場外乱闘後のクリーンなボクシングの試合のような米副大統領候補の討論会

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月9日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。現地時間の10月7日に行われたアメリカ副大統領候補による討論会について解説した。

米大統領選/米副大統領候補者討論会=2020年10月8日 写真提供:時事通信

アメリカの副大統領候補の討論会〜ペンス氏とハリス氏が対決

11月のアメリカ大統領選に向けた副大統領候補による討論会が現地時間の10月7日夜、ユタ州ソルトレークシティーで開催され、共和党のマイク・ペンス副大統領と民主党のカマラ・ハリス上院議員が激論を交わした。討論でハリス氏は、トランプ政権による新型コロナへの対応を歴代のアメリカ政権で最大の失敗と糾弾。一方、トランプ政権の新型コロナ対策本部長を務めるペンス氏は、中国からの渡航禁止によって数十万人の命が救われたと反論するとともに、民主党候補のバイデン前副大統領が渡航禁止に反対していたと主張している。

新行市佳アナウンサー)昨日(日本時間8日)に行われた副大統領候補の討論会ですが、ご覧になっていかがでしたか?

宮家)鎌倉から東京に帰る途中でしたので、インターネットの生放送を車のなかで聴いていました。1回目の大統領候補同士の討論会は泥仕合で散々でしたよね。ボクシングの正統的な試合をやるかと思ったら、異種格闘技の場外乱闘みたいなものになってしまった。しかし、今回の副大統領候補の討論会は正統的なボクシング・スタイルで、しかもリングのなかで試合をやったという点では実に素晴らしいものでした。

米大統領選の第1回討論会を視聴する人(アメリカ・フロリダ州マイアミ)=2020年9月29日 写真提供:時事通信

決定打はなく、引き分け〜大統領候補の討論会に比べればまともな討論会

宮家)しかし、大統領候補の第一回目の討論会があまりに酷かったから、今回は素晴らしく見えるけれど、前回が普通であれば、今回は「こんなものか」という内容でした。これで優劣がつくとは思いませんね。2人ともよくやったとは思います。ハリスさんは典型的な民主党のトランプ政権批判をやったし、言えることは言った。ペンスさんもジェントルマンらしくやりました。それはそれでよかったと思いますが、結局は引き分けだろうという感じですね。少なくとも決定打はありませんでした。

ドナルド・トランプ米大統領=2020年10月5日 写真提供:時事通信

オンラインでの第2回討論会に否定的なトランプ氏〜劣勢をどう挽回するのか

宮家)10月15日に2回目の大統領候補同士の討論会があるのですが、どうやらこれをバーチャルでやるということです。

新行)オンライン方式で。

宮家)バイデンさんは受け入れていますが、トランプさんは嫌がっている。やらない可能性もあります。

新行)日程を延ばすということはあり得るのですか?

宮家)コロナがあるから、何でもありなのですけれども、それは難しいと思います。15日ですよ。普通ならば、いくら退院して元気だと言っても、まだおそらく陽性ですよね。それなのに対面でやるということは医学的にはあり得ません。しかし、これでやらないとなると、トランプさんはどうやって挽回するのだろうという気もしますから、わかりませんが。

新行)新型コロナウイルスにトランプ大統領が感染したということで、ツイッターなどの投稿を見ていてもそうですが、「これを克服するのだ」と、支持者が盛り上がるという見方もありますが。

宮家)トランプさんにはすでに岩盤の支持者がいます。そこで全体の40%くらいの票は取れるのです。それを47%、48%にするためには、浮動票が入って来なくてはいけない。しかし、今それが出て来ていないのです。何かうまい手を考えなくては、このまま行くと負ける方向に行ってしまう。トランプ陣営からすれば、第二回の討論会をやるかやらないかということは、頭痛の種だと思いますね。

 

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