大阪都構想〜松井市長と菅氏の深い関係から予想されること

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月3日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。2度目の住民投票が現実的となった大阪都構想制度案について解説した。

【大阪市議会本会議】大阪市議会本会議後、取材に応じる松井一郎市長=2020年8月24日午後、大阪市北区 写真提供:産経新聞社

大阪都構想、再び住民投票に

大阪市議会では9月3日午後、大阪市を廃止し4つの特別区に再編する大阪都構想の制度案の採決が行われる。議会では大阪維新の会と公明党などの賛成が過半数を占めており、可決される見通しである。可決されれば、5年ぶり2度目の住民投票の実施が決まる。

飯田)府議会ではすでに可決・承認されていて、市の方でも可決されると、住民投票は11月1日に実施予定ということです。

鈴木)大阪都構想というのは、大阪の話だと思っている方もいらっしゃると思います。それはそうなのですが、実は全国の自治体にも関係しています。統治の仕組みの根本的な問題提起をしているのです。そのため、他の地域の人も注目した方がいいと思います。東京都には23区という特別区がある。つまり東京と同じように、大阪府と大阪市の二重行政を解消するため、組織を統一しようというものです。そこで、4つの区の都構想となる。例えば、神奈川県には政令市があります。

飯田)横浜市、川崎市、相模原市がそうですね。

鈴木)政令市は国の直轄という感じで、予算も独立、行政の権限も独立しています。思い切って横浜市だけで行ってもいいわけです。そうなると、神奈川県庁はいったいどうなるのか。神奈川県はいろいろな権限が及ばないのです。横浜市は横浜市で決めます。神奈川県は、政令市を外した他のところだけで行っているのかということになる。また、横浜市の市内にも県の施設があります。同じような施設を、横浜市もつくっているのかも知れません。それは無駄ですよね。こうしたことをどうするのか、ならば統一して行った方がよいのではないか。それが大阪都構想なのです。ですので、他の県でも似たようなことを当てはめて考えられるのです。

自民党総裁選への出馬を表明する菅義偉官房長官=2020年9月2日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

関係の深い松井大阪市長と菅氏〜大阪都構想の住民投票と解散総選挙を合わせる動きも

鈴木)政治的なことを言うと、11月1日に住民投票が予定されていて、そこで住民が了承するということになれば、実施に向かって一気に動き出します。しかし、ここは維新ですよね。そして今度の政権で、もし菅さんになると、菅さんと維新、菅さんと松井一郎市長。この関係は長いのです。そうなると、大阪都構想の住民投票を有利に進めるために、解散総選挙がもしあれば、合わせようという動きがあるかも知れません。

飯田)解散は、10月25日説があるとおっしゃっていましたよね?

鈴木)そうです。そうなると、いまのところ住民投票日は11月1日ですが、1週間の前倒しをして、10月25日に住民投票をやってしまえと。そうしたら、圧倒的に大阪は維新が強いので、その候補者たちが大阪都構想のことも訴えれば、住民投票も「そうだな」ということで、一気に前に進みます。菅さんが新総理になれば、松井さんとそんな話をしながら進めて行くのではないでしょうか。「この2人が連絡を取り合わないはずはない」と、みんな断言しています。

飯田)なるほど。

【維新のタウンミーティング】キ構想について説明する吉村洋文市長=2018年12月9日午後、大阪市住吉区 写真提供:産経新聞社

大阪都構想で分裂状態の地元自民党

鈴木)都構想の住民投票には、そうした政治的な動きや、中央政局、まさに総理が誰になるのかということも影響して来ます。現地の自民党員のなかには、反対の人たちもいます。維新と自民党はぶつかっていますから。そういう意味では、自民党の現地の分裂騒動なども起きています。

飯田)都構想をやってもいいのではないか、という人たちもいるということですか?

鈴木)自民党のなかで反対、つまり都構想に賛成だという人たちもいる。自民党が分裂しているのです。大阪の自民党は今度の総選挙、菅政権になるのかどうかが絡み、大変な騒ぎになっているのが現状です。

飯田)住民投票はおそらくやるのでしょうが、その先がどうなるのかですね。

鈴木)先ほども言いましたが、この結果は自分たちに関係ないということではなく、自分の地域に当てはめて、今回の議論や投票に注目するべきだと思います。

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