野党合流新党は「リアリティ」で行く〜選挙では現実的な戦略を

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月3日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。立憲民主党と国民民主党などによる合流新党の今後の動きについて解説した。

新党結党へ向け基本合意書に署名する国民民主党・平野博文幹事長(中央左)、立憲民主党・福山哲郎幹事長(同右)ら=2020年8月24日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

野党合流新党〜10日に代表選出、15日に結党大会開催

立憲民主党と国民民主党などによる合流新党の代表選挙が、9月7日告示、10日に投開票の日程で実施され、結党大会を15日に開くことが明らかになった。また、合流新党に参加しない国民民主党の玉木代表らおよそ10人も、合流新党と同じ15日に別の新党の結党大会を開催する方針を決めている。

飯田)メールもいただいております。川崎市の“てっちゃん”さんから、「この合流新党、自民党総裁選ですっかり霞んでいるように思います。もしここで解散総選挙があれば、野党は厳しい戦いなのか、どうなのか。それも策略ですか?」とのことです。

鈴木)完全に野党の一歩を踏み出すような合流なのですが、タイミングが総裁選に重なってしまった。安倍さんは病気のこともあり、わざわざこのタイミングで野党をつぶすために云々ということではなく、結果的に重なってしまったのです。これから幹事長レベル、国対レベルで総裁選を進めて行く。首班指名などが国会でもあります。それと、野党の新党をつくって行く日程で多少、「え? その日にぶつけて来たのか?」というやり取りはあったそうですが、そこはさすがに自民党もきちんと譲り、うまく調整をしたそうです。ただ、メディアの取り上げ方は、圧倒的に総裁選がメインになってしまっています。

立憲民主党との合流をめぐり国民民主党の分党を表明する玉木雄一郎代表=2020年8月11日午後、東京・永田町の国民民主党本部 写真提供:産経新聞社

合流新党は「リアリティ」で行く〜現実的な政策

鈴木)立憲のある幹部と話したのですが、何となく、国民民主が割れましたよね。玉木さんたちは10人ほどの政党をつくる。しかし、誰かが出て行くのは織り込み済みのことです。ここは「提案型の保守中道」ということになるようです。立憲民主は、「リベラル、左派」という印象が政策的にもあります。そうしたイメージがあるのですが、新しくできる左派系、リベラル系と言われている立憲の幹部たちは、盛んに「リアリティ」ということを言っています。リアリティとはどういうことかと言うと、現実的な政策や、現実的な選挙戦略で行くということです。ですので、何となく「リベラル左派」という理念が先行するイメージがあるけれど、現実的ということで、「当初の理想と変わったとしても、現実がこうならば仕方ないと判断して行く」。これが現実性、リアリティです。政策で言うと、政権交代を本気で目指すならば、夢物語ばかり言っていても仕方がありません。ですので、現実的にやれる政策、腰を据えたようなものをまとめて行くのだと言います。そのときにキーマンとしてあげているのが、今度の合流新党には小沢一郎さんがいます。また、中村喜四郎さん、岡田克也さん、野田佳彦さんもいます。その人たちと一緒にやるために合意したというのは、そういうことなのです。現実的な政策をまとめて、選挙で訴えるのだとしたら、目玉はあると思います。自民党とは対抗軸のような理念を優先したところもあるのかも知れませんが、かなり現実的に行くということです。

衆院本会議に臨む立憲民主党・枝野幸男代表と国民民主党・玉木雄一郎代表(左)=2020年1月20日午後、国会 写真提供:産経新聞社

選挙に勝つためには何でもやる〜協力できなければ「ならばまた今度」と割り切る

鈴木)もう1つは選挙です。これもリアリティ、勝つためには何でもやるということです。共産党とも勝てるならば手を握る。地元ではいろいろな対立もありますが、そうしたことも行う。連合という指示するところが、それぞれの労組ごとにあります。

飯田)企業系の大きな労組は相入れない、ということもありましたが。

鈴木)それはそれでいいということです。リアリティですので。そこを気にして進まないのではなく、「そうですか、ならばまた今度」と。

飯田)合流はしなくても、選挙のときにはまた今度となる。

会談に臨む(中央左から)共産党・志位和夫委員長、立憲民主党・枝野幸男代表、国民民主党・玉木雄一郎代表ら野党各党の党首ら=2019年12月6日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

自民党を過半数割れに追い込む可能性も

鈴木)選挙で「今回は協力できないのですが、ならばまた今度」と割り切る。私が取材した人は理念型の幹部なのです。その人ですらそういうことを言っていました。そうなると、「新党の政策、理念は何なのだ」とまた批判が出ますが、そこは大きな数をつくり、まとまって与党と対抗する。与野党が対立しなければ、政治に緊張感が生まれませんので、そこを優先するということでしょう。ですので、今度の合流新党は、いままでのような離合集散とは少し色が違っていると思います。もし解散ということになると、いきなり政権交代は無理かも知れませんが、自民党を過半数割れに追い込むとか、20〜30議席くらい減らすことはあるかも知れません。そういう可能性を少し感じました。

飯田)野党の候補が乱立するようなところは、強権をふるってでも一本化に調整するということですね。

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