米連邦政府がバイデン氏政権移行業務認める〜エビデンスが出ないトランプ氏の法廷闘争

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。米連邦政府がバイデン氏に政権移行業務を認めると通知したニュースについて解説した。

19日、米デラウェア州で記者会見するバイデン前副大統領(ゲッティ=共同)=2020年11月19日 写真提供:共同通信社

アメリカ連邦政府がバイデン氏への政権移行業務を認めると通知

アメリカ連邦政府で政権移行の手続きを担当する一般調達局は11月23日、大統領選で当選が確実となったバイデン氏に対して、政権移行業務の開始を認めると通知した。トランプ大統領はツイッターで法廷闘争を続けるとしながらも、手続きを容認する考えを示している。

飯田)政権移行業務も、一般調達局の許可なしではできないのですね。

高橋)そういう制度ですね。政権移行があるから、政府の資産や情報を使うという意味なのでしょうね。法廷闘争も、エビデンスが出て来ないのです。法廷闘争で「証拠がある」と言っているけれども、裁判所で認定されるようなレベルではないので、トランプ陣営は苦しくなって来て、12月1日までに1州でも勝たないと終わってしまいます。12月14日が最後の選挙人選挙なのですが、そこまで持たないのですよ。2000年のブッシュとゴアのときには、フロリダ1州だけだったから、12月12日まで粘れましたが、今回はたくさんの州でやるから1個でも負けると、12月1日で終わってしまいます。だから「12月1日までに、トランプさんが敗北宣言をするかしないか」という賭けがあって、「敗北宣言をする」というのが80〜90%で、「それ以上粘る」という人はそこに賭けると、配当率が8倍くらいの大穴になっていたのです。でも、この間のトランプさんの容認ツイートで、その賭けはなくなってしまいました。賭けが成立しなくなってしまった。

ウィルミントンで、報道陣の質問に答えるバイデン前副大統領(アメリカ・デラウェア州)=2020年11月16日 AFP=時事 写真提供:時事通信

国務長官候補にアントニー・ブリンケン氏

飯田)バイデンさん側は、すでに閣僚の人事も発表していますが、そのなかで財務長官には、FRBの議長だったイエレンさんの名前が挙がっています。

高橋)ここのなかでポイントは、アントニー・ブリンケンさんです。

飯田)国務長官候補。

高橋)オバマ前政権では、国務副長官などを歴任しています。この人が国務長官になるということは、外務省はつながりがあるから、喜ぶでしょうね。いまの大使もウェルカムですよ。トランプさんのときは、トップ同士で決まってしまったでしょ。

飯田)安倍、トランプで決まってしまうと。

米大統領選でバイデン氏の勝利が報じられた後、ワシントンのホワイトハウスに戻るトランプ大統領=2020年11月7日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

財務長官候補にイエレン氏

高橋)あとイエレンさんが財務長官になるということは、民主党らしいですよね。FRBの議長が財務長官になるとロクなことがないと、いままで言われていましたが。でもイエレンさんは進化しているし、昔の学者とは違うと思います。労働経済学だから、民主党らしいですよ。

飯田)労働経済学。

高橋)もともとがね。

飯田)そうすると雇用だとか。

高橋)雇用を重視します。だからある意味では、FRB議長に適役なのです。日本ではほとんど知られていませんが、FRBは雇用を守るということが仕事なのです。

飯田)中央銀行だけれど、失業率も目標指標の1つになっているわけですからね。

高橋)「中央銀行だけど」ではなくて、「中央銀行だから」なのです。それが世界の標準です。日本の常識に慣れていると、世界の非常識になってしまうわけです。だからイエレンさんが中央銀行の総裁になったというのは本当にいい人事なのです。でも日本の労働学者は金融政策と関係があることを知らないから、ダメなのですが。

飯田)金融緩和をすると、それが雇用に効くのだと。

高橋)日本では、「金融政策イコール雇用政策」だということを誰も知らない。本当を言えば、それは大問題なのです。

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