大統領選にトランプ氏が負けた場合〜起こり得る「残念な状況」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月5日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。開票が進むアメリカ大統領選挙について解説した。

22日、国連総会議場で放映されたビデオで演説するトランプ米大統領(国連テレビから、共同)=2020年9月22日 写真提供:共同通信社

アメリカ大統領選挙〜バイデン前副大統領が優勢か

開票中のアメリカ大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ大統領が南部フロリダ州や中西部のオハイオ州を制し、一方で、民主党のジョー・バイデン前副大統領は東部や西部を抑え、異例の大接戦となっている。

飯田)「ウィスコンシン州でジョー・バイデン氏が勝利」と大方の報道機関が、また、ミシガン州に関しても、「バイデンさんの勝利が決まった」とFOXニュースやABCなど、主要メディアが報道しています。バイデン前副大統領は記者会見をしまして、勝利宣言をするつもりはないとしながらも、「選挙人の過半数の270人を獲得するために必要な州で、我々が勝利しているのは明らかだ」という発言をしています。全体の情勢を見ると、バイデンさんが行くのかという感じになっています。

宮家)2016年、4年前に、トランプさんが、その前の大統領選でオバマさんが獲っていた州をいくつかひっくり返したわけです。その州が6つあります。50州のうち、44州は結果が同じで、6つだけをひっくり返したのです。今回は、アイオワでトランプさんが勝っています。それからペンシルベニアはもしかしたら勝つかも知れない。フロリダは獲ったけれど、ミシガンとウィスコンシンが獲れていません。これがまず、痛いですよね。その上に、西部のアリゾナ、それからネバダがあります。ネバダはまだ決まっていませんが、アリゾナは元々共和党の牙城だったわけです。そこをトランプさんが落としているということは、やはり4年前と状況が大きく変わっている部分があるということです。そうなるとトランプさんが勝つ方法は、4年前と同じ方法しかないのだけれども、6つの州のいくつかを落としてしまった上に、アリゾナまで落としてしまった。こうなると、なかなかトランプ陣営には難しい状況です。

米大統領選が開票  2020年11月3日、米カリフォルニア州のバーで開票速報を見る人たち(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

厳しい状況のトランプ氏〜法廷闘争になれば、泥仕合が続きアメリカの分断は続く

宮家)問題は、これからどうなるかということです。トランプさんは、性格的にも、素直に敗北を認めない人ですから、いろいろな法廷闘争をやると思います。ということは、残念ながら、アメリカの分断はこれからも当分続くということでしょうね。どちらに転ぶかまだわかりませんが、トランプさんが仮に負けたとしても、トランプさんの支持者たちは絶対に黙ってはいないでしょう。それで何かが起これば、今度は勝ったと思っている民主党の人たち、特にリベラルの人たちが怒り心頭になる。そうなると、どういう形になるのかわからないけれども、泥試合が進むということになるのではないでしょうか。

飯田)郵便投票についても、トランプさんは「不正投票だ」と言ったり、いろいろなことが出ています。

宮家)各州の大統領選挙の結果は、州の権限で出しているわけで、州の最高裁判所がルールを最終的に判断するのだと思います。しかし、それについて今回、トランプ陣営からチャレンジがあると思うので、連邦の最高裁まで行く可能性はありますが、果たして勝てるのでしょうかね。

飯田)そうなると、どのくらい時間がかかってしまうのかということも。

宮家)しかし、12月14日に大統領選挙人の選挙がありますから、それまでには連邦最高裁も何らかの決定をするだろうと思います。そうしなければ、法的安定性という観点から、非常に問題になりますからね。

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