大阪府が医療非常事態宣言を発令〜東京はこのままでいいのか

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月4日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。大阪府が医療非常事態宣言を発令したニュースについて解説した。

大阪府新型コロナウイルス対策本部会議。終了後のかこみ取材で、「医療非常事態宣言」と書かれた紙を掲げる吉村洋文知事=2020年12月3日午後7時47分、大阪市中央区 写真提供:産経新聞社

大阪府が医療非常事態宣言を発令〜非常事態を示す赤信号を点灯

大阪府は12月3日、緊急の新型コロナウイルス対策本部会議を開き、感染急拡大に伴い自粛要請の基準、「大阪モデル」で非常事態を示す赤信号を初めて点灯させた。3日の重症者は過去最多の136人で、重症病床の使用率は66.0%に上り、赤信号点灯の基準である70%に迫ったため、判断を前倒ししたということである。医療体制が逼迫(ひっぱく)しているとして、医療非常事態宣言を発令し、大阪府民には12月15日まで不要不急の外出自粛を要請している。

飯田)通天閣や太陽の塔が真っ赤に染まったということです。

宮家)この間大阪に行って来ましたが、もちろん皆さん気をつけていて、東京とそれほど大きく変わらない様子でした。その大阪がこうなってしまうということは、東京は大丈夫なのかと心配になりますね。大阪府の知事にはいろいろな意見があるようですが、機敏に動いていますよね。それがパフォーマンスだと言われればそれまでですが、パフォーマンスと言うのなら、東京都にも、ときどきそういう傾向があります。この間も都知事が要請しないとGo To についてはいろいろと決められない、そんなことがあったでしょう? だから国は要請を待っているのでしょう?

飯田)はい。

宮家)しかし、要請したくないのか、もちろん都も国も両方ともしたくないのですよ。Go To をやめたくないのだからそれはそうですよ。経済を優先しなくてはいけない時期でもありますから。結局、譲り合う。そうすると結論が遅れる。GoTo中止などということになれば、飲食業などだけではなくて、観光業を含めて大変な影響があるのはわかるのですが、やはり大阪を見ていると、「なるほど。このように政治判断するのだな」ということがよくわかりますよね。

【新型コロナ・大阪「赤信号」点灯】「大阪モデル」で初めて赤信号が点灯されたことを受け赤色に照らされた通天閣=2020年12月3日午後、大阪市浪速区 写真提供:産経新聞社

「まずい」と思ったらやるのが危機管理の原則

飯田)前倒しということで、ある意味で予防的にやるというのは、政治判断ですものね。

宮家)ええ。危機管理の原則ですよ。「まずい」と思ったらすぐにやるというのが、王道だと思います。

飯田)スピード感が大切です。

宮家)大阪の数字が過去最大になったと言いますが、東京だってそうですよね。500を超えたのでしょう? 全国似たような状況ではないですか。ちょっと心配ですね。

飯田)大阪の場合は、早くからコロナ専門病院をつくったりしていましたが、看護師や医者で退職される方も多かったということで、結局、つくったベッド数すべてを使うことができなくなって来たということも要因です。

宮家)だから医療非常事態なのでしょうね。

菅義偉首相との会談を終え記者団からの問いかけに答えず首相官邸をあとにする小池百合子東京都知事=2020年11月24日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

東京でも医療と通常医療との両立が困難な状況が生じ始めている

飯田)3日には、東京でモニタリング会議が開かれまして、コロナ患者の医療と通常医療との両立が困難な状況が生じ始めていて、手術の後ろ送りなどが出て来ているということです。東京都医師会の猪口副会長は記者団の取材に対して、重症者が大幅に増えていない状況を踏まえ、「ベッド数を拡大し功を奏せば、いまのところ医療体制が逼迫することにはならないだろう」と述べています。ただ、この病床を増やすということになると、当然、現場への負担が大きくなります。

宮家)そうですよね。しかも、そんな簡単に「病床数を2倍にしました」とかできるはずがなくて、少しずつやらざるを得ないし、負担が続くでしょうね。

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