日本が世界で一番コロナを“怖がる”理由とは……辛坊治郎がエコノミストと対論

第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が、8月12日のニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演、新型コロナウイルスの日本の経済への影響について解説した。

東京、警戒度最高レベル  記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年7月15日午後、都庁 写真提供:共同通信社

欧米と比べ経済の戻りが遅れている日本

内閣府が11日に発表した7月の景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な小売店主らに聞いた街角景気で、2,3か月先の景気の見方を示す「先行き判断指数」は、前の月に比べて8.0ポイント低い、36.0だった。

辛坊)どうですか。12日の株価も上がっているのですが、アメリカの株もそうです。日本の株も上がっています。何が起きているのですか。

永濱)アメリカの追加の経済対策の期待です。実は、日本の株も上がっているのですが、アメリカの株の上がり方と比べると弱いです。

辛坊)それはなぜですか。

永濱)背景としては、新型コロナウイルスで世界の経済は落ち込んだのですが、そこからの戻りを見ますと、日米欧で日本がいちばん遅れています。

辛坊)なぜでしょう。

永濱)感染者数を見ると、欧米の方が多いですが……

辛坊)感染者数、特に死者の数は日本より2ケタくらい多いです。

永濱)ただ、国民性の違いもあると思うのですが、コロナに対する怖がり方が全然違います。もしかすると、一部メディアの影響もあるかもしれませんが。

辛坊)いやいや、それは二部、三部メディアの影響だと思いますよ……

永濱)それで、かなり日本国民的に移動などに慎重になっています。

新型コロナウイルス感染拡大、都市封鎖=2020(令和2)年3月22日、フランス・パリ・オペラ通り(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

正しく怖がれば経済とのバランスをとれる

辛坊)最近になって感染者の伸びや死者の伸びを見ていたら、ヨーロッパはけっこう「やばくないか」という数字が出ています。日本の議論みたいに、ロックダウンに近いような緊急事態宣言で、国ごと閉じるかというと、そういう判断をする国はないですよね。少しずつ出始めているのが、国全体をロックダウンするのではなく、ピンポイントでロックダウンをしようという動きはですが、世界がロックダウンしたときのようなことをもういっぺんしようという国はいまのところないですよね。

永濱)ないと思います。

辛坊)あれはなぜですか。

永濱)当時は新型コロナウイルスがどのような病気かわからなかったので、いったん止めたのですが、わかってきています。一方で経済活動も長く止めてしまうと、そちらも重要なので、ああいったかたちでのロックダウンというのはやらないと思います。

辛坊)なるほど。欧米に比べて死者が100分の1以下であった日本の方が、全世界的に見ると、いちばん怖がっていますか。

永濱)圧倒的に怖がっています。不思議な現象です。

辛坊)まともな報道がされていないということを最近、自戒を込めて思ったりするのですが、永濱さんの印象はどうですか。

永濱)私もエコノミストの観点からすると、正しく怖がればもう少し経済とのバランスをとってやれると思います。もうひとつは、今回感染が拡大してしまったのも、2か月くらい夜の街関連でかなり増えて来たときに、ピンポイントで対策を打っておけば、このようにはならなかったのかなと思います。

辛坊)これからどうなると思いますか。

永濱)コロナの感染の状況次第だと思っていて、まだわからないんですが、東京は感染者数の増加ペースや、実行再生産数も下がって来ていたりして、このまま落ち着いてくれば戻る可能性はありますが、これが戻らないとなると、引き続き厳しい状況が続くと思います。

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