経済回復のために「十分な財政出動」をするべき〜財源は国債

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月2日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。失業率が3ヵ月連続で3%台となったというニュースについて解説した。

【政治 菅首相ぶら下がり】記者の囲み取材に応じる前、マスクを外す菅義偉首相=2020年11月21日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

10月の完全失業率3.1%、3ヵ月連続で3%台

総務省が発表した10月の完全失業率は3.1%で、前月(9月)と比べ0.1ポイント悪化し、3ヵ月連続で3%台となった。また厚生労働省が発表した有効求人倍率は1.04倍で9月と比べ、0.01ポイント上昇した。

飯田)完全失業率が上がり、有効求人倍率は上昇とは言っても、微々たるものですね。

2020年11月21日、発言する菅総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202011/21corona.html)

コロナ国債を増発して財政出動を

佐々木)ヨーロッパ、アメリカに比べれば不健全な状態ではありませんが、年末年始から年明けにかけて、緊急事態宣言が出る可能性もあります。そうなると、国が何をやるかということになります。GDPの需給ギャップが34兆円と出ていて、そのくらいの財政出動が必要なのではないでしょうか。3次補正が話題になっていますが、自民党の下村政調会長が「34兆円のギャップがあるから、そのくらいは財政出動させよう」と言っています。また公明党も10〜20兆は必要だと話しています。さらに国民民主党の玉木さんは「48兆円」必要だと言っています。財源はコロナ国債を増発するということですが、これはいい政策提案だと思います。

東京、飲食店に時短再要請  ボードを手に記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年7月25日午後、都庁 写真提供:共同通信社

効果が期待できるだけの十分な財政出動が必要

佐々木)この辺のことをインターネットで見ると、「財政規律がどうこう」と言う人がいます。こういうことを言うから、財務省に乗せられて、財政出動が少なくなり、結果的に効果が出ないということになるのです。そうすると麻生太郎さんあたりが「効果が出なかったではないか」と言い出す。そのような、よくない流れになってしまうことが怖いですね。

飯田)第2次補正でも予備費10兆円を積んでおいて、これをいつ使うかという話であったのに、まだ7兆円残っています。

佐々木)そうですよね。とりあえず給付金をもう1度出すしかないでしょう。国民民主党は10万円の給付金と同じようにもう1度出すべきだと言っています。低所得者向けには20万円にして、それ以外は10万円というのが妥当ではないでしょうか。ネットでは「毎月10万円ください」と言っている人がたくさんいて、これはもはやユニバーサル・ベーシックインカムだろうという議論もあります。その方向も今後、考えなければいけなくなっているのかも知れません。

Go To トラベル 東京発着旅行の旅行商品予約解禁 旅行代理店では割引商品の販売開始=2020年9月18日午後、東京都台東区の日本旅行リテイリングパルコヤ上野支店 写真提供:産経新聞社

Go To トラベルによって、旅行代金だけでなく、消費が喚起され、お金が回る

飯田)人が動くと感染が拡がるという説もあるので、人が動かないということになると、持っている人と持っていない人の差が広がるのではないかと。

佐々木)給付金だけだと、麻生財務大臣が言う「貯蓄に回るだけではないか」ということも、ある意味では半分は正しいです。本当は、もう少しお金が回る仕組みをつくらなければいけません。Go To キャンペーン、トラベルはよかったのではないでしょうか。Go To トラベルによって旅行代金が補填されるだけでなく、消費が喚起されてお金が回り始めます。給付するだけだと、お金は回らないですが、それが消費意欲の向上につながる仕組みをつくることを考えなければいけません。Go To トラベルに関して、「都会のお金持ちに金を回すならシングルマザーに金を回せ」と怒っている人がいますが、それは勘違いです。お金持ちが旅行するためにGo To キャンペーンをやっているのではなく、観光業界にお金が回るためにやっているのです。結局、考え方がゼロサムなのです。経済はゼロサムではなく、喚起するとどこかにお金が回り始めるという、ゼロではなく「全体が膨らみ始める」という経済への理解が足りない感じがします。

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