コロナの“恩恵”を受けて増収増益の企業たち……エコノミストが辛坊治郎と分析

第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が、8月12日のニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演、新型コロナウイルスの日本の企業の決算への影響について解説した。

コロナの恩恵を受けて伸びている企業もある

内閣府が11日に発表した7月の景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な小売店主らに聞いた街角景気で、2,3か月先の景気の見方を示す「先行き判断指数」は、前の月に比べて8.0ポイント低い、36.0だった。

辛坊)大体いまの時期って、年度が始まって3か月経つと、四半期ベースの決算が出てくるころですよね。どうですか、日本の企業の四半期ベースの決算の結果の現状は。

永濱)悪いことには悪いのですが、リーマンショックと比較すると、あのときはまさに金融危機だったので、ほとんどの産業がみんな悪いという感じでした。それが、今回の新型コロナウイルスのショックは、ものすごく悪いところがある一方で、コロナの恩恵を受けて伸びているところもあります。例えば、上場企業の決算を見ても、減収減益の企業の割合が6割くらいです。一部には1割くらいの企業が増収増益になっています。

辛坊)どのような企業が伸びているのですか。

永濱)端的に言うと、非接触化のビジネスに関連するところです。例えば、デジタル化に伴ったリモートワークをするところや、根幹となる半導体をつくっている会社、巣篭もり消費で食品スーパーやドラッグストアとか、缶詰や冷凍食品の会社は好調です。

新型コロナGW空撮 関空に駐機しているANAの機体=2020年5月2日、関西国際空港 写真提供:産経新聞社

航空会社は世界的にかなり厳しい

辛坊)厳しいところの代表格でいうとどうですか。

永濱)移動を伴うというところで言うと、航空会社や鉄道会社、あとは感染がしやすいということで敬遠されている外食産業などは相当厳しいといった感じです。

辛坊)たしかにJALやANAはかなり厳しそうだな、ということが飛行機に乗っていてもわかります。突然欠航するんです。

永濱)席も離れて座りますか。

辛坊)私が乗っている航空会社は離れていませんね。逆に便数を減らしているので、飛行機に乗ると、いまの飛行機はよく出来ていまして、「3分間で空気が全部入れ替わります」みたいなことを、もうちょっとわかりやすい言葉でずっとアナウンスしているのだけれども、飛行機のなかはけっこう密です。エアバスA320や321、それからボーイング737というのは、真ん中に大きな通路がドーンとありまして、エコノミークラスだと、右3席左3席の横6席で真ん中に通路があるという飛行機が基本的に主力だったりするのですが、この6席が完璧に埋まっていました。7月の後半くらいのことです。ところが、ここへ来てPCR検査の陽性者数が増えているということが背景にあると思いますが、お盆直前くらいから急に減り始めました。JALもANAも四半期ベースで1000億円くらい赤字になっているらしいですね。

永濱)航空会社は世界中にあるわけですけれども、世界的に見てもかなり厳しく、ヨーロッパなどは一部国有化に出ているところもありますので、そういったように、日本の航空会社も国有化までは行かなくとも、資本注入とか、これからコロナが長引くと航空ビジネスというのがそもそもいままでのように気軽に飛行機に乗れなくなる可能性があると思っています。同じだけ人が運べないとなると、単価を上げないと経営が成り立たなくなるので、値段が上がり、その分サービスがよくなる可能性はあると思います。

辛坊)国によっても対応が違うのですが、いまフランスは普通に入れます。ところが国によっては、PCR検査をして陰性じゃないと入れないとか、いろいろなところがあって、国によって対応はさまざまだと思いました。

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