菅新政権への「期待するところ」と「不安なところ」〜佐々木俊尚

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月16日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。新たに誕生する菅新内閣について解説した。

自民党総裁選の出陣式で壇上に上がる菅義偉官房長官=2020年9月8日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

自民党菅新総裁〜総理大臣就任、新内閣発足へ

菅総裁)この危機を乗り越えて、国民の皆さんに信頼される政府をつくり上げて行きたいと思います。規制改革を進めて、国民のために働く内閣をつくって行きたいと思います。

 

自民党の菅新総裁は9月16日、臨時国会で第99代内閣総理大臣に選出される。ただちに組閣に着手し、新しい内閣を発足させる見通しである。

飯田)午前中に安倍政権の総辞職があり、午後にも本会議で指名ということです。

政治 自民党新四役が決定 佐藤勉総務会長、菅義偉総裁、二階俊博幹事長、下村博文政調会長ら=2020年9月15日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社

どこまでデジタル化を進められるか

佐々木)いちばん注目しているのは、まだ名前が決まっていませんが、デジタル庁と言われているところです。そこに平井卓也さんが大臣として入ります。平井さんは自民党のデジタル社会推進特別委員長をやっていて、ITに明るい人だということで期待しています。しかし、ITに明るい人がデジタル庁の長官になったからといって、デジタル化が進むわけではありません。もう少し強圧的に、「何でもデジタル化するのだ」と言える力がないといけません。平井さんがやろうとしていることを、菅さんがどこまで後押しして党内、もしくは官公庁を抑えられるかどうかにかかっています。

飯田)行政改革とセットで考えると、河野太郎さんが行革担当になるので、タッグを組むことになるのでしょうか。

佐々木)それを平均年齢70代の党内人事の人たちが後押しするとなれば、懸案になっていたデジタル化も期待できるかなという気はします。日経新聞に、菅さんの人脈は構造改革派だ、というような記事がありました。

飯田)竹中平蔵さんとか。

佐々木)サントリーの新浪さん、楽天の三木谷さん、維新とも仲がいいようです。新自由主義的な構造改革路線の人と仲がいいので、意外とデジタル化との親和性は高い感じがします。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

財務省に抵抗して反緊縮を今後も続けられるか

飯田)経済面で考えると、供給サイドを増強するような策だから、コロナで需要が冷え込んでいるなかで、果たしてそれをやっていいのかというところですよね。

佐々木)財務省との関係もあり、ここで財政出動をどんどんやるという方向に行けばいいのですが、安倍政権でも言われていましたけれど、反緊縮の自民党は安倍さんしかいないのではないでしょうか。いまも各党を見渡してみると、新国民民主の玉木さんと維新くらいしか言っていません。自民党が財務省に抵抗して、反緊縮を今後も続けられるかと言うと、菅さんが財務省をどこまで抑えられるか次第です。

飯田)支出を組み立てる主計局長の矢野さんは、菅さんの秘書官をやっていました。そういう人脈ではありますが、それだけに。

佐々木)菅さんは「消費増税はやむを得ない」など、怪しい発言もしています。それを言った後から、「それは10年以内にはやらないということ」だと言ったりして、けっこう揺れ動いている感じがします。そこがどうなるかは気になるところです。

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