デジタル庁〜セキュリティの問題からも「外国人の登用は論外」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月24日放送)にジャーナリストの有本香が出演。2021年9月に創設が予定されているデジタル庁について解説した。

2020年9月30日、訓示を行う菅総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/30kunji.html)

菅総理〜デジタル庁について、海外から人材を受け入れる方針を示す

菅総理大臣は11月23日、都内で講演を行い、政府が2021年9月に創設を目指すデジタル庁の人材について、海外からの人材、あるいは世界で活躍できる方をデジタル庁で受け入れると述べた。

飯田)人材確保については、官民の交流が重要だと。役所で民間の人が働くのは壁があるわけで、そうしたものを取っ払うことが大事であると語ったということです。海外からも人材を受け入れると。

有本)デジタル庁で何をどうするかということが明らかにされないうちに、「海外から人材を受け入れる」ということだけが明らかにされるということは、順序が違うような気がします。これは竹中平蔵さんの講演の場でのことですか?

飯田)ええ、そこでの質問に答えた形だそうです。

有本)公式の場ではないということでしょうが、海外にいる人材と言っても、いろいろいます。海外にいる日本人でデジタル分野に強くなっている人ということも言えますが、これは「外国人も含めて」というニュアンスで伝わっていますよね。

飯田)ニュアンスとしては、そういう感じで伝わっています。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

デジタルセキュリティの問題からも外国人の登用は論外

有本)「その壁は取っ払ってはいけないでしょ」と思いますけれどね。デジタル庁で行政のデジタル化等を進めて行くにあたって、少なくとも現状の公務員の人材だけでは到底無理であるということは、かなり前から言われていました。ですから民間も含めて、総理がおっしゃるように、壁を取っ払って能力のある人を登用することは必要なことだと思います。一方では、まずは設計して行かなければならないわけです。設計して、それを実際に形にして、並行して、これを防御して行かなければなりません。デジタルセキュリティの問題もある。しかもこれから行政のデジタル化によって構築して行くシステムをどう守るかというだけではなく、国として、あらゆるインフラやさまざまなものをサイバーアタックから守らなければならない、ということもデジタル庁でやって行くと思います。その種の高度なことに対応できる人材を、これからどうやって探すかということは、非常に重要な問題です。そのなかで、「外国から」と言いますけれど、外国人というのは、他の国と照らして考えると論外だと思います。仮に日本国民に限定したとしても、ここの部分をもし破られたら大変なことになります。その人個人の能力だけではなくて、いろいろな面からの資質をスクリーニングする必要があります。

飯田)これだけ重要な、個人情報の塊みたいなものを取り扱うわけですからね。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

日本にはスパイを排除するという法律や仕組みがない

有本)そうです。その点で、そういう人材を登用するにあたっての方向性、そしてここだけではありませんが、日本はかつてから言われているように、他の国におけるスパイを排除するという法律や仕組みがない。これは相当シリアスな課題であると私は思います。

飯田)諸外国であれば、機密情報にアクセスするということになると、それ相応のセキュリティクリアランスと呼ばれるお墨付きをもらわなければなりません。自分で質問に答えるのもあるし、多方面から情報を寄せて素性を調べるということです。そういう仕組みそのものが日本にはないですよね。

総理就任後初の国会を前に心境を語る菅義偉首相=2020年10月26日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

セキュリティ問題をどうするのか

有本)かつては、アナログではあるけれども、そういうことをしていた企業もあり、役所もしていましたけれども、それをまったく排除してしまいました。個人に対する権利の侵害であるというように話をすり替えられてしまった。しかし、そういう問題ではないのです。いまは「組織犯罪処罰法」などができたことによって、多少の防御はできたけれども、まさに先ほど飯田さんが言ったようにセキュリティクリアランス、個人をチェックして行くシステムがまったくないわけです。先にそちらをやらないで、壁を取っ払う話だけに行ってしまうのは、非常に危険だと思います。それと、デジタル化そのものも方向性が見えていないですよね。

飯田)全体像がわからないということですよね。

関連記事(外部サイト)