔓延しているところの人たちに接種をして、病気を抑制する効果があるかどうかという検査をするのですが、今回はそれをやっている時間がないのです。これはどう調べるのかというと、ウイルスが体内に入ってくるときに、ウイルスと“戦う”「抗体」で調べます。ウイルスと、どう“戦う”のかというと、ウイルスが細胞に入ろうとしますが、そのとっかかりの入口みたいなものとして、人間の細胞側とウイルス側、両方の鍵と鍵穴みたいなものがあります。これがぴったり合うと、ぎゅっとウイルスが引き込まれるかたちで、人間の細胞のなかに入ったウイルスが、その細胞の機能を使って増殖するというのがウイルス感染の仕組みです。

このときに抗体というのがうまく出来ていると、ウイルスの鍵穴のようなものを塞いでしまうかたちで、ウイルスは人間の細胞だと勘違いし、ウイルスが細胞のなかに侵入できなくするというのが抗体の役割なのですが、この抗体をつくる抗原みたいなものをワクチンで入れる。すると、人間の身体が「ああ、何か入ってきた」ということで抗体が先回りして出来ていると、あとで本当のウイルスが入って来たときに、その抗体が働いて細胞に感染するのをブロックするというのが、簡単に言うとワクチンの効果なのです。

ロシアのプーチン大統領(ロシア・モスクワ)=2020年7月1日 写真提供:時事通信

ロシアのワクチンが本当に効くかどうかは誰もわからない

辛坊)ただ、いま世界で開発されているワクチンは、みんな臨床試験をやっていません。どうやって有効性を確かめるかというと、抗体が出来てくるかどうかを確かめる。これは、血液検査でわかるわけです。ワクチンを打ち、一定期間後にその人の血液を抜いて調べたら、その血液のなかに新型コロナウイルスに対応する抗体が生まれているということになると、これは有効です。(ロシアでは臨床試験の最終段階を終えずに承認されており)「体内の抗体の値が上がってくるかどうかによって、効くか効かないかを判定する検査はしています」というのがロシアの主張なのだけれども、本当に効くかどうかは誰もわからないという現実です。

打って体温が上がるということは、体内で何かが起きたということには間違いないです。ただ、それが本当に感染抑止の効力効果があるかどうかはわかりません。

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